服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

 こちらの記事によると、ロシアの民主野党の諸勢力の間で、大同団結の動きがあるようだ。以下、記事の要旨を紹介する。

 「国民自由党」の共同議長であるM.カシヤノフ、B.ネムツォフ、V.ルィシコフは、新たな民主連合ないし政党の設立をめざして動き出した。「ヤブロコ」、旧「右派連合」の一部、A.クドリン前副首相・蔵相、大統領候補の富豪M.プロホロフ、人気ブロガーのA.ナヴァリヌィーが加わる可能性があり、交渉が進められている。当事者たちは、もしもメガ政党の結成に成功したら、下院選で30%の得票が可能で、ロシアは違う国になる、としている。

 カシヤノフによると、国民自由党の幹部らは、すべてのリベラル民主派を広範な連合に束ねることを主導していくと、決定した。ネムツォフによれば、もしも政党登録に関する法律が簡素化されれば、プーチンは民主派政党を小党分立させて、仲間割れを生じさせえようとすると考えられ、そうなれば各党は2%を得票するのが精一杯なので、何とかしてスーパー政党を作らなければならないという結論に至った、ということである。

 リーダーたちが想定しているシナリオには、2通りがある。第1に、国民自由党とヤブロコがそれぞれのブランドを取り下げたうえで、すべての民主派が参加する新たな組織を作る。第2に、単一の政党への合流がならなかった場合、対等な参加者による連合体を結成し、候補者名簿の策定は選挙向けに最大の効果を挙げうるように決定する。資金拠出も対等の条件でなされ、たとえばプロホロフ1人が拠出するといったことがないようにする。カシヤノフ、ネムツォフともに、連合体の結成に向けた交渉は大統領選後に取り掛かるべきということを強調した。

 現在のところ、潜在的な参加者とのコンタクトは、「ロシアの政治状況に関する意見交換」という形で進められている。カシヤノフは、「プロホロフとクドリンは、野党の側に立つのかどうか、態度を決めなければならない。プロホロフはプーチンの下の政府で働く用意があると言っているし、クドリンの政治的立場も曖昧だ」と指摘。また、ナヴァリヌィーについても、政治家になるのか、社会活動家にとどまるのか、はっきりしないと指摘した。

 しかしながら、ヤブロコのリーダーの1人S.ミトロヒンは、挙がっている名前はあまりにも雑多であり、イデオロギーがどんなものになるのかさっぱり分からず、政党など作れるはずがない、連合体はまた別だが、新法はそうした連合を禁止することになるとして、懐疑的な見解を示した。プロホロフのYu.スラシチェフ顧問は、プロホロフとクドリンは定期的に連絡をとり、相互理解があり、新たな右派政党の結成の可能性についても話しているが、具体的な決定はないとコメント。ナヴァリヌィーは、民主連合の結成については聞いていないとして、ノーコメントだった。

 ウクライナのアザロフ首相が2月13日、自らのウェブサイトを開設した。http://www.azarov.ua/というのがそのアドレスである。むろん内閣のウェブサイトはこれまでもあったわけだが、今回開設されたページはURLに「gov」がないことから見ても、個人のページという位置付けになるのだろう。昨今では、スマホで情報を発信するアプリを提供する政治家がちらほらと出始めたものの、こういうオーソドックスなホームページを新たに開設するというのは、逆に珍しいかもしれない。

 おそらく、注目点は2つあるだろう。第1に、首相交代もささやかれるなかで、なぜこの時点でHPを立ち上げたのかということ。まあ、それほど深い意味はないのかもしれないが、もしかしたら、首相として生き残るために自らの存在感を誇示する、あるいは逆に首相解任を見越してその後の身の振り方のことを考え始めた、等々といった事情があるかもしれない。

 第2に、アザロフ首相のウェブサイトは、ロシア語・ウクライナ語のバイリンガルになっており、しかもロシア語の方がデフォルトになっていること。アザロフ氏は民族的にはロシア人であり、このHPにビデオが掲載されている記者会見を見ても分かるとおり、日頃からロシア語で発言している。ただ、ウクライナの公的機関のウェブサイトはほぼウクライナ語一辺倒だから、その意味でも本HPは個人色の強いものと言えるだろう。

 むろん、ロシア語を使うから、「親ロシア」などと考えるのは、ナンセンス。ここ数日のニュースを見ても、ロシア以外の石油・ガス供給源の確保に目途が立ったとアザロフ首相が発言したり、地域党現政権とロシアの関係は、ぎくしゃくしている。

 本田圭佑のCSKAからラツィオへの移籍が土壇場で頓挫したことが、様々な論議を呼んでいる。

 日本の報道のなかで、非常に目立ったのがこちらの記事。「本田圭佑、移籍破談でいつまで続く“監獄”生活。~CSKAにまつわる“何故”?~」というタイトルが物語るように、選手の意向を汲もうとしないCSKAを批判する内容になっている。私自身、決してロシアが好きで同国を仕事の対象にしているわけではないが、一応はそれで禄を食む者として、日本を代表するスポーツメディアに「ロシア人の辞書に『譲歩』という単語は存在しないのだろうか」などと書かれると、ドキっとするところはある。

 それとは対照的な評価を示しているのが、辛口で知られるサッカー評論家の杉本茂樹氏。同氏はこちらのコラムのなかで、現状ではラツィオよりもCSKAの方が格上であり、最高峰の舞台であるUEFAチャンピオンズリーグの戦いの場に身を置き続けるためにもCSKA残留が正解であった、と唱えている。

 私自身は、この2つのコラムとも、やや極端ではないかと感じた。まず、前者の記事はCSKAを金の亡者であるかのように書き立てているが、クラブが決められたルールのなかで利益を最大化しようとするのは当然であり、今回CSKAはルール違反をしたわけではないのだから、CSKAを一方的に非難するのは当たらないのではないかと考える。ただし、私自身、ロシア畑の人間としては本田がCSKAに長くいてくれた方が有難いものの、彼の現在の境遇は何やら蟻地獄にはまり込んでしまったかのようであり、気の毒には感じているが。

 他方、杉山氏の主張も、やや一面的であるという印象を受けている。杉山氏は、ラツィオよりもCSKAの方が現時点のクラブ・ランキングが上であること、コンスタントにチャンピオンズリーグに出場しているのはCSKAであることを根拠に、CSKA残留が正しい選択であると訴える。しかし、私は(個人的な都合で本田のCSKA残留を喜びながらも)本田本人および日本サッカーにとってはやはりラツィオの方がベターではなかったかと考えている。

 確かにロシアの国内リーグは、上から6チームくらいまではヨーロッパ・レベルだけれど、下位はかなりレベルが落ちるし、しかも地方遠征は移動距離や治安の困難も伴う。気候の厳しさは言わずもがなで、特に怪我がちになってきた最近の本田にとっては、ロシアの冬やルジニキ・スタジアムの人工芝は気の毒。だいたい、モスクワという街自体が、住んでいて一つも面白くないし(失敬…)、ストレスばかり溜まるところである。私はロシアを研究対象としているから、毎年モスクワにも行くし、味気ない地方都市も努めて訪問するようにしているが、ちょっと一般の日本人には勧められないというのが本音だ。むろん、観光客がモスクワやサンクトペテルブルグの観光地をスポットで訪れるだけだったら楽しいだろうけど、ロシアに暮らしてそこで働くとなると、それ自体がかなりの負担になると思う。

 その点、イタリア・セリエAの方が、リーグ内の格差はロシアよりも小さいだろうから、仮にチャンピオンズリーグに出れないとしても、国内リーグ戦だけでも充分に研鑽が積めるはず。国内遠征も、行く先々が風光明媚で、ホテルも居心地が良く、食べ物も美味しいのではないか。普通に考えれば、心身ともにポジティブな状態でサッカーに取り組めるのは、やはりイタリアだろうと思う。

 ただし、人間、恵まれた環境の方が良い結果を出せるとは限らないというのも、難しいところ。特に、本田のようなストイックな人間にとっては、モスクワとローマのどちらが本当に良いのかというのは、一概に言えない。一つだけ確実に言えるのは、当面残留が決まったのだから、今はモスクワで頑張ってくれということだけで、そんなことは外野が言わなくても本人が一番分かっているだろう。

 「ロシア産業・企業家同盟」と言えば、「ロシアの経団連」などとも呼ばれ、一頃は「オリガルヒの巣窟」などとも言われていた、ロシアの中心的な経済団体である。この産業・企業家同盟の総会が2月9日に開かれ、大統領選に立候補しているプーチン首相がこれに出席して演説を行った。なお、もう一人の大統領候補であるプロホロフ氏も、自身が産業・企業家同盟の幹部ということもあって、総会に出席したということである。

 総会におけるプーチンの演説については、首相サイトのこちらのページに、そのテキストが掲載されている。ただ、逐語的に紹介している余裕はないので、ここでは政治工学センターのA.イヴァフニク政治分析部長によるこちらの論評を、ごくかいつまんで、以下のとおりまとめておく。

 2月9日にプーチンが産業・企業家同盟の総会で演説したことは、選挙戦のハイライトの一つとなった。この演説でプーチンは、大企業の財界よりも、市民への訴求を重視した。まず、一握りの金持ちくらいしか利用できない長い新年休暇を短縮し、その代り5月初頭の休日を増やすという(この時期は市民が家庭菜園に精を出す時期)、市民の間で求める声の多いアイディアへの支持を表明した。

 その一方でプーチンは、ロシア社会にビジネス、私的所有に対する否定的態度が広がっているのは、ソ連時代をルーツとするというよりも、90年代に国有資産が不明朗な形で簒奪されたことに起因していると指摘、こうした過去に終止符を打つため民営化の受益者による国庫への納付金のようなものを検討すべきという考えを示した。ただし、英国で1997年に労働党政権が誕生した際に、サッチャー時代の民営化で過大な利益を得た向きが、埋め合わせのために重税を課せられた例こそあるものの、ロシアでは所有者も所有構造もその後変容しており、誰がどれだけの納付義務を負うか、弾き出すのは至難である。したがって、このテーマは、選挙が終わってしばらくすれば、フェードアウトするだろう。一般市民にとってみれば、プロホロフが大会で語ったとおり、すべての層のビジネスを「腐敗税」から解放することの方が、はるかに切実である。というわけで、プーチンのこの発言は、他人の財産をやっかむような人々へのウケを狙った大衆迎合的なポーズと言える。同じ層に向けてプーチンは、贅沢税を導入する必要があるという主張を繰り返したが、その際にもプーチンが財政赤字補填の観点ではなく、道徳的な側面を強調したのが特徴的だった。

 むろん大会での演説でプーチンは、大企業の犠牲を求めただけでなく、支援の姿勢も示した。たとえば、行政の許認可手続きの期間短縮や数およびコストの削減、関税や税制に関連した法令の評価制度、非資源部門への税負担軽減、建設許可の容易化、等々について語った。しかし、これらの提案はまったくの一般論として提示され、具体的な措置や期限についての説明はなかった。過去10年、ロシアの経済界は再三にわたってこうした提案を聞かされてきたわけだが、ロシアのビジネス環境は劣悪なままである。改善のためには、抜本的な制度改革が必要だが、産業・企業家同盟での演説でも、一連の新聞論文でも、プーチンはそのことを語っていない。

 それでも、大企業の代表者たちはプーチンの演説を熱心に聞き入り、ロビーですら彼を批判する向きはなかった。産業・企業家同盟は、2000年代の初頭は国と対等の立場で経済政策の基本的な方向性を決定付けていたものの、そのステータスを失って久しく、今では各自の個別の問題の解決を陳情するだけの聞き分けの良い存在になっている。昨今、ロシアの社会では劇的な変化が生じているわけだが、その変化が財界トップの姿勢を変えるところまではまだ至っていないようだ。

pda

 まず最初にお知らせ。このホームページのモバイル版を立ち上げました。スマートフォンや携帯電話からご利用ください。アドレスは下記のとおり。ただし、スマホからトップページ(http://www.hattorimichitaka.com)にアクセスすると、自動的にモバイル版に飛ぶように設定してありますが。

http://www.hattorimichitaka.com/pda.html

 自分のHPのモバイル版を作成してみたいというのは、旧来の携帯電話の時代から漠然と思ってはいたのだけれど、スマホ時代になっていよいよ避けて通れないなという気がしてきた。しかも、決定的だったのは、これまでスマホから私のHPにアクセスしようとすると、エラーになってしまっていたこと。フラッシュのアニメが悪いのか、フレーム割が悪いのか、はたまたジオシティーズというサービスそのものが悪いのかはよく分からないが、いずれにせよスマホで私のHPにアクセスすると、いったんは表示されかけるものの、すぐに「URLが存在しません」みたいな表示に切り換わってしまっていた。このスマホ全盛の世に、そういう状態を放置することはとても気持ちが悪いので、とりあえず策を講じることにした次第。

 しかし、実際にモバイル版をご覧いただくと、「何だよ、文字大きくしただけじゃん」と言われそうである。そのとおり、これは新着記事をシンプルに並べて、文字を大きくしただけのページである(当然のことながら、PCで閲覧すると、文字がどデカかく表示される)。でも、私の場合HPはすべて手作りだから、これだって思案を重ね、試行錯誤を経て、ようやく実用的に閲覧できるページに仕立てたのである。スマホからアクセスしたら自動的にモバイル版に飛ぶ設定なんて、訳が分からなくて、ほとんど涙目でこぎ着けたんだからさ。アホだからJAVAのスクリプトとか書けないんだよ。私の今のリテラシーでは、これ以上無理!

 まあ、もうちょっと時間的余裕があったら、勉強をして、ちゃんと見栄えのするスマホ・サイトを構築してみたいが。その点、ホームページ・ビルダーだと、スマホ・サイトのデザイン雛形が用意されていたり、PC版のHPを更新するとそれが自動的にスマホ版にも反映されるような機能があるらしいんだよね。いいなあ、簡単ソフトは。私も今さらながらDreamweaverからホームページ・ビルダーに乗り換えようかなあ。せっかくDreamweaverにも多少慣れてきたところなんだけど。

 ただし、私のHPは写真や図表も多いことだし、あくまでもPCのHPがメイン。モバイル版では、図版は省略するし、諸々至らないところもあると思うけれど、あくまでも簡易版なので、ご容赦ください。

 それにつけても、私のIT環境は、この半年くらいでかなり変わった。その直接のきっかけは、昨年10月にiPod Touchを購入したこと。その経緯については、以前こちらこちらで述べたとおり。そこに書いたとおり、iPod Touchは単なる音楽プレーヤーというよりも、通話のできないスマホのようなもので、WiFiでネットに接続できるので、ウェブやメールが使えるのである。私はその後、このiPod Touchで出先でもWiFiに繋がるように公衆無線LANサービスに加入したりアプリに目覚めたりと、iPod Touchが垣間見せてくれるスマホ・ワールドに徐々に引き込まれていった。それが高じて、「スマホでロシア・NISのニュースをチェックする」なんてレポートを発表したりもした。

 そして、昨年暮れには、フェイスブックを始めてみた。そもそも私は、一方的な情報発信をしたいタイプであり、SNSで他人と繋がりたいなんてことはあまり思わない人間である。だから、自分のHPにも、ブログにも、コメント欄は設けていなかった。私にとってウェブでの情報発信はあくまでも、媒体を紙から電子に置き換える(あるいは後者が前者を補完する)だけのもので、双方向的なやり取りは拒絶していた。私の書いた文章を引用・批評していただいたりすることはウェルカムだけど、それは各自やってください、というスタンスだった。

 しかし、フェイスブックに関しては、世界情勢を読み解く鍵にまで浮上しており、どんなものなのかという興味はあった。そうしたなか、12月にウクライナ出張に出向いた際に、機中で読もうと思って『日経トレンディ―』を買ったら、「3分で使えるフェイスブック」というオマケ本が付いてきて、それを読んだらフェイスブックへの関心が膨らんでしまった。これは、もしかしたら自分の勤務先の情報発信ツールとして使えるかもしれないので、まず個人で試してみようと思い、始めることにした。実名制が基本のフェイスブックなら、生産的なやり取りも可能かなという期待もあったし。もっとも、本音を言えば、ロシア関係のアプリ漁りが一段落してしまい、他にもiPod Touchで遊ぶ何か面白いものはないかという気持ちもあったかもしれない。

 フェイスブックを始めてみたものの、前掲の「3分で使えるフェイスブック」には、「見ず知らずの人からの友達リクエストは断るべき」と書いてあったので、それに倣っている。そもそもがシャイな性格なので、フェイスブック上で知り合いを見付けても、自分からは友達リクエストを出さないというスタンス。なので、今のところ「友達」は十数人しかいない。だから、フェイスブックの持つ情報伝播力のようなものは、まだ実感できない。ただ、不思議なもので、SNSを疑問視していた私でも、友達リクエストが来たり、コメントや「いいね」をもらえると、妙に嬉しかったりするものである。恥ずかしながら、新しい自分を発見しつつあるというか。そんなわけで、私が勧めるのもなんですが、皆さんもフェイスブック、どうですか?

 で、私の場合、やると決めたら、とことんやるタイプなので、私のこのHPの各記事にも、フェイスブックの「シェア」ボタンを付けることにした。しかし、日々、記事を書くだけでも大変なのに、フェイスブックに対応したり、並行してモバイルサイトも更新しなければならず、私の場合それを全部手作業でやってるから、やたら手間が増えたなあ。なお、フェイスブックに加えて、ツイッターのボタンを付ける実験もしてみたんだけど、そちらの方は技術的にあまり上手く行かず、依然としてツイッターには抵抗感もあるので、ツイッターはとりあえずやめにした。

 目下のところ私が思案しているのは、近日中にスマホを買うべきかどうかということ。iPod Touchでスマホの美味しいところはだいたい体験できているつもりだけれど、やはり真正スマホ・ユーザーになりたいとう願望はある。携帯はドコモに加入しているので、アンドロイド端末を買うつもりだ。ネットや雑誌で、最新機種を比較検討する日々。でも、日系メーカーの端末を買いたいのに、どう考えても日本勢は現状ではサムスンのギャラクシーに見劣りし、購入に二の足を踏んでしまう。買えないうちに好奇心や知識ばかりが肥大化し、スマホ耳年増になりそう。

 雑誌の編集作業に追われ、ここ数日、ロシアのニュースのフォローが行き届かなかった。で、これはその間の話題だが、こちらのニュースによれば、プーチン首相は2月7日、旧ソ連諸国に対するビザ制度の導入は、これらの国々がロシアの影響力圏から最終的に離脱してしまうことにつながると発言した。

 プーチンは、自らの選挙代理人らとの懇談の席で、移民問題に触れ、以下のように述べた。「昨日、政治評論家らと話した際に、彼らは(CIS諸国に対し)ビザ制度を導入すべきと言っていた。貴方たちに私の立場を知っておいてほしく、それは国民にも秘密ではないが、旧ソ連諸国にビザを導入することは可能ではあるが、その場合我が国は、それらの国々を完全に失ってしまう。同諸国では現在それでなくてもロシア語が追いやられており、今後自由なコミュニケーションもできなくなるし、追加的な制限が課せられ、ひいては同諸国を失い、我が国の影響力圏から離脱してしまい、結局は我が国を弱体化させてしまう」と、プーチンは述べた。

 プーチンによれば、否定的な影響は長期的なものとなり、ロシアの経済や国民の生活にも打撃となる。法の枠内で移民が働くことは正常であり、それはロシア経済にとって不可欠。必要なのは秩序をもたらすことであって、不法移民と彼らを手助けするロシア国民への罰則を厳格化すべきである。1つのアパートに200人もの移民が居住登録されているような事例が横行している。他方、移民が奴隷的な労働に従事させられているという問題もあり、彼らが安心して働ける環境が必要だ。プーチンは概略以上のように述べた。

 ベラルーシを代表する政治評論家のV.カルバレヴィチ氏に、最新のベラルーシ事情に関するレポートを寄稿してもらった。そのなかで、ベラルーシの原発建設に言及した箇所があるので、差し当たりその部分だけ以下のとおり翻訳して紹介してみたい。

 ベラルーシの原発建設は、実に奇妙なプロジェクトだ。原発建設は、ベラルーシが直面する問題を何一つ解決せず、逆に新しい問題を作り出す。

 ベラルーシが厳しい経済難に見舞われているまさにその時に、大規模建設プロジェクトに着手するというのは、賢明なこととは思われない。ベラルーシの国庫には、そのために必要な財源はない。原発はロシアの資金で建設されようとしており、その目的のためにロシア側は100億ドルを貸し付けることになっている。

 ロシア側がベラルーシで実施しようとしている原発の設計案は、一切前例のないものであり、またしてもベラルーシ人が実験台にされようとしている。

 当初、原発建設の理由の一つとされていたのは、余剰となった電力を輸出し、貿易赤字を補填するというものだった。ところが、現在この地域では、リトアニア、ポーランド、ロシア・カリーニングラード州、そしてベラルーシと、実に4箇所で新たな原発の建設が計画されている。カリーニングラード原発などは、すでに建設が開始された。しかも、この地域一帯は産業の発展度が低い。ベラルーシの原発は同国北西のグロドノ州オストロヴェツでの建設が決まっているが、同州は産業の発展度でベラルーシ東部に引けを取る。バルト3国などは、ソ連時代の鉱工業をすでに放棄してしまった。

 かくして、余剰の電力をどこに持って行くのかというのが、大問題となる。ベラルーシの原発は元が取れないという恐れも出てくるわけで、その場合にロシアからの融資をどのように返済するのか?

 ロシア側は、ベラルーシの原発で生産される電力を輸出するための合弁企業の創設を、要求している。つまり、ベラルーシは借金を負い、原発を建てながら、電力販売収入はロシアと折半しなければならないわけだ。

 このシナリオは、ロシアにとって好都合だ。ベラルーシは、エネルギー面でも、資金面でも、ロシアに依存することになる。なぜなら、原発の燃料はロシアが供給し、核廃棄物もロシアで処理されることになるからだ。

 こちらの記事によると、ロシアのガスプロム社がドイツ・ブンデスリーガの名門バイエルンのスポンサーになるという観測が浮上し、早くもサポーターの間には反発する動きもあるようだ。

 現在、バイエルンのメイン・スポンサーはドイチェ・テレコムが務めており、一方ガスプロムは2007年からシャルケのスポンサーとなっている。内田篤人のユニフォームの胸のところに、ガスプロムのロゴが入っているので、日本でもお馴染みだろう。

 ところが、この記事によると、先日ガスプロムのミレル社長とバイエルンのヘネッサ社長が会食の場を設けたことから、スポンサーシップに関する観測が浮上した。これについてバイエルン側は、「ミレル氏とはとても和やかな雰囲気のなかで、レストランで楽しい昼食を共にした。ここで強調しておきたいが、我々はシャルケに取って代わってガスプロムをメイン・スポンサーとして獲得するつもりはない。そんな話すらしていない。しかし、何らかの形の協力関係は可能だ」と説明している。ガスプロム側も、同社がバイエルンのスポンサーになるという情報を否定している。なお、今回より少し前に、2012年中にもガスプロムがバイエルンのホームスタジアムのネーミングライツを獲得し、その後にユニフォームのスポンサーにもなるという情報が流れていた。

 このように、ガスプロムもバイエルンもメイン・スポンサーの可能性は否定しているものの、早くも先日のブンデスリーガの一戦で、「NO GAZPROM」との横断幕を掲げるサポーターが南スタンドに現れた。

 個人的には、ガスプロムがアジア・太平洋市場への進出を目論んでいるところでもあるので、金欠Jリーグがロシア資本を取り込んだりすることはアリではないかと思っているのだが……。

 全ロシア世論調査センター(VTsIOM)が先日実施した世論調査で、大統領選におけるプーチン優位の形勢は、首都モスクワ、「北都」ことサンクトペテルブルグでもほぼ同じであることが明らかになった。こちらのニュースが伝えている。

 この記事で示されているモスクワおよびペテルブルグの各候補の支持率を、No.159で紹介したロシア全国の数字と対比しつつ示すと、下表のようになる。ただし、まったく同じ調査の結果だったのかは明記されておらず、確信がない。一部数字が埋まらないが、悪しからず。

 ロシア全体モス
クワ
ペテルブルグ
プーチン524347
ジュガノフ885
ジリノフスキー86 
ミロノフ44 
プロホロフ41211
ヤヴリンスキー5 
投票に参加しない1187
回答困難10912

 要するに、両首都でも、ロシア全国よりも多少数字は落ちるものの、それでもプーチン優位の形勢に本質的な違いはないということになる。ちなみに、「誰々にだけは絶対に入れない」というアンチ・ランキングを見ても、プーチンの数字はモスクワで30%、ペテルブルグで25%であり、各候補の中でプーチンが最も低くなっている。ジリノフスキーに至ってはその数字がそれぞれ74%と72%に及ぶ。

 この調査結果につきVTsIOMのフョードロフ所長は、以下のように解説している。確かに今回の両首都でのプーチン支持率は、高い数字だ。ただ、現政権に対する大規模な抗議運動が始まったのが12月であり、多くが変化したが、それでもプーチンは12年間も政権に就いているのである。ミドルクラスは、モスクワのそれであっても、特にプーチンに反感は抱いていない。彼らは、既存の対抗馬にも、反政府集会のリーダーたちにも期待はできないということを分かっているので、本物の候補を選好する。その観点から言うと、大統領選に初めて出馬しているプロホロフの存在は、目立っている。

 ただし、両首都でもプーチンが優勢とする調査結果に関しては、野党や一部の専門家から疑問視する声も上がっている。たとえば、『政治工学』誌のポリャコフ編集長は、支持率の数字を操作するのは選挙戦の常套手段であり、今回の調査結果もそうしたものの一つだ、モスクワでプーチンの支持率が43%というのは過大であり、30~35%程度が妥当であろう、と指摘している。

 2月4日でモスクワを中心にロシア各地で開かれた反政権デモ、およびそれに対抗する政権支持集会の事実関係については、一般のマスコミが伝えているので、ここでは省略する。さしあたり、私の友人の特派員が書いた記事がこちらにあるので、ご参照いただきたい。私としては、インターネット新聞『ガゼータ』のこちらの社説が目に留まったので、その要旨を以下のとおり紹介しておきたい。

 反政府運動家たちはそろそろ、一般的なスローガンから、どのようにロシアの政治システムを変えていくべきか、3月4日後に一日一日、一歩一歩をどのように進めていくべきかを、提示すべき時だろう。

 親プーチン集会と反プーチン集会のどちらが参加者の数が多かったかということなどは、意味がない。肝心なのは、当局による動員がないにもかかわらず、また最悪の気候にもかかわらず、現政権に反対して数万人の市民が集まったということだ。彼らの抗議を、気まぐれと受け取ってはならず、これは出口を求める切なる声である。そして、その感覚は深まっている。政権を支持するデモに参加している者たちですら、政権のやり方を信頼はしていない。その親玉であるプーチンですら現在の権力体系は有効ではないと思っており、それゆえに自らの本物の支持者に、動員をかけた参加者を混ぜ、反政府側を真似た受け身の対応しかできなかった。つまり、政権は現在の状況への対応を迫られながら、実際にはどうしていいか分からないのだ。

 このように政権側が苦悩しているわけだが、だからといって反政府側の課題が楽になるわけではない。反政府集会で最も流布しているスローガンは「プーチンなきロシア」だが、それを近いうちに実現することは不可能で、だとすると形成されつつある社会運動が、失速し白けに変わってしまう恐れがある。大統領選でプーチンが勝つ可能性が相当高いとしても、反政府側の課題は変わらないのだ。反政府側は現在、選挙監視を大規模に普及させ、プーチンの大勝を阻止することを目指しているわけだが、もしもプーチンの勝利が微妙なものに終わったら、それは「雪革命」の終わりではなく、ロシアの漸進的な改造の始まりを意味するかもしれない。そのためには、選挙前はともかく、選挙後には単純なスローガンは控えて、日常的で長期的な活動への準備を進めなければならない。

 その際に、市民社会は、少なくとも2つの方向性を目指すべきである。それは、選挙法の本質的な修正に向け政権に圧力をかけ続けること、そして司法システムの抜本的な改革を求めることである。その2つとも、政権が改革に乗り出したかのようにも見えるが、不充分であったり、まやかしであったりする。現在提案されている政治改革は、あまりに不明確で、場合によっては権力の一層の独占を招く恐れもある。司法改革にしても、何ら改善はもたらしていない。この2つの改革は、ナショナリストからリベラルまで、政権に反対しているバラバラな勢力を束ねる結節点になりうるという意味でも、有効である。

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