ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

 最近の私は、一難去ってまた一難という感じで、息つく暇がない。『調査月報』の編集作業は無事完了したのだけれど、この3連休は新たな任務に追われている。2月21日に、「日・黒海地域協力の発展に向けて」という国際会議で基調報告をすることになり、その報告要旨を連休明けまでに英語で出さなければならないのだ。このところ、自宅にいる時間は結構あるものの、ほぼずっと何らかの仕事をしているような。まあ、好きな仕事をやらせてもらっているし、世間の皆さんと比べて忙しいかどうかは分からないが、さすがにちょっと煮詰まっており、2~3日何もしないでボーっとしたくなってきたなあ。

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 さて、そんな中でも、今般3週にわたってNHKの地上波で放送されたドラマ「メイドインジャパン」は面白そうだったので、観てみた。その感想を述べさせてもらう。ストーリーは、

 円高、欧州債務危機、中国・韓国等新興国の追い上げ。 製造業が軒並み危機を迎える中、巨大電機メーカーが、「余命三か月」の倒産の危機に追い込まれた! 会社の命運を握るのは、営業、財務、工場の現場で先頭に立ってきた3人の男。 かつて世界中でテレビを売りまくった営業マンが、会長の特命でリーダーとなり、 秘密裏に七人の「再建チーム」を結成。起死回生の倒産回避に奔走する。   だが彼らの前に、一人の日本人技術者が立ちはだかる。 男は営業マンの盟友だったが、会社をリストラされ壮絶な過去を経ていた。 今、男は己のリチウムイオン電池技術を武器に、自分を切り捨てた友へ宣戦布告する。 「技術は誰のものか」という争いの中、日中の巨大企業の激突が始まる・・・。   日本人にとって、会社とは、人とは何なのか? 「メイドインジャパン」は生き残ることができるのか? ―ドラマは戦後の日本を支えてきた物づくりの意義を問いつつ、逆境を乗り切ろうとする日本人の姿から、「メイドインジャパン」とは何かを正面から見据え、描いていく。

 というもの。まあ、このテーマ自体はアクチュアルで、私も大枠の物語は楽しめたが、個人的にはストーリーが甘く、若干破綻気味であるように感じた。たとえば、舞台となる日本のタクミ電気という会社は、リチウムイオン電池の日系自動車メーカーへの供給契約を中国メーカーに奪われたことから危機に陥っていくわけだが、そもそも物語ではタクミ電気は電池の開発を打ち切ったことになっており、だからこそ技術者が中国メーカーに転職するわけである。タクミ電気は中心的な技術者を失って、いったん開発を打ち切った電池を、どうやって完成させたのか? このストーリーの根幹にかかわる疑問について、ドラマは何の回答もヒントも与えていない。また、会長が秘密裏に社の中のはぐれ者的な人材を集めて匿名の再建チームを結成させ、会社再建のために極秘で奮闘するというのがドラマの主たる展開なのだが、あれだけ世界中の金融機関や会社に片っ端から支援・提携を打診したら、「極秘」も何もあったものではない。まあ、人間ドラマとしてはなかなかよくできてはいたが、企業ドラマとしては成功作とは言えないというのが、私の評価。

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 最近、日本のサッカープレーヤーの海外移籍先としてはドイツ、オランダ、ベルギーなどが多く、一頃(2010年頃)プチブームになりかけたロシア移籍はほとんど聞かれなくなった。そうしたなか、昨日付のこちらのニュースによると、「元横浜FMの斉藤陽介が昇格狙うロシア2部チームに移籍」ということである。こういうネットのニュースって、すぐに消えちゃうことがあるから、ちょっと主要部分をコピらせていただくと、

 J1の横浜F・マリノスに2007年から10年まで在籍した斉藤陽介が、ロシア2部リーグのFCウファと2年半の契約を結んだ。Jリーグやシンガポールリーグでプレーし、12年に欧州に渡った斉藤は、ラトビア1部のグルベネに入団。月間MVPになるなどの活躍を見せると、3カ月後には同じくラトビア1部のベンツピルスに移籍。強豪ベンツピルスでも活躍し、リーグ得点ランキング2位に輝き、12年のラトビアリーグでベストイレブンに選出された。その実績が認められ、今回ロシア2部のFCウファに新天地を求めた。FCウファはロシア2部の8位だが、上位陣とのポイント差があまりないだけに昇格プレーオフ進出も夢ではない。

 そこで、久し振りに「サッカー紀行」、ロシア圏に出張に行った際に、街で見かけたスタジアムの写真を撮って帰ってくるというあの企画。バシコルトスタン共和国のウファには、昨年の9月に出張に行った。FCウファのホームスタジアムである「ディナモ」は、市の中心部にあり、前を通りかかったので、例によってスタジアムの外観だけ写真に撮ってきた。まあ、特別な印象はないけど、わりと小奇麗なスタジアムでしたねー。サッカー専用ではなく、トラック付き。1934年竣工で、収容人数は4,500人だそうだ。ウファは2018年W杯の開催都市ではないから、FCウファも当分このスタジアムを使うのだろう。

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スタジアムを正面から見たところ

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選手たちが練習してたけど、FCウファだったのかな?

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切符売り場のところに掲げられていたスケジュール
こうやって見ると、2部でも、意外に知っているチームが多いもんだ
ロシアの常として、開始時間が書いてない

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 写真編集ソフトの「Adobe Photoshop」を使っているのだけれど、これまではトリム、明るさ、コントラスト調整といった単純な機能しか使ったことがなかった。はっきり言って、その程度ならフリーソフトの類でもできるわけで、宝の持ち腐れ。でも、「Adobe Photoshop」のマニュアル本とか読もうとすると、分厚くて、なかなか本格的に入門する気になれずに、ずるずると来てしまった。

 しかし、今般、『ロシアNIS調査月報』の編集作業をしていて、表紙の印刷見本を眺めていたところ、表紙に使ったロシアのペルミ地方行政府庁舎の写真の上の方に写っている電線がどうしても気になり、それを消したくなった。ネットで検索したところ、Photoshopを使えば、簡単に処理できることが判明。実際にやってみると、電線を消すくらい、ワンタッチでできることが分かり、まさに狐につままれた思いであった。上の写真が加工前、下の写真が加工後。まあ、こんなのもPhotoshopの初歩中の初歩だとは思うけれど、とにかくこういう機能は初めて使ったので、驚いたという話。

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 ロシア南部のカルムィク共和国にちょっとだけ立ち寄って、初めて知ったが、「サイガ」(ないしは「サイガク」)というウシ科の動物が、同共和国の象徴になっているようだ。写真に見るように、ブチャイクながら、何とも愛嬌のある顔をした動物。かつてはユーラシア大陸全域に生息していたものの、今ではヨーロッパではここヴォルガ川下流域のカルムィク共和国(および一部アストラハン州)にしか残っていないという。自然破壊や乱獲などの結果、カルムィクでも1万頭あまりを数えるのみのようだ。

 下の写真は、ヴォルゴグラード州からカルムィク共和国に入る地点にあった共和国の標識。

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 本日は自分が編集を担当している月刊誌の締切日なので、ブログは手抜きで勘弁していただく。またまた、先日のロシア南部出張の土産写真。土曜日に、カルムィク共和国エリスタにちょっとだけ立ち寄った時の写真。仏教寺院で新郎新婦に遭遇。当日はあいにくのみぞれ模様だったけど。カルムィク人は、ユーラシア大陸で最も西に位置する仏教民族。仏教とはいっても、チベット仏教であり、日本の寺院とはだいぶ雰囲気が違う。モスクのような、階段などは中国の宮廷っぽくもあるような。

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 ロシアには数箇所、「観光特区」が創設されている。しかし、私の知る限り、総じてあまり上手く行っておらず、入居企業が集まらなくて閉鎖されてしまった特区も2箇所ある(クラスノダル地方の「ノーヴァヤ・アナパ」、カリーニングラード州の「クルシュー砂州」)。そうしたなか、シベリアのブリヤート共和国がバイカル湖東岸に設けている「バイカルスカヤ・ガヴァニ」は、比較的プロジェクトが進展しているようだ。

 こちらの記事によると、2012年にブリヤート共和国を訪れた観光客は70万人に上った。これは2007年の数字と比べ、3.8倍に増加したことを意味する。V.ナゴヴィツィン共和国首長がこのほど発表した。(注:ただし、後述のように、観光特区「バイカリスカヤ・ガヴァニ」ではまだようやく建設工事が緒に就こうとしている段階であり、この70万人という数字が特区の賜物であるかどうかは、微妙なところだ)。

 しかし、ナゴヴィツィン首長は、特区内の宿泊施設の建設が遅れている問題を認めた。首長によると、その一因は特区のインフラ建設時期に関する政府内部の連絡不足にある。皮肉にも、本来は後でいい消防署や病院の建設が先行する一方、送電線の敷設はようやく2013年に始まる。共和国は連邦政府に、建設手順をしかるべき調整するよう、依頼をしたところだ。もう一つの問題は、法律の改正にあった。最初は特区内の建設許可は連邦政府の経済発展省が与えることになっていたが、その後その権利は剥奪され、共和国は住宅法典と直に向き合うことを余儀なくされていたが、そこには建設許可は「特区を除いて」地方自治体が与えると書かれていた(つまり、特区内の建設許可を出す主体がなくなってしまった)。この法律的矛盾を正すのに半年かかり、特区入居企業が建設許可を得たのはようやく2012年11月だった。また、経済活動を全面的に禁止する方向性の「バイカル湖保護法」が、観光インフラ整備のネックになっている。ただ、その改正法が下院第1読会で可決されたところなので、入居企業は今年中にもホテル建設に着手できると期待したい。首長は以上のように述べた。

 観光特区「バイカルスカヤ・ガヴァニ」は、総面積700平方キロメートルで、バイカル湖の東岸に5つの区画に分けて創設されている。国による特区のインフラへの投資は34億ルーブルに上り、表明されている民間投資は360億ルーブルに達している。ブリヤート共和国では2016年には年間180万人の観光客を受け入れたい考え。

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 私の所属するロシアNIS貿易会では、2月20日東京において、「スヴェルドロフスク州(チタン・バレー経済特区)投資プレゼンテーション」を開催いたします。また、2月18日には北九州で、2月22日には名古屋で、それぞれロシア・ビジネスセミナー兼スヴェルドロフスク州プレゼンを開催します。北九州と名古屋では、弊会の岡田の講演もあり、ロシアについての一般的な話も聞けることかと思います。いずれのイベントも参加無料ですので、ご興味のある方はぜひどうぞ。より詳しいご案内とお申込用紙は、こちらから。

 ただ、スヴェルドロフスク州だチタン・バレーだと言われても、どのようなプロジェクトなのか、想像しづらいと思いますので、特区が創設されるスヴェルドロフスク州ヴェルフニャヤサルダ市を3年前に訪問した際の写真をちょっとだけご紹介します。当地には、ロシア随一のチタン生産会社で、ボーイング等の世界的企業への納入実績も大きいVSMPO-AVISMA社があり、それを基盤として特区「チタンバレー」を創設するというプロジェクトです。言わばロシアきってのハイテク素材都市なのですが、街は田舎そのもので、街中を普通に馬車が走っていました。

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 一昨日のエントリーに書いたとおり、タガンログは作家チェーホフの故郷なわけだけど、実は作曲家ピョートル・チャイコフスキーゆかりの地でもあるそうだ。写真は、海軍将校だった弟のイポリト・チャイコフスキーが1883年から1894年にかけて住んだ家であり、作曲家ピョートルも1886年、1888年、1890年と3度にわたりこの街を訪れたらしい。

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 ロシア南部出張の土産写真の続き。これはロストフナドヌー市内にある有名なヘリコプター工場の「ロストヴェルトル」社。企業訪問を生業とする我が身なれど、さすがにバリバリの軍需企業とは縁がなく、ここは最終日の帰り際に外観を写真に撮っただけ(もちろん軍需企業なので隠し撮り)。こういう大工場はやたら広大だったり緩衝地帯が設けられていたりで、中の様子が全然分からないことが多いが、ここはそうでもなく、ヘリコプターも展示されていて、写真を撮ってそれなりに絵になった。ヘリコプターはMi-24というやつで、今でも世界各国で現役で運用されている(オウムが買ったやつじゃないよ)。ロストヴェルトルはロシアの軍需企業としてはかなり業績が良いようで、現地で聞いた話によると数十年分も受注残高があるそうだ。

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 今回のロシア南部調査出張では、ロストフナドヌーから日帰りで、ロストフ州第2の都市であるタガンログの調査にも出かけてきた。私はタガンログについて工業都市、港湾都市というイメージしかなかったが、実際に行ってみるとピョートル大帝ゆかりの歴史豊かな街であり、文化的な雰囲気もあった。恥ずかしながら、ロシア文学を代表する作家のアントン・チェーホフがこの街の出身であるということも、今回初めて知った。しかも、現地の面談相手から教えてもらったのだが、私がタガンログを訪問した1月29日は、偶然にもチェーホフの誕生日だった(153回目の)。写真は、街のわりと中心部にある、チェーホフの生家の記念館。時間がなかったので、中には入らず、外観だけ写真に撮ってきた。誕生日の割には、ひっそりと静まり返っていたけど。

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 ロシアのモノゴーラド(企業城下町)の研究などという、我ながら悪趣味なテーマを追究しているわけであるが。で、個人的に、この分野の研究をしていて、非常にフラストレーションを覚えたのは、たとえば「ロシアには三百いくつのモノゴーラドがある」といったことが政策担当者やマスコミによって語られながら、その具体的リストというものがなかなか公表されないことだった。ロシア政府の取り組みがある程度本格化し、こちらの地域発展省の省令などで、ようやくそのフルリストを見ることができるようになった。しかし、この地域発展省のサイトからダウンロードできるPDFは、文書をダイレクトにPDF化したものではなく、印刷した紙をスキャンしPDF化したもの。画像なので、重い割には読みづらく、文字検索やコピーができないという最悪の代物。これ、ロシアの政府関係のウェブサイトでは、非常にありがちなこと(逆に、何か意図があってそうしているのかと思えるほど)。大統領令でさえ、1ページずつの画像で公表するありさまで。はっきり言って、政府がこういう間抜けなことをやっている国が、イノベーションだの何だのと言っても、誰も信用しないわけで、早急に改善を求めたいところだ。

 一方、「ガラント」という民間の法令ウェブサイトで、上掲の地域発展省の省令がモノゴーラドのリストまで含めてすべてデジタル文字データで掲載されているのを見付けた。ありがたい。こういう風にしてくれれば、表をエクセルにコピーして、集計したり分析したりすることが容易になる。そこで、これを利用して、個人的には初めて、ここに出ている333のモノゴーラドを、連邦管区別に集計し、一覧表を作成してみた。前置きが長くなったが、それが上掲の表である。

 モノゴーラドは、単一の企業や産業に依存する度合いが高い企業城下町のことだから、当然のことながら、それが多いということは、社会・経済的なハンディキャップを抱えていることを意味する。ただ、私がこの333のモノゴーラドのリスト全体を眺め、また集計してみると、ちょっと違った構図も見えてくる。まず、一応モノゴーラドの定義というのは決まっているわけだが、実際にどの都市がそれに指定されるかということに関しては、行政のさじ加減がものを言うのではないかという疑いを禁じえない。モノゴーラドという認定を受ければ、連邦政府からの支援も期待できるので、行政府の対応能力がちゃんとしている地域ほど、しかるべき書類申請をして、そのお墨付きを得ているのではないかという感じがする。公式に認定されている333のモノゴーラドの中には、立派な企業が複数あるはずの結構な大都市が含まれていたりもする。また、ロシアの中で特に生活水準が低く苦しいところは、北カフカス連邦管区と極東連邦管区であることが知られているが、その2管区は実は公式モノゴーラドは少ない。その原因に関しては別途分析を要するが、依存すべき単一の企業・産業すら持たないといったパターン(ヌリゴーラド?)もあるのかもしれない。したがって、数字上モノゴーラドが多ければ、直ちにその管区や地域が貧しくて苦しいということでは、必ずしもない。むしろ、ロシアが抱えている問題の一典型が集中的な形で表れているのがその管区なり地域であると理解した方がいいだろう。

 そのように但し書きをした上で、改めて上の表を眺めてみると、モノゴーラド症候群が集中的に表れているのは、国土の中央部分であることが分かる。すなわち、沿ヴォルガ、ウラル、シベリアの連邦管区に、それが顕著である。特に、当該地域の人口に占めるモノゴーラド住民の比率という尺度で見ると、ウラル連邦管区のそれが28.1%に及んでおり、8管区の中で最も高くなっている。本ブログで何度が述べたように、私は『世界地名事典』の仕事でウラルの地名に関する記事を書きまくっているのだが、そこで痛感したのは、ウラルでは鉱山開発や金属精錬工場の開設に伴って誕生した集落が非常に多いということであり、そういうところがモノゴーラドになって今日に至っているわけである。

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 今回のロシア南部出張に際し、土曜日に時間があったので、ヴォルゴグラード州の隣のカルムィク共和国エリスタ市まで足を伸ばし、市内の様子を視察してきた。共和国博物館を見学してみたところ、面白い展示に出くわした。スターリングラード攻防戦に参加したカルムィク人兵士の写真である。まあ、カルムィク人もソ連市民だったのだから、赤軍に入隊して、スターリングラードの戦いにも参加していたというのは、当然と言えば当然なのだけど。でも、日本人とほぼ同じ顔をした仏教民族が、こうしてソ連軍の一員として欧州戦線における史上最大の市街戦に参加していたというのは、ちょっと不思議な感じがする。むろん、一部にはナチスの侵攻を民族解放の好機と捉えたカルムィク人もいたはずで、それゆえにカルムィク民族がスターリンによって対独協力の嫌疑をかけられ、理不尽な扱いを受けることにもなるのだが。

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 先週、ロシア南部のヴォルゴグラードで現地調査を行ってきた。周知のように、この街はかつてスターリングラードと呼ばれ、第二次大戦の独ソ戦において史上稀に見る激烈な市街戦が戦われたところ。ソ連赤軍がこれに勝利したことで、大戦の戦局が連合軍優位に大きく傾いたのだった。で、私は今回、市内のど真ん中の広場に面したホテルに宿泊したのだが、広場では何やら式典の準備が進められていた。調べてみると、スターリングラード攻防戦は1942年6月28日に始まり、1943年2月2日にドイツ軍の投降により終結した。つまり、本日2013年2月2日はスターリングラード攻防戦70周年記念日ということになる。くだんの広場では本日、盛大な式典が行われるのだろう。

 写真は、有名な戦争記念碑の「ママエフ・クルガン」のかたわらに設けられている「永遠の火」を守る衛士の様子。地元の人に、「1時間に一度、衛士の交代の儀式があるから、観に行くといい」と勧められ、見学してきた。ただ、その昔、ソ連時代にモスクワのレーニン廟で観た衛士と比べると、だいぶ質は落ち、「シンクロ率」はあまり高くなかったが。

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 『コメルサント・ジェーニギ』誌の2013年1月28日~2月3日号(No.3)で、ヴネシエコノムバンク(対外経済銀行)のI.マキエヴァ副社長が、ロシアのモノゴーラド(企業城下町)問題の最新事情について語っている。個人的にモノゴーラド問題にヴネシエコノムバンクが絡んでいるというのは知らなかったが、同行は国策的な国家コーポレーションなので、資金拠出の面で役割を果たしているのだろう。マキエヴァ副社長の発言要旨は以下のとおり。

 モノゴーラドの数は、2012年初頭時点では333だったが、精査をした結果、現在は312になっている。地域別で数が多いのは、ケメロヴォ州の19、スヴェルドロフスク州の15、チェリャビンスク州の12など。政府委員会付属のモノゴーラド近代化作業グループは、労働省、経済発展省、地域発展省、産業・商業省、連邦警護局を通じて、恒常的なモニタリングを実施している。

 これらのモノゴーラドには1,500万人以上が居住している。ケメロヴォ州の場合は、地区中心都市のすべてがモノゴーラドであり、そこに170万人が住む。(ケメロヴォ州の?)7つのモノゴーラドでは失業率がロシア平均を超えており、マリイスク市では4%に達する。

 国は2010~2011年に本件対策として240億ルーブル以上を投入した。これらの資金は、経済を多角化するための新たな投資プロジェクトを立ち上げるためのインフラ整備や、危険な住宅の改修、社会的保護措置の発展などに向けられた。それにより、総額4,400億ルーブルに上る226の投資プロジェクト実施に着手でき、6.9万の雇用が創出された。

 確かに、ロシアのWTO加盟に伴い、モノゴーラドの中核企業が減産を余儀なくされる可能性もある。多くの品目の関税は2014年から2016年にかけて段階的に引き下げられるので、それまでに対策を策定・実施することが必要。我々はモノゴーラドを、次の3グループに分類した。1.生産が減少する危険が大きいところ:71、2.影響は中立的だが、否定的にもなりうるところ:142、3.見通しが明るいところ。

 第1と第2のグループに関しては現在まさに、既存のものに代わる生産を立ち上げ、中小企業を発展させることに向けた対策を立案しているところ。モノゴーラドでは、多数の企業が老朽化しエネルギー効率の悪い機械設備を使っている。そうした企業は往々にして支援する意味がなく、閉鎖するか、抜本的な刷新が必要。しかし、すべての都市中核企業が駄目なわけではなく、トリヤッチではルノー・グループとの協業によりAvtoVAZが近代化され、KamAZも今では素晴らしい製品を作り、一部は中小企業にも下請を任せている。SUEKは石炭採掘の最新設備を導入し、炭坑夫たちは今日では複雑な機械を操っている。

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 ロシア出張から無事帰国したです。

 私が毎週欠かさず観ているテレビ番組に、NHK-BSプレミアムでやっている「コズミックフロント」というやつがある。宇宙に関する幅広い題材をテーマとするドキュメンタリー・シリーズである。本日、出張中に録画してあった先週の「コズミックフロント」を観たら、「星空の狩人たち」という回で、星々を観察したり撮影したりすることに情熱を傾ける人々の物語だった。なかでも、ランディ・ハルバーソンという、アメリカで農業のかたわら星空の撮影を続けている人の作品が、番組のキモになっていた。

 番組では、せっかくのハルバーソン氏の作品が、ナレーションやら音楽が被せられて駆け足で紹介されており、もっとじっくり観たくなってしまった。これだけの映像作品なら、ブルーレイくらい出ているのではないかと思い、アマゾンで探してみたのだが、残念ながら日本国内はおろか、アメリカでも出てないらしい。YouTubeにはあるんだけど。でも、当方は、フルハイビジョンで、大画面で観たいわけよ。YouTubeって、何でもタダで観れるのは確かに便利だけど、高品質のパッケージコンテンツの文化も廃れてほしくないと思う。

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 引き続き、ロシアの経済特区に関する情報を。2012年12月25日にロシア経済発展省のO.サヴェリエフ次官が記者会見を開き、経済特区の2012年の成果につき総括した(正確には通年ではなく1~9月の数字について語っているが)。その模様が、こちらのサイトに掲載されているので、その要旨を以下のとおりまとめておく。

 ロシア経済特区における実際の投資残高は、2012年10月1月現在で637億ルーブルに達し、前年同期から243億ルーブル増大した。2012年1~9月の特区における製品生産高は736億ルーブルで、前年同月の503億ルーブルから50.3%増大した。2012年1~9月の税収は69億ルーブルで、前年同期の39億ルーブルから74%増大した。特区で創出された雇用は8,000を超え、最近1年間で20%拡大している。

 現時点で、326企業が特区に入居しており、うち外資参加企業は57社で、投資国は21に上っている。表明された投資総額は4,000億ルーブルを超えた。過去1年間で、リペツクおよびエラブガの工業生産特区で、5つの工場が新規稼働した。

 経済産業省はまた、カルーガ州に工業生産特区「リュジノヴォ」を創設することに向けた政府決定の草案を政府に提出した。リュジノヴォ特区では、「カルーガ州開発公社」が特区の運営に当たることになっている。

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 これは以前簡単に触れたことがある情報なのだが、ロシア『エクスペルト』誌のこちらの記事によると、ロシアでは民間の大手資本が地方の空港を買収して近代化する動きが進んでいる。その結果、従来モスクワに集中していたハブ機能が、地方のいくつかの拠点空港にシフトする可能性があるということである。やや長くなるが、記事の要旨を以下のとおりまとめておく。

 ロシアでは近年、大手資本が地方空港の買収を進めており、3つの系列が誕生している。第1に、V.ヴェクセルベルグの「レノヴァ」があり、同財閥は2012年年内までに空港ビジネスを「地域空港」社の管理に束ねる予定である。第2に、O.デリパスカの財閥「バザヴイ・エレメント」の傘下にある「バズエル・アエロ」がある。第3に、R.トロツェンコ氏のAEONコーポレーションの傘下にある「ノヴァポルト」がある。これらの3社合計で、15の地方空港を支配しており、エカテリンブルグ・コリツォヴォ、ノヴォシビルスク・トルマチョヴォ、クラスノダルなど、そのうちのいくつかは近いうちに地方ハブ空港の座を占めようとしている。

 地方空港のうち、空港ターミナルは上掲の民間資本が押さえているわけだが、滑走路をはじめとする飛行場部分は引き続き100%国家所有となっている。したがって、これらの地方空港の今後の展望は、民間資本のみならず、国の対応にもかかってくるわけだが、国はおそらく有望な民間投資家が参入している空港の飛行場改修を優先することになるだろう。

 現在のところロシアの地方空港間を結ぶ役割を果たしているのは、ドモジェドヴォ、シェレメチェヴォ、ヴヌコヴォから成る「モスクワ空港ハブ」である。しかし、これは利用者にとってだけでなく、国民経済全体にとっても不合理である。たとえば、現時点では、カザンから300kmしか離れていないサマラに移動するのに、1,000km以上離れたモスクワまで飛んで乗り継ぎ、折り返してこなければならない。今後、地方の拠点空港を近代化し、国の補助金によって奨励をすることで、地方ハブ空港と近隣の諸都市を結ぶ路線が増え、またモスクワを介さない地方ハブ空港間の路線も開設されると期待される。2012年には初めて、4つの連邦管区内のローカル路線に、連邦政府は10億ルーブルの補助金を拠出した。こうした試みを続けることで、複数の地方ハブ空港から成る全国的な空港ネットワークが機能するようになり、モスクワの空港への依存度を減らした形で地域と地域を結ぶことが可能となる。

 地方空港を束ねる持ち株会社が誕生するようになったのは2007年からで、その頃から空港ターミナルは単に空港の一施設というより独自の投資対象として見なされるようになった。ロシアに存在する空港のうち、約200~300箇所は利用客が少ないため、独自のビジネスも、それに付随する補助金も期待できず、投資家の関心の対象とはならない。投資家が興味を示すのは、利用客が年間50万人に達しているか、あるいはその展望があるところで、そうした空港は数十箇所である。

 前出の3社はそれぞれ地域的な勢力圏を形成している。レノヴァは、エカテリンブルグ・コリツォヴォ、ニジニノヴゴロド・ストリギノ、サマラ・クルモチを傘下に収めており、主に国土の中央部に関心を示している。バズエル・アエロは、ソチ、クラスノダル、アナパ、ゲレンジク、エイスクという南部に進出している。ノヴァポルトは、ノヴォシビルスク・トルマチョヴォ、バルナウル、トムスク、チタ、チェリャビンスク・バランジノ、アストラハン、ヴォルゴグラード・グムラクと、主に国土の東部を勢力圏としている。

 各グループは空港を投資プログラムの義務を負うことなく取得したケースもあるが、いずれにせよ空港の改修・近代化には各グループが取り組んでいる。向こう3年間でレノヴァはニジニノヴゴロド・ストリギノに20億ルーブル、サマラ・クルモチに50億ルーブルを投資する意向である。エカテリンブルグ・コリツォヴォは、すでにある程度の整備が進んでいるが、今後4年間でさらに50億ルーブルを投資する。バズエル・アエロも、クラスノダル、アナパ、ゲレンジクの空港ターミナルを刷新する。ノヴァポルトの投資計画はあまり明らかになっていないが、トルマチョヴォの2つのターミナルを連結する施設や、ヴォルゴグラードのターミナル改修などの計画が伝えられている。

 各社の投資は、国による飛行場の近代化が伴わなければ、効果は薄い。民間の投資家が自己資金で飛行場の全面的な改修を実施するのは不可能であり、年間利用者が少なくとも1,000万人規模でないと割に合わない。最新鋭機が発着できる全長2.5km、幅50mの滑走路の建設と関連設備の設置には50億~60億ルーブルを要し、完全に新しい空港を作るのには100億~200億ルーブルがかかる。ただ、最近では3~4年前に比べて官民の投資計画の調整が上手くなされており、国は民間投資家の参入している空港の飛行場改修プロジェクトを優先しているという。

 民間投資家の参入した空港は、過去3年間で利用客数が1.5倍に増えた。ヨーロッパでは年間1~3%も伸びれば上々と言われているので、それに比べていかに急成長しているかが分かる。3グループ合計の利用客数は、2011年に1,620万人に上った。ロシアの国民1人当たりの飛行機利用回数が年回0.45回にとどまっており、ヨーロッパの2~3回、米国の4回と比べてはるかに低いことを考えれば、ますますその成長は特筆される。

 飛行機の利用頻度は、自動車や鉄道といった他の交通手段による移動も視野に入れて分析しなければならない。たとえば、レノヴァがニジニノヴゴロド・ストリギノを買収する半年前に、モスクワ~ニジニノヴゴロドを結ぶ高速鉄道が開通するという出来事があった。人々には選択肢が生まれたわけであり、こうした競争は人々の移動性を高め有益であると、レノヴァでの幹部はコメントしている。

 飛行機の利用率を高める主たる要因は、航空券の値段である。各空港は、航空会社や旅行会社と協力して値引きを実現し、利用者を増やし、地方ハブ空港と周辺諸都市との路線を増加させるよう努めている。そうすることで、地方の拠点空港のハブ空港としてのステータスが高まる。利用者には乗り換えを強いることになるが、ハブ空港の稼働率と地方ハブ路線の搭乗率が上がることで、航空券の値下がりが期待できるという。

 従来はモスクワの空港がハブ路線をほぼ独占し、ロシアの各空港を出発する便の75%はモスクワ行きだった。この状況を変えるためには、大都市に地方ハブ空港を形成し、より完全な全国航空ネットワークを築き上げることが必要である。モスクワとペテルブルグ以外でそうした役割を果たしうるのは、エカテリンブルグ、クラスノヤルスク、ノヴォシビルスク、ハバロフスク、サマラ、ロストフ、クラスノダル、カリーニングラード、イルクーツク、ウラジオストク、ウファである。一方、バズエルの幹部は、地方ハブは最大でも5箇所で充分だろうと指摘する。

 現時点では、空港がトランジット客への補助を支払っている。コリツォヴォ空港では同空港を本拠地とするウラル航空が補助を支払っている。また、レノヴァは試験的に、航空機4機を購入し、ペルミ、チュメニ、オレンブルグ、マグニトゴルスク、サマラ、カザンなどから地方ハブ空港へと乗客を運び、それを基幹路線に接続するという試みを始めている。レノヴァでは、現在我々の空港のトランジットの比率は5%ほどにすぎないが、地方ハブ空港と呼べるようになるためには、それを少なくとも30%まで高める必要があるとしている。レノヴァは地方路線への補助のプログラムに年間1.5億ルーブルを支出し、その需要を実証して、国からの補助金獲得に繋げる意向である。一方、国は2012年に当該の目的に10億ルーブルを計上しており、まだ不充分ではあるが、第一歩は踏み出した。

 今後に関しては、ノヴァポルトでは、ロシアで民営化対象として投資家の興味を引く空港は、あと10箇所も残っていないとしており、今後5年間で2~3箇所を買収する意向。レノヴァは、買収する価値があるのはせいぜい4箇所だとしており、具体的にはペルミ・ボリショエサヴィノ、イルクーツク、ロストフを挙げている。このほか、ヴォロネジ、スィクティフカル、ミネラリヌィエヴォディも有望と考えられる。ウファとカザンの空港は、自前でインフラを更新したが、それでも投資家を募る予定だ。

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8b818aea.jpgヴォルゴグラード、ロストフナドヌーでの調査は無事終わり、これからモスクワ経由で帰国の途に。
ロストフナドヌーの空港ロビーには、正教会の礼拝堂があった。こういうのは、初めて見たなあ。

 先日のエントリーに引き続き、ロシアの『フィナンソヴィ・コントローリ(資金管理)』という雑誌の2013年1月号に掲載された、ロシア会計検査院のアレクセイ・クジミツキー検査官が経済特区の進捗状況について語ったインタビューの発言要旨を紹介する。

 我々が検査を実施した時点では、全特区合計の入居企業数は301で、うち外資参加企業は43だった。民間の投資総額は552億9,000万ルーブルで、表明された額の15%であった。6,700人の雇用が創出された。国からの投資が811億2,415万ルーブルだったので、国:民間の投資比率は1:0.68となる。うち、工業生産特区では1:1.94と民間が上回っているのに対し、技術導入特区では民間の投資比率は17%、観光特区では3%、港湾特区では0%である。

 技術導入特区に関しては、研究開発の成果という別の評価基準もあり、すでに入居企業は350の特許を取得しているものの、活動期間がまだ短いので、まだ効果を発揮しているとは言えない。他方、サンクトペテルブルグ技術導入特区の賃金水準は市の平均よりも40%高く、トムスク特区でも州平均の2倍に上るというデータもある。

 最も上手く行っているのはタタルスタン共和国(エラブガ)とリペツク州の工業生産特区である。タタルスタン共和国全体の地域総生産(注:鉱工業生産? 書き方が不明確)に占める特区内の生産の比率は、2008年:0.79%、2009年:0.88%、2010年:0.83%、2011年:0.93%、2012年予測:1.23%と高まる方向にある。タタルスタンン特区の給与水準は共和国平均よりも35%高い。また、リペツク州の生産に占める特区の比率も、2007年:0.12%、2008年:0.27%、2009年:0.18%、2010年:0.26%、2011年:0.46%、2012年予測:0.47%と推移しており、給与水準も州平均を30%上回っている。

 全体として、我々の分析によれば、経済特区の制度は地域の社会・経済的発展に、まだわずかな効果しか発揮していない。ただ、創設時期がまちまちであるから、それは当然でもある。

 観光特区では、まだ特区のインフラの建設が続いており、入居企業が観光施設の建設に着手するには至っていない。ブリヤートの観光特区では、連邦レベルの特区に促される形で、共和国内に地域レベルの特区が8箇所設けられることに繋がった。サマラ州とスヴェルドロフスク州の工業生産特区では、まだインフラの設計が行われている段階である。

 港湾特区を評価するのは早計である。ハバロフスク地方のソヴィエツカヤガヴァニ特区では、鉄道インフラの未整備と、潜在的な入居企業が特区への引き込み線にアクセスする条件が合意されていないという問題がある。

 各地域は、特区創設を申請するに当たって、これだけの経済効果が見込めるという見通しを示していた。ところが、会計検査院が各地域に対して、特区の成果をどのように評価しているかを照会したところ、いずれの地域もそのような評価作業を行っていないことが明らかになった。むろん、まだ総括すべき時なのではないのかもしれないが。ただ、特区の成功は、他ならぬ地域のためであり、まさに当該の地域自身が特区の効果をより深く分析すべきである。

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 こちらの記事が、2012年のロシアの航空各社の輸送実績と、2013年の見通しについて報じている。また、その元になったロシア連邦航空輸送庁のリリースはこちらである。記事によると、アエロフロート、トランスアエロ、UTエアー、S7の4社が70%のシェアを占めており、4社による寡占が進むという構図のようだ。

 記事およびリリースによると、2012年のロシアの航空会社による旅客輸送数は7,403万人で、前年比15.5%拡大した。うち、国際線が3,863万人(23.1%増)、国内線が3,541万人(8.1%増)だった。

 航空会社別の2012年の旅客輸送を見ると、1.アエロフロート:1,766万人(24.6%増)、2.トランスアエロ:1,033万人(22.2%増)、3.UTエアー:777万人(33.9%増)、4.S7:635万人(23.8%増)、などとなっている。

 2013年については、アエロフロートが旅客輸送数19%増、UTエアーが26%増を掲げており、今のところこの2社の拡大意欲が目立つ。両社とも、路線の最適化と、新機材の投入で、輸送拡大を目指すとしている。

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 1月28日付のロシア大衆紙『コムソモリスカヤ・プラウダ』紙に、ロシアの犯罪グループの勢力図が出ていた。御免こうむりたい世界だが、何かの役に立つかもしれないので、一応メモだけしておく。記事はこちら

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 こちらのニュースによると、Shellがウクライナ東部でシェールガスを生産することが正式に決まった。1月24日、ダヴォスにおいて、V.ヤヌコーヴィチ大統領も同席するなかで、シェルとウクライナの「ナドラ・ユーゾフカ」社が契約に調印した。両者はハルキウ州とドネツィク州でシェールガスを生産し、その生産物を分与し合うことになる。

 両社の出資比率は、50%ずつとなる。事業のオペレーターはShellが務め、契約の枠内のすべての業務に責任を負う。生産物分与契約(PSA)は50年間という期間で調印された。初期段階ではユーゾフカ鉱区の15の井戸で探査・ボーリング調査が行われ、これで事業全体の採算性などを評価することになる。ユーゾフカ鉱区の総面積は7,886平方キロメートルで、ハルキウ州とドネツィク州に広がる。契約調印に先立ち1月23日にウクライナ政府はその調印を承認していた。2012年5月に省庁間PSA委員会はシェールガスの鉱区の入札を実施し、ユーゾフカ鉱区はShellが、オレッスカヤ鉱区(リヴィウ州、イヴァノフランキウシク州)はシェブロンが勝利していた。ユーゾフカ鉱区の埋蔵量は4兆540億立方メートルと評価されている。

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 こちらの記事によると、ロシアのシベリアにあるブリヤート共和国で、日露の合弁により、割り箸を生産するというプロジェクトが進んでいるという。日本側では、「ビチュラSUインターナショナル」という会社が合弁に加わる(注:事実関係が不明確。ビチュラSUインターナショナルという会社自体が合弁なのではないか?)。同社の株の45.01%はロシア人のB.ツォクトエフが保有しており、23.99%を日本人のオバタ・ヒロシ氏が保有している。オバタ氏は割り箸生産用の設備で現物出資する。今般ブリヤート共和国のB.ナゴヴィツィン首長は政府に、合弁を支援するよう指示を出した。支援策には、共和国行政府による企業への出資が含まれる可能性もある。ビチュラSUインターナショナルはすでにブリヤート行政府の支援を得て割り箸の半製品の生産に着手しているが、完成品の生産に移行するとともに、共和国の他の地区にも複数のミニ工場を建設することを計画している。また、雇用を、現在の40人から、2~2.5倍に増やす意向である。現在の生産量が日量15~20立米であるのに対し、新ライン稼働後は、それが60立米になる。2014年にはビチュラSUインターナショナルの生産を6,530万ルーブルにまで高めるという計画である。共和国側は合弁の初期段階で1,000万ルーブルを出資する方向。

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 以前のエントリーで、2012年12月28日付のロシア連邦政府決定によりカルーガ州に経済特区が設置されることが決まったということをお伝えしたが、こちらのリリースに見るように、1月25日にカルーガ州行政府とロシア連邦経済発展省が特区創設の協定を結び、特区が正式に誕生したということである。それを受け、こちらの記事で、A.アルタモノフ・カルーガ州知事が、特区に寄せる抱負・期待を語っているので、その発言要旨を以下のとおり整理しておく。

 州としてはこの特区で少なくとも400億ルーブルの投資を誘致したい。うち、90億ルーブル分はすでに締結済みで、特区創設後すぐに始動することになっている。特区の創設により、3,000人分以上の雇用が創出される。特区が設置されるリュジノヴォ市では、小都市にもかかわらず、現在のところ、1.5万人もが州外への出稼ぎ労働に出ている。リュジノヴォ市・地区では伝統的に機械産業・金属加工業が営まれており、新たな特区でもそれを踏襲する。すでに自動車コンポーネントを生産する一連の企業と進出合意に達している。また、カルーガ州と、隣接するブリャンスク州およびスモレンスク州は、森林資源が豊かなので、木材加工業も有望視している。なお、カルーガ州には9箇所のインダストリアルパークが設置されており、州が2012年にリアルセクターに誘致した投資は1,000億ルーブルに上った。

 また、記事によると、O..サヴェリエフ・ロシア連邦経済発展次官は、特区の成功は地元行政府の働きと、特区の運営に当たる管理会社の仕事の質にかかっていると指摘した。ちなみに、現時点までに設置されている工業生産経済特区は、タタルスタン共和国、リペツク州、スヴェルドロフスク州、サマラ州、プスコフ州で、カルーガ州は6箇所目になる。サヴェリエフ次官によれば、リャザン州でも創設が検討されているが、まだ決定には至っていない。また、ハバロフスク地方のソヴィエツカヤガヴァニ港湾特区を拡張するという方針が基本的に決まっているが、港湾における民間所有者の存在がネックになり、その調整に手間取っているため、正式決定には至っていない。

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 これも、情報発信というよりは、完全に自分のためのメモだけど。昨日触れた『エクスペルト南』誌のウェブサイトを眺めていたら、2012年9月17日付のこちらの記事で、ガスプロム社のL.チュグノフ・プロジェクト管理部長がインタビューに応じ、「サウスコリドー」について語っているのを見付けた。サウスコリドーとは、今般建設が始まった黒海経由の新パイプライン「サウスストリーム」に接続することになる、ロシア国内部分のパイプラインのことである。サウスストリームは、別のパイプライン「ナブッコ」との競合や、ウクライナを迂回といった、地政学的な観点から語られることが多いが、このチュグノフ部長のインタビューは国内への経済効果について主に語っており、興味深いと感じた次第だ。

 サウスコリドーは、全長2,506.2km(工期は2010~2017年、キャパシティは年間630億立米の予定)。ロシアのニジェゴロド州、モルドヴィア共和国、ペンザ州、サラトフ州、ヴォルゴグラード州、ヴォロネジ州、ロストフ州、クラスノダル地方の領内を通る。部長は、サウスコリドーの開通に伴い、これまでガスが通っていなかった地区のガス化に弾みがつき、鉱工業や生活サービスの発展、雇用の増大に貢献できると強調している。部長によれば、ガス分野で雇用が1人増えると、その波及効果で周辺分野の雇用が5人分も増えるとのことである。パイプラインの全長のうち3分の1と、コンプレッサーステーションのうち大規模なものががクラスノダル地方に集中することから、ガスプロムはすでに2010年にクラスノダル地方と協力協定を結んでいる。建設地には、第二次大戦の地雷原も含まれるが、安全性や環境対策には万全を期す。部長は概要こんなことを述べている。

 それで、この記事に載っているサウスコリドーの地図が便利かもと思って転載しようかと思ったのだが、よく見たらガスプロム社のHPのこちらのページに出ている記事の方が良かったので、そちらを載せておく。

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 そんなわけで、ロシア南部のヴォルゴグラードに来ているのだけれど。それにしても、不思議に思うことがある。ロシアの最有力な経済週刊誌で、『エクスペルト』という雑誌がある。そして、その地域版として、北西、南、ウラル、シベリアの各版が出ている(あと、ウクライナ版とカザフスタン版もあるが)。これらは、新聞の地域版のように全国版にローカルニュースをちょっと加えただけというのではなく、全国版とは全面的に内容が異なる。ところが、私がロシアの各地域を訪問し、キオスクなどで探してみる限りでは、『エクスペルト』の全国版を見かけることはあっても、地域版を目にすることは滅多にないのだ。今日も、ヴォルゴグラード市内の売店やキオスクをいくつか覗いてみたが、『エクスペルト南』は1箇所でしか売っていなかった(それも随分古い号で…)。一体、『エクスペルト』の地域版というのは、どこでどんな風に読まれているのだろうか?

 まあ、それはさておき、せっかくロシアの地方に来たからには、ちょっと地元の新聞でも買って読んでみたいところである。そこで、一番有力な地方紙らしい『ヴォルゴグラーツカヤ・プラウダ』を4日分買ってざっと眺めてみたのだが、面白そうな記事が全然ない。これは実質的に州の行政府が発行している新聞なんだろうなあ。まあ、「ヴォルゴグラード州、州の7不思議選定に向け投票実施。現在のところスターリングラード攻防戦犠牲者の『ママエフの塚』がリード」なんていう興味深い記事はあったが(笑)、ちょっと際物の話題すぎて、私の手には余る。

 そうしたなか、かろうじて私の研究分野に関連する記事が1つあった。2013年1月25日号に掲載されたヴォルゴグラード州のモノゴーラド(企業城下町)問題に関する記事である。せっかく新聞を買って、1つもネタにしないのはもったいないので、この記事の要旨だけかいつまんでおく。

 記事によると、今般ロシア連邦政府の地域発展省からS.ナザロフ次官を団長とする代表団が当地を来訪し、ヴォルゴグラード州のモノゴーラド問題の調査に当たった。州には、ミハイロフカ、フロロヴォ、コトヴォという3つのモノゴーラドがある。地域発展省、ヴォルゴグラード州行政府、3都市の市長が集まり、検討会合が開催された。3都市の中では、ミハイロフカ市の状況が比較的良好だが、同市のN.セミソトフ市長にしても、状況は楽観できず、新規の投資プロジェクトを成功させなければ根本的な解決にはならないと訴える。ミハイロフカの場合は、既存の工場で本年7月に設備の改修を実施することに期待をかけているほか、最近市と周辺地区が合併して自治体としての強化を図った。これについては地域発展省のナザロフ次官も良い試みであると評価し、他の市も見習うべきだと指摘した。ナザロフは会議を総括し、本日挙がった投資プロジェクトは省としてすべて検討し、各都市につき少なくとも1プロジェクトは我々が支援をして、銀行もプロジェクトに参加させたいと述べた。州行政府のO.ケルサノフ首相代行は、以下のように述べた。すべての都市には第2のチャンスがある。ミハイロフカ、フロロヴォ、コトヴォの3都市は経済危機の前から問題を抱えていた。今や、南連邦管区に本件に取り組む地域発展省の局が設置され、特別な計画・プロジェクト実施のために本物の支援を受ける可能性が生じた。S.ボジェノフ知事は、市に対しても、州行政府に対しても、当該の指令を出しており、期限や責任者も明確化されている。連邦の支援を得て、所期の目的は達せられることになろう。首相代行は以上のように述べた。

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