服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

 メドヴェージェフ・ロシア大統領は27日、訪問先のソウルで記者会見を開き、新政府の形成作業は5月7日の大統領就任式の後になるということを強調し、組閣についての先走った憶測を戒めた。メドヴェージェフは、政府の形成は新大統領が首相候補を下院に提案するところから始まるのであり、その後に政府の構造と役職を決める作業が行われるのであって、それより前に色々と憶測をしても無駄である、現在の大統領も政府も、最後の瞬間まで職務を続ける、と強調した。その一方でメドヴェージェフは、大統領選で当選したプーチン氏と、すでに政府の構造や一部の閣僚人事について協議を進めていることも認めた。

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 こちらの記事によると、核セキュリティ・サミットに参加するため韓国ソウル訪問中のヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領は、廃炉となったチェルノブイリ原発を覆う「シェルター」の建設が4月26日に始まることを明らかにした(注:4月26日は1986年にチェルノブイリ原発事故が起きた記念日)。27日、記者団に対し述べたもの。ヤヌコーヴィチ大統領は、以下のように述べた。シェルターの建設資金が寄せられたことは、国際社会の共通の成果だ。ウクライナは国際的な核安全に向けた取り組みの積極的な一員となった。ウクライナはチェルノブイリ原発を基盤として国際的な科学研究センターを開設することを提唱しており、ウクライナの25年間の経験は全世界にとって有益なものとなるはずだ。

 記事によると、チェルノブイリのシェルターはアーチ状の形状であり、高さ105m、縦250m、横150mの大きさがある。完成後、現在石棺で覆われているチェルノブイリ4号炉の上部に移動される。プロジェクト総額は10億ユーロ強で、2015年の完成を見込んでいる。すでに7億ユーロの資金が寄せられている。

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P1050732

 今回私が北京で泊まったホテルは、市のど真ん中で、天安門広場のすぐ隣という感じのところだったのだけれど、とにかく中国国内の地方から来たと思われる団体観光客が多い。日本人を含め、外国人も多いはずなのだけど、中国人ツアー客の圧倒的な数の前に、多勢に無勢といった感じ。韓国のソウルに行った時には、日本人だらけという感じがしたけど、それとはまったく様相が違っていた。

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 既報のとおり、2012年に入ってから、関税同盟を構成するロシア・ベラルーシと、ウクライナとの間で、いくつかの通商紛争が発生している。こちらの記事によると、ウクライナの新任のポロシェンコ経済発展・商業相が、関税同盟諸国との通商摩擦を回避するような協力メカニズムを創出したいとの考えを示した。キエフを訪問したユーラシア経済委員会のフリスチェンコ参与会議長との会談の席で26日表明したもの。

 この席でポロシェンコ大臣は、以下のように述べた。もしも我々が相互の不一致を効果的に解決できるようなメカニズムを構築し、相互に市場を開放できたら、これは互恵的な協力の模範例となろう。ウクライナと関税同盟が、互恵的な協力形態を速やかに見出せるよう、希望する。関税同盟が稼働を開始したことにより、両者の経済の協力関係を模索するうえで新たな可能性が開かれており、我々としてはそれを最大限に活用したいということをここで宣言しておく。ロシアがWTOに加盟することも、本件にとってポジティブである。ウクライナもWTO加盟国であり、ロシアが正式にWTOに加盟した後は、両国の基幹産業における戦略的パートナーシップを育む本格的な可能性が生じる。ポロシェンコは概略以上のように述べた。

 これに先立ち、フリスチェンコ議長と会談したアザロフ・ウクライナ首相も、WTOの原則を考慮した関税同盟との相互関係を構築したいとの認識を示していた。

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 現在建設に向けた準備作業が進められているベラルーシ初の原発は、同国北部のオストロヴェツ地区に設置されることが決まっている。こちらのサイトによると、建設地は首都ミンスクからは134km離れているのに対し、対リトアニア国境は20kmと至近であり、リトアニアの首都ヴィルニュスとの直線距離も53kmにすぎない。

 こうしたことから、リトアニアはベラルーシの原発計画に反対の声を上げてきたわけだが、このほど新たに注目すべき動きに出た。こちらのニュースによると、リトアニアは原発の建設地を変更することをベラルーシに要求するようユネスコに訴えたということである。ヴィルニュス旧市街はユネスコの世界文化遺産に登録されており、オストロヴェツ地区に原発が建設されればその環境および安全が脅かされることになるというロジックで、ユネスコにアピールをしたということである。リトアニアのユネスコ委員会のアピールには、「リトアニア社会には今に至るまで、計画されている原発が環境、100万以上の住民の生活、ヴィルニュスを流れるネリス川の生態系に及ぼしうる影響につき、充分な情報が提供されていない。また、利用される核燃料の保管にどんな方法が想定されているのか、核惨事が起きた時にヴィルニュスの住民の避難をどのような条件で行うかも、明らかでない。リトアニア社会も、両国の文化的発展も、ベラルーシ共和国の一方的な行動の囚人になるわけにはいかず、それは両国間の文化的協力関係に破局的な結果をもたらす」と指摘されている。

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 農業・食品産業を生業とするモルドバにとって、最大の生命線は、ロシアへのワイン輸出である。ところが、2006年にロシアの消費市場監督局が、モルドバ産ワインは安全・品質基準を満たしていないとして、その輸入を禁止し、これがモルドバ経済にとっての大打撃となった。ただ、2007年夏にはモルドバのワイン・メーカー40社あまりの製品がロシアの衛生・疫学検査をパスし、それらについてはロシアへの輸出が再開された。

 そして、2011年暮れのこちらの情報によると、2011年にモスクワとサンクトペテルブルグで通関されたモルドバ産のアルコール製品は、ワインが4,568貨物、ワイン原料が263貨物、コニャックが535貨物で、計2,482万リットルだった。その際に、消費市場監督局が衛生基準を満たしていないことを発見し差し止めたのが、30貨物、11万リットルに上った。消費市場監督局では、輸出されるアルコール製品の品質管理にモルドバの国家機関がしかるべく関与すべきだと指摘している。2011年にロシアのモルドバからのワイン製品の輸入は大幅に縮小した。ブリャンスク州の一時保管倉庫を活用することで通関スペースを拡大することは検討されていない、ということである。

 一方、こちらの記事は、ロシア消費市場監督局が、モルドバ産品の品質が安定してきたことに関連し、モルドバ産アルコール製品の輸入手続きを簡素化する可能性があるということを報じている。

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 ロシアの支援の下、グルジアからの分離・独立をめざしている南オセチア共和国で、3月25日大統領選の投票が実施された。こちらのニュースなどによると、開票が行われた結果、南オセチアKGBの元長官レオニード・ティビロフが42.48%を得票し、1位となった。オンブズマンのダヴィド・サナコエフ氏が24.58%を得票して2位に着けた。この結果、この2候補による決選投票が、4月8日に行われることになった。投票率は70.28%だった。

 南オセチアの大統領選は、最初は2011年11月に行われ、その時は元教育相のアラ・ジオエヴァと非常事態相のアナトリー・ビリロフが決選に進出、決選では前者の当選が発表されたものの、選挙違反を理由に最高裁が選挙を無効と判断し、3月25日に再選挙が行われることになった。ジオエヴァとビリロフは再選挙には出馬しなかった。

 ロシアの北オセチア共和国の首長で、ロシア大統領の南オセチア問題の特使を務めているタイムラズ・マムスロフは、南オセチアは政治的危機を克服した、大統領選の候補者たちも市民の大多数もロシアとの関係強化で一致しているとして、第1回投票の結果を高く評価するコメントを出した。

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 北京旅行記の続き。北京の書店で買い物をしたら、商品を折詰弁当のように紐で縛って渡された。なかなか独特。


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 EUとベラルーシの対立がエスカレートしている。こちらのニュースによると、3月23日EUは新たにビザおよび金融制裁の対象となる12のベラルーシ市民および29のベラルーシ企業のリストを発表した。ここには、ルカシェンコ政権に近いと考えられている実業家およびその傘下企業も含まれていることが注目される。具体的には、Yu.チジ、A.テルナフスキーという政商の名前が見られる。これらを含め、現時点では243のベラルーシ市民および32のベラルーシ企業が「ブラックリスト」に掲載された形となった。

 本件に関する政治評論家V.カルバレヴィチ氏の論評が、こちらに掲載されている。カルバレヴィチは、本日の制裁リストの拡大は、質的に新たなものである。これほど多数の企業に制裁が課せられることは、これまでなかったからだ。EUが制裁対象企業をさらに拡大することも考えられる。今後はベラルーシ側の対抗措置が焦点となり、第1に政権が市民社会、独立系マスコミに対する弾圧を強化し、また出国が禁止される者のリストを拡大することが考えられる。第2に、ベラルーシが欧州に出している外交の代表レベルを引き下げ、欧州各国の大使のベラルーシへの帰任問題の解決を遅らせる可能性も否定できない。ただし、戦争になるわけではなく、政治的および外交的措置の応酬にとどまるだろうと、カルバレヴィチは指摘した。

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20120326poroshenko

 こちらのニュースなどによると、ウクライナのヤヌコーヴィチ大統領は3月23日、P.ポロシェンコ氏を経済発展・商業相に任命した。ポロシェンコは前外相で、ウクライナ有数の財閥「ウクルプロムインヴェスト」の総帥でもある。経済発展・商業相のポストは、同大臣と第一副首相を兼任していたA.クリュエフ氏が2月14日に国家安全保障・国防評議会の書記に転身して以来、空席となっていた。2月16日、ポロシェンコが後任の経済相に就任するという情報が流れ、ヤヌコーヴィチ大統領も同氏を起用したい旨明言していたものの、ポロシェンコ側が慎重な姿勢をとり、交渉が難航していた。

 こちらの記事によるとポロシェンコは、経済省の優先的課題は一層の経済成長の確保であり、またビジネス環境の改善に取り組んでいきたいとの抱負を述べた。

 こちらのサイトによると、ウクライナ経済体質改善の課題として、12ポイントを挙げているということである。

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 ウクライナでは、ヤヌコーヴィチ現政権の成立後、「ナショナルプロジェクト」と称する一連の大プロジェクトを制定し、それを目玉として国および経済の近代化を進めようとしている。今般、そのナショナルプロジェクトのリストが拡充されることになったという話がこちらのニュースで報じられているので、要旨を整理しておく。ちょっと事実関係が分かりにくい部分があるが、悪しからず。

 これによれば、ヤヌコーヴィチ大統領はナショナルプロジェクトのリストを更新するとともに、「ナショナルプロジェクト投資・管理国家庁」の権限を拡大する旨の指令を出した。ウクライナの社会・経済・文化発展の優先的発展方向として、「アグロパースペクティブ」という方向性が新たに加えられた。また、すでに承認済みのプロジェクトに関しても、新たな中身を加えて拡充された。新規のナショナルプロジェクトも追加され、産業・生産インフラを構築する旨の「ウクライナの工業パーク」、イノベーション・ハイテク的発展のインフラ形成を旨とする「テクノポリス」が加わった。新たな有望な方向性として、「競争力のある農産物の増産」「農業市場の発展」というプロジェクトが登場し、そのプログラムとして「酪農の再生」「ウクライナの穀物」「グリーン市場(食糧品卸売市場の地域ネットワークの構築)」が策定された。「自然エネルギー」のプロジェクトには、「暖かな家」「エコ照明」「バイオマス利用」といったプログラムが追加された。「質の高い水」のプロジェクトには、「国民のための質の高い上水道網の構築」「浄水システム・コンポーネントの生産の組織」といったプログラムが加えられた。「オープンワールド」のプロジェクトには、「教育ネットワーク(4G)」「電子教師」「教育クラウド」「新たな教師」「電子政府」といったプログラムが加えられた。「未来の都市」のプロジェクトには、「キエフ・シティ」「ピャチハトキ・テクノポリス」のプログラムが加えられた。「エアー・エクスプレス」のプロジェクトは、いくつかの戦略的なインフラプロジェクトに拡充され、キエフと空港を結ぶ高速鉄道、キエフ環状道路の建設などが挙げられている。「オリンピックの希望2022」でも、いくつかのプログラムが立案された。

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 こちらのニュースによると、ロシアのA.ドヴォルコヴィチ大統領補佐官は23日の記者会見で、プーチン首相が大統領選の過程で唱えた選挙公約を実行に移しても、財政は破綻しないとということを主張した。

 これによると、ドヴォルコヴィチ補佐官は概略以下のように述べた。いずれにせよ、我々はすでに存在する予算上の上限の範囲内で活動するので、財政の安定性に支障は来さない。平均的な評価ではプーチンの一連の公約のコストはGDPの1.5%になるが、それは我々が今後数年間で予想している資源の範囲内に収まる。これらの公約の多くでは、明確なメカニズムが示されていないので、かなり柔軟に対応する余地がある。

 それに先立ち、ナビウリナ経済発展大臣は、プーチンが選挙前の論文で述べた措置を実施することにより、ロシア経済は向こう3年間、成長が0.4~0.9%ポイント上積みされると発言していた。2013年の例で言えば、GDPが6.6億~7.0億ルーブル拡大する。その後、政策がさらに効果を全面的に発揮すれば、経済効果は保守的シナリオよりもさらに大きくなると、大臣は述べていた。

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 北京で食べたものの話の続きだけど、これはそこそこ美味しかったかな。やはり王府井のグルメ街で食べた、肉団子スープのようなもの。わずか200円くらいのものだけど、振り返って見ると、北京に滞在した3日間で食べたもののなかで、結局これが一番普通に美味しかったかもしれない。

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 せっかく先日北京に出張してきたので、このブログでも今日からしばらくの間、1日1ネタくらいずつ、土産話を披露していきたい。

 私の場合には、事業対象国であるロシア・NIS諸国以外の外国に仕事で行く機会はあまりなく、プライベートでも滅多に外国旅行には行かない。中国には、15年ほど前に上海に一度行ったことがあっただけだった(あと台湾もあるけれど)。今回は、15年振りの中国であり、なおかつ初の首都・北京訪問だったわけである。これだけの重要国が日本のすぐ隣にありながら、ようやく2度目というのは、我ながら恥ずかしい。

 ただ、15年前の上海旅行(その時は仕事ではなく個人的に遊びに行った)は、かなり鮮烈な記憶として残っている。上海では、食べたものが、例外なくすべて美味しかったのである。レストランの食事だけでなく、道端で買ったちまきも、テーブルにゴキブリが這っているような屋台で食べたラーメンも、すべて信じられないほど美味かった。

 そこで、今回の北京出張でも、きっと美味しいものに出会えるに違いないと思って楽しみにしていたんだけど、結果は完全に期待外れ。上海とは逆で、何を食べても、???という感じだった。旅行ガイドに出ているようなちゃんとしたレストランでも、大して美味いとは思わなかった。

 これは北京に着いて最初に食べたもの。繁華街の王府井にあるグルメ通りで食べた、山西省の肉ラーメンみたいなものらしいんだけど、味付けが適当で、日本のラーメンの足元にも及ばない。

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 引き続き、政治工学センターのマカルキン第一副所長による大統領選後のロシアの展望の続きで、これで最後です。

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 この状況でとりわけ求められるのが、正常で、制度化され、両者にとって許容可能な政治対話である。政権側は長年にわたり、少しでも野党に歩み寄ることは敗北であると受け取られかねないといった立場をとってきたが、12月の下院選後、その立場を改めつつあるのは、結構なことだ。すでに、ソビャニン・モスクワ市長が大規模集会の主催者と交渉し、相互に受入可能な妥協策を見出したという成功例もある。スタヴロポリ地方レールモントフ市の議会選挙で登録を拒否された候補者たちがハンストに打って出たことを受けて、フロポロニン北カフカス連邦管区大統領全権代表の尽力により選挙が延期され、緊張が緩和したという事例もあった。

 現在焦点となっているのは、政権側が政治改革の過程の主導権を握れるかということ。それに向けた重要な措置は、すでに打ち出されている。だが、上院議員の国民による直接選出、公共テレビの創設、選挙の際に政党ブロック創設を可能にすることなど、さらにやらなければならないことはある。レヴァダ・センターの世論調査結果に表れているように、国民も言論・出版の自由、人権保護など、政治改革の継続を望んでいる。政権側がもしもこれらの改革を一貫して推進すれば、改革の主導者となれるだけでなく、それが不可逆であることを保証でき、つまりは新たな重要な非公式的機能を手にすることになる。また、そうした決定により、大統領選の際のスキャンダルの否定的影響を緩和できる。しかし、防衛本能が優勢となると、惰性的な路線により政治的変化は押しとどめられるだろうが、現代世界では柔軟性を欠くアナクロなシステムが安定性を発揮できる可能性はますます低くなっている。選択は政権にかかっている。

 

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 報道されているように、野田総理がTPPをビートルズに例え、参加の必要性を熱弁したということである。Yahooのニュースからコピーすると、

 「環太平洋連携協定(TPP)はビートルズだ」。野田佳彦首相は24日の都内での講演で、TPP交渉参加を検討している日本の立場を、英人気ロックバンドのメンバーに例えて説明、政府の方針に理解を求めた。 首相は「日本はポール・マッカートニーだ。ポールのいないビートルズはあり得ない」と強調。その上で「米国はジョン・レノンだ。この2人がきちっとハーモニーしなければいけない」と述べ、日本の交渉参加への決意を重ねて示した。

 想像に難くないように、この発言はネットの世界では完全に物笑いのタネになっており、特に音楽ファンからは怒りの声が上がっているようだ。確かに、私自身も、あまりにもお粗末な例えだと思う。ロックに例えたら国民受けするとでも思ったのかもしれないが、全然ウマくない。せっかく政権交代を成し遂げ、東日本大震災という国民的悲劇にも見舞われ、その結果誕生したのがこの政権かと思うと、泣けてくる。

 総理のビートルズ発言を受け、音楽ファンの間では、「それを言うなら」といった類のネット書き込みが盛んなようだ。まあ、私が考えるに、「そもそもポールだったらソロでも充分やって行けるだろう」というツッコミも可能だろう。私としてはむしろ、TPPは吉本興業、アメリカはさんまや松本クラス、日本はせいぜいサバンナ高橋(太鼓持ち芸人)くらいじゃないかという気がする。

 前の記事の続きで、政治工学センターのマカルキン第一副所長による大統領選後のロシアの展望の続き。

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 政権にとっての脅威は、モスクワのミドルクラスを支持層とする反政府運動だけではない。それは、体制を弱体化はできても、それ自体では、「タハリール広場」(エジプト革命の震源地)に繋がるわけではない。むしろ注目すべきは、プーチンを支持した有権者の動機だ。これらの中核的支持層は、数百万の家父長的な価値観のロシア人であり、主に公務員や年金生活者だ。彼らは庇護者としての国家を求めており、安定を欲するだけでなく、少しずつでもいいから一貫して自分たちの生活水準を引き上げてほしいと願っている。「黄金の2000年代」が、それは可能であるということを見せてしまったから、なおさらだ。ところが国家は、石油が200ドルにでもならない限り、まったく異なった政策をとらなければならないのだ。

 この矛盾した状況を、市民社会の参加を得て、社会的心理を極力考慮したうえで、政治的手法によって解決しなければならない。すでに体制支持派の国民の一部は、いくつかの具体的な不満から失望を感じ始めており、この地下でくすぶっている火災は燃え上がっていく。

 このことは、プーチン支持層のより周縁的な部分には、より一層当てはまる。これらの一部は、「失うもの」が一応はある人々で、他の候補が大統領になった場合のカオスを心配して、プーチンに投票した。別の人々は、プーチンの他に現実的な選択肢を見出せず、プーチンに入れた。確かに、プーチン以外の候補者を大統領として想像することは困難だし、彼らにとって批判票を投じることは無責任なことと思われたのだ。両者とも、自らの選択が報いられていないという不満を感じている。

 普通、選挙に勝った者は「100日間のハネムーン期間」を与えられるものだが、上述のような状況ゆえに、プーチンはそれを望めない。プーチンは最初から、社会全体に受け入れられるような多価的な改革を実施することを宿命付けられて、大統領の座に就くことになる。こうした状況では、社会の中で最も活発で、自立的でクリエーティブな層と、とりわけ反政府運動が盛り上がる中で仲介役となれるような層と、正常な関係を築くことが差し迫った課題となる。政権関係者の発言振りからして、それをやるのは困難で心地悪いが、それでも必要である。

 その端緒の一つはすでに現れており、政党制の自由化により、政治家が政党の結成という正常な活動に取り組めるようになっている。そうした建設的な活動が生じれば、野党活動家は破壊者であるといった偏見が無益であることも明らかとなろう。ただし、一連の新党が結成され、それらが表舞台の政治に登場し、その支持率が高まってくれば、現在街頭の集会で唱えられている下院選挙の前倒し実施という要求が、より高まることになるだろう。それに加え、野党はすでに、モスクワ議会選と市長選の前倒し実施も要求している。現在、モスクワ市議会の35議席のうち32議席を統一ロシアが占めているが、反政府活動が最も盛んなのがモスクワである以上、選挙の早期実施を求める声が上がるのは当然である。

 今後、時間が進むにつれ、下院選前倒しの要求は宣言的なものから現実的なものとなっていく。注目すべきことに、大統領選では、プーチン以外の候補は誰も勝つチャンスがないのに、稀に見る活発なキャンペーンを展開した。それは、彼らが政党の党首で、下院選が早期に実施される可能性をにらんで、またライバルとなる新党が登場してくることを見越して、選挙戦を最大限に利用しようとしたからである。今のところプーチンは下院選のやり直しの可能性を否定しているが、状況が急変する可能性もある。

 政権側と体制外野党が相互不信を抱き、お互いの声に聴く耳を持たない態度を続ければ、劇的な結果を招来しかねない。一方では、選挙の結果として、一部野党政治家の言動が過激化し、穏健な人々はそれから離れていった。同時に、リベラル派の支持を得たいプロホロフのような政治家は体制批判の声を無視することはできず、プロホロフもプーチンとの会談後に街頭集会に出向いた。他方で、3月5日のモスクワとペテルブルグにおける政権側の強硬な対応は、自らの力に関する自信のなさ、ほんの些細なことでロシア版の大衆革命に繋がりかねないという恐怖感を示しているものとも受け取れる。

 さらに続く。

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 前の記事の続きで、政治工学センターのマカルキン第一副所長による大統領選後のロシアの展望の続き。

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 政党システムの再編は、ロシア政治の力関係を大きく変える可能性がある。その際に、現在すでに登録されている政党は、政権との距離にかかわりなく、すべて負け組になることも考えられる。

 「統一ロシア」は、改革の必要に迫られているが、それをどんな方針で進めるかについて、党内に方針がない。看板のすげ替えにとどめるという慎重な立場もあれば、統一ロシアから「全ロシア国民戦線」に組織的資源を送り込んで新党を形成するという考え方まで(後者には自前の資源がない)、様々である。党内競争は激しくなっているし、プーチンの選挙キャンペーンの過程で統一ロシアのライバルとなるD.ロゴジン氏の「軍支持運動」も結成された。ただし、「軍支持運動」の見通しは、純然たる政治プロジェクトというよりは、より広範なものだ。ロゴジンは政権寄りの表舞台の政治家の中では最も人気のある一人で、2006年には同氏の新党結成は充分に体制に忠誠的なものではないとしてクレムリンによって阻まれたが、状況が変わり、現在は政権のクライアントではなく、野心のある同盟者こそが必要とされているのである。

 ウダリツォフは、大統領選ではジュガノフを支援したが、同氏は共産党の古い組織には飽き足らず、もし彼が新左派政党を結成した場合は、共産党は左派陣営における独占を失うことになる。自由民主党は、ナショナリスティックなスローガンを主張する唯一の政党という地位を失い、より全うなイデオロギー的ナショナリストによって脅かされるだろう。S.バブーリンやK.クルィロフといった人物がそれに該当し、これらの政治家は過去数年、クレムリンが政界での台頭を阻んできた経緯がある。「公正ロシア」は、リベラル派にとって、議会に議席を獲得できる党のなかでは、最もマシな党であり、それゆえに同党は議会選挙で躍進できたわけだが、その地位を失い、組織の内部が崩壊していき、有力な活動家の多くは左派やリベラルに接近していく可能性がある(I.ポノマリョフ、グトコフ親子など)。ヤブロコは伝統的に融通が利かず、他の党との合併も拒んできており、したがってリベラル新党たちとの競合を余儀なくされるだろう。

 これまでの政治システムでは、これらの政党は「凍結」されており、存続が保証される一方、発展の可能性も限定されていた。現在は政党システムが全体として「解凍」されているが、長年にわたる強いられた停滞が基調を決定付けている。旧来の政党は、新政党に比べてスタートポジションが良いにもかかわらず、過去のしがらみによって相殺されてしまっている。

 現在のところ目立っているのはプロホロフ氏の新党作りで、彼はリベラル派でしかるべき地位を占め、政治家や、現在は政党参加をためらっているエリートたちの、中心になりうる。彼の優位点は、大統領選挙戦での露出、新顔効果、資金力、政権側が敵視していないこと(プーチンはプロホロフに入閣を打診した)である。また、プロホロフはクドリンなど、他人と組む余地も大きい。なおそのクドリンは、最初は自ら新党立ち上げを考えていたが、現在は基金を創設する意向となっている。ヤブロコと、プロホロフ新党の他に、リベラル潮流としてはPARNASがあり、比較的誰にでも受け入れやすく、妥協的な解決を見出せるルィシコフという指導者がいる(それゆえにモスクワの反政府集会のリーダー役も任された)。

 議会に勢力を持っていない反体制派にとって重要なのは、あまりに多数の新党を作らないことである。現在の法律では複数の政党が選挙ブロックを結成するのが禁止されているということもあるが、仮にそれが解禁されても、1995年の下院選で43政党のうち4党しか議席を得られなかったという教訓もあり、いずれにしても小党乱立は有害である。

 いずれにせよ、ロシアには「政治」が帰ってきた。体制側は、主導的であり、あらゆる面で最も資源を有しているが、以前持っていたような絶対的な優位は失っている。

 続きは明日。

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 毎度お馴染み、「政治工学センター」のA.マカルキン第一副所長が、こちらのサイトで、大統領選後のロシアの行方について占った論考を披露しているので、その要旨をまとめておく。少々長いので、2~3回に分けて紹介したいと思う。なお、どうも当該の記事はサイトから削除されてしまったようで、現時点では閲覧不能となっているようだが、悪しからず。

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 プーチンが第1回投票で勝利を収めたというのはすでに政治的現実であり、各種の調査機関によってもプーチンが過半数を獲ったことは確認されている。下院選挙の時よりは、イメージは改善した。問題は2つあり、第1にVTsIOMやFOMの予想では58%とされていたプーチンの得票率が、公式結果では63%と過大なものとなったこと。第2に、反体制野党だけでなく、ジュガノフ氏の共産党のような体制内野党までが、不公正な選挙について批判していること。従来もそうした批判はあったが、政治情勢の変化により、重みが違ってきている。ジュガノフが選挙結果を承認していないこと、プロホロフが多数の選挙違反を指摘していることなどは、政権にとって無視できない問題である。

 だが、もっと深刻なのは、プーチンの勝利が、現政権の前に立ちふさがる問題を何一つ解決せず、むしろ問題が増大しているという点だ。政権の今後は、それらにどれだけ効果的に対応できるかにかかっている。

 現時点では、反政府勢力の活発さが低下し始めているような印象も受ける。実際、3月の反政府集会は、2月4日ほどの盛り上がりはなかった。3月5日、10日が示したのは、反政府勢力は新たな課題に直面しているということである。一気にすべてのことを成し遂げてしまおうという衝動は、冷静な認識に取って代わられた。これからは短距離走ではなく長距離走になり、そこには問題も山積しているが、利点もあるということが、悟られるようになった。

 まず、街頭活動の効果について疑問視する意見がありながらも、モスクワには街頭に繰り出す用意のある人々が1.5万~2万人いるということである。人々は一体性を重視しており、それが彼らの交流、関係の維持・再構築の鍵になっている。1980年代の末と異なり、彼らは奇跡を起こしてくれる単一のリーダーには期待していない。

 反政府活動家の多くは、ユニークな政治的経験を積んでいる。選挙監視員、選挙管理委員、議員候補などとしてである。過去10年ほど、政治の世界には基本的に、体制に従順な人間しか参入しておらず、彼らはその時点の風向きに応じて政治的信条も簡単に変えるような節操のない人々であったが、現在は非従順的な新人類が政治に加わっている。

 特徴的なのは、反政府運動の平和的な性格が堅持されていることであり、これはコンセンサスとなっている。活動家らは、政権側が酷い弾圧を行った場合のみ、過激な行動も辞さないという方針で団結している。

 3月の集会の参加者は減ったが、以前の集会に参加していた人々は、自分たちが必要とされていると判断すれば、いつでも再び繰り出す用意がある。今後も抗議運動の波は続くことになると思われる。5月には一定の高まりがあるかもしれない。夏には、住民が郊外の別荘の農作業に出かけてしまい、下火になる可能性もあり、実際1991年の時ですら、クーデターの企てを受けて、ようやく人々が別荘からモスクワに駆け付けた。抗議行動の新たな波は、政治的な不満よりも、社会的な不満が引き起こす可能性の方が高いかもしれない。その一因となりうるのが、7月の公共料金引き上げである。この値上げ以外にも、反政府側が対応せざるをえない問題が色々と出てくるかもしれない。

 反政府勢力の間で線引きがなされていくことは不可避であり、それはすでに生じているが、政党法の改正で新党の登録が始まればさらに加速する。これは別に悲劇ではなく、自然なプロセスであり、将来において特定の課題解決のために反政府派が団結することを妨げはしない。と同時に、線引きが進むことで、各政党が現政権の路線に取って代わる政治および社会・経済路線を提示することが可能になる(今の反政府勢力のなかで、たとえばネムツォフとウダリツォフの経済プログラムを両立させることは不可能である)。

 そして、向こう数ヵ月は、政党の形成だけでなく、市民のイニシアティブの局面にもなる。派手な演説の集会は、地道な仕事、新たな形態の積極性の模索に取って代わられる。反政府勢力がこうした活動でどれだけ実を挙げられるかによって、彼らの未来が大きく左右される。

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 少々フォローが遅れ気味であるが、プーチン首相の命を受けたロシアの専門家グループがこのほど、同国の今後の政治・経済政策の根幹となる基本文書「戦略2020」の新版を策定した。差し当たり、こちらのサイトに掲載された論評(やや偏った評価という感もあるが)を、抄訳して紹介したい。

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 「戦略2020」の新しいバージョンが今般作成された。850ページからなる大部の文書であるが、内容的にはこれまでの一連のバージョンと大差ない。相変わらず、非資源経済のイノベーション的な発展を刺激付ける解決策は提示されていない。少なからぬ部分ではむしろ、すでにある問題を深刻化する解決策が示されている。

 経緯を整理すると、「戦略2020」はプーチン首相の指示により、「専門家グループ21」が策定に当たっている。最初の草案は、経済発展省の主導によって起草され、2008年秋に政府が承認した。しかし、世界経済危機の関係で、戦略の修正が必要になった。その修正作業は、上級経済スクールおよび国民経済アカデミーに委ねられ、2011年8月に第2の中間案が提出された。当時は、2011年12月1日までに最終案が準備されると想定されていたものの、冬になって、最終案は選挙後に出るということが明らかになった。ナビウリナ経済発展大臣は、戦略2020に関する最終的な決定は新政府、新大統領が下すことになると明言した。

 最終的な文書には、中間案の段階で示された提案の大多数が盛り込まれた。完成した報告書は、経済・社会管理における伝統的なリベラル・制度的アプローチを基調としているが、これらは効果がないことが実証済みである。マクロ経済安定化に多大な関心を払う一方、国民産業発展の課題は素通りしている。たとえば、GDP実質成長率を年間5%以上とし、インフレ率を5%以下に抑制し、銀行の最低資本額を数倍に拡大し(これは国内金融システムの弱体化を招く)、国防支出を縮小し、非効率な企業への支援を停止するとしている。さらに、社会税を現状維持とする一方、天然資源採掘税を導入し、資産税を累進課税とするとしているが、これで非資源部門の投資魅力が増すとは思えない。

 戦略では、同戦略を実現することにより、資源経済からイノベーション経済への移行が図られると強調されているが、それはこれまでエコノミストたちが示してきた3つの提案と矛盾する。第1に、銀行の最低資本額を引き上げるという方針だが、これは地方銀行の消滅につながる恐れがあり、地方のビジネスが融資を受けられない事態に繋がりかねない。そうなれば、非資源イノベーション経済の発展など、望むべくもない。第2に、非効率的な企業への支援を停止するという方針が示されているが、たとえば最近の危機の局面をAvtoVAZが乗り切ることができたのはまさに国家支援の賜物であり、その結果として同社は近代化に着手している。第3に、国防予算を削減するという提案は、長らく政府内や専門家の間で語られてきたものだが、プーチン首相も再三述べているように、国防への投資は新技術への投資に他ならず、その効果は国防産業だけにとどまるものではない。

 戦略2020のなかで、数少ない前向きなくだりは、年金制度についてのそれであろう。任意年金の共同出資の制度を発展させること、受給年齢を引き上げることが提案されている。しかし、2030年までに男女とも63歳に引き上げるとする点を除いては、特に新味はない。戦略2020でもう一つ前向きに評価しうるのは、住宅ローンのコストを引き下げることを提唱していることだが、それに向けた具体策は示されていない。

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 私が編集を担当しているニュースレター『ロシアNIS経済速報』の最新号で、「2011年版カザフスタン100大企業ランキング」という記事をお届けしているので、よかったらご参照いただきたい。ここでは、同記事を作成している過程で興味を抱いた点を書き留めておく。

 今回の速報の記事「2011年版カザフスタン100大企業ランキング」で原典として使用したのは、『エクスペルト・カザフスタン』誌のこちらのサイトである。これを見ると、「サムルク・カズィナ」なる会社が、ランキングのトップに立っている。「株式会社・国民福祉基金サムルク・カズィナ」というのがその正式なフルネームであり、今日のカザフスタンでは主な国営企業がこの基金の傘下に置かれているのである。『エクスペルト・カザフスタン』誌の100大企業ランキングでは、2010年版までは同基金はランキングの対象外で、その傘下にある国営企業が個別にランク付けされていた。それが、今回の2011年版から、同基金を単一の企業としてランキングに掲載しているのである。実のところ、サムルク・カズィナ傘下の企業はあまりに多様であり、企業グループとしての一体性は乏しく、この新方式が妥当かどうかは、評価が分かれるところだ。実際、『エクスペルト・カザフスタン』誌では、サムルク・カズィナ傘下企業の売上高を別表で示している。それにもとづいて、サムルク・カズィナ傘下企業の売上高を図示すると、下図のようになる。なお、売上高をドルに換算したい場合は2010年の年平均レート、1ドル=147.4テンゲをご利用いただきたい。

20120323samruk

 このなかでは、石油ガスのカズムナイガス社が圧倒的だが、運輸のカザフスタン鉄道やエア・アスタナ、原子力のカザトムプロム、複数の銀行など、非常に多様かつ重要な企業を傘下に置いていることがお分かりいただけるであろう。

 『エクスペルト・カザフスタン』誌では、以下のような解説を掲げている。すなわち、逆説的にも、現時点のカザフスタンでは、国家が最も有能な所有者となっており、国民経済変革の旗手となっている。一般的に国営セクターは市場外の存在で、競争には大きな影響を及ぼさないが、2010年の成果として言えるのは、サムルク・カズィナ基金が市場の完全な参加者であり、「資本主義的競争」の個別のプレーヤーと見なしうるということだ。2010年にサムルク・カズィナ基金は大企業ランキングのトップとなり、前年比23.9%の売上増を達成した。同基金は、多くの経営不振企業の救済者という役割を引き続き担わされているにもかかわらず、税引前で18.4%の利益率を実現しており、これは経営効率の高さを裏付けている。カザフスタン大企業ランキングの上位20社のうち、14社は国が出資をしている企業であり、100大企業の総売上高の81%は、国が完全または部分的に所有している企業によるものである。サムルク・カズィナ基金は現在、傘下企業だけでなく、パートナー企業にも影響を及ぼし、カザフ全体の企業文化を改善できるチャンスがある。基金傘下企業による2011年の調達は、GDPの8分の1の規模の3.5兆テンゲにも達し、それと引き換えに数千という民間企業の企業文化を引き上げることは、カザフ経済全体にとって有益である。『エクスペルト・カザフスタン』では概略このように唱えている。


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 メドヴェージェフ大統領とプーチン首相は、5月になれば立場が入れ替わることになる。ロシアでもこのような形の権力継承は初めてのことであり、よってそこにはマヌーバの余地も生じる。それに関連し、『コメルサント』紙のこちらの記事が、興味深い動きを伝えているので、記事の要旨を以下のとおり紹介しておく。

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 メドヴェージェフ大統領とプーチン首相はどちらも昨日、5月の新政権発足後に取り組むべき一連の問題に関する「ロードマップ」の必要性について述べた。形式的には両者とも現在の役職の管轄分野のことを取り上げたので、メドヴェージェフは民営化、国営企業、汚職対策の実力行使部分、中央銀行といったテーマにつき首相に就任する未来の自分に指示を与えるような形となっている。一方プーチンにとっては、自らが選挙戦の過程で論文やマスコミで述べた内容が、新政府の下で実施されるということが関心事になっている。

 両者は「ロードマップ」を、ほぼ同時に語り出した。プーチン首相は昨日現職閣僚たちと閣議を開き、自らが一連の選挙綱領論文で述べた主な政策をなるべく迅速に実現することについて討議した。プーチンは、「本日は、私が一連の論文の中で述べたすべての課題が実現に向けて実際に着手できるよう、我々が採択すべきロードマップ(複数)について話をしたい」と切り出した。それからわずか数時間後、「公開政府」の会合で、ロシア経済スクールのS.グリエフ学長の提案を支持する形で、メドヴェージェフ大統領も、ロードマップ(複数)の策定を提唱した。メドヴェージェフは、ロードマップの策定、期限を設けての民営化と規制緩和については、100%支持し、疑いの余地はないと明言した。

 プーチンが今回の会合で扱った分野からして、プーチンはメドヴェージェフ新政府にとってのロードマップの策定を唱えているようである。とくに、2011年の警察・軍の賃金改革で導入された賃金体系をすべての公務員に適用するという、純然たる政府の管轄分野が取り上げられた。対するメドヴェージェフのロードマップも、あたかも来たるプーチン新大統領の行動計画と思えるようなもので、またプーチン現首相に指示を出す内容だった。ただ、5月からは立場が入れ替わるわけだから、現在のプーチン首相に指示を出すと、5月からは自分がその内容の指示を出されることになり、メドヴェージェフは実質的に未来の自分に指示を出した格好となったわけだ。

 それでもメドヴェージェフは、政府が伝統的に従属的な役割を果たす政策領域に関して、自らの大統領権限を秋まで延ばすような動きに出たわけである。すなわち、重要な国家サービスのビジネスプロセスの最適化や、大民営化(2011年にプーチンが実質的に停止した)についてのロードマップを示すよう要求した。また、国営企業のトップを公務員から切り離すこと、政府調達のルールを国家コーポレーションや国の出資する株式会社にも適用すること、公共テレビ、公務員の所得公開、最高裁における汚職対策裁判官グループの可能性などについて語った。

 この構図において、両者は現在の権限内で動いており、法的には違反していないが、今後果たすことになる権限からすると明らかに越権している。どうやら、お互いにロードマップを描き合っていることは、政府の役職をめぐるプーチンとメドヴェージェフの駆け引きを反映しているものと見られる。メドヴェージェフのN.チマコヴァ報道官は、政府の人事および組織が明らかになるのは首相が下院によって承認された後であり、あくまでも首相が閣僚人事を大統領に提案する(その逆ではない)ということを強調している。一方、プーチンは4月11日に下院で過去1年の活動実績報告を行うことになっているが、D.ペスコフ報道官は、プーチンは首相としてだけでなく、新大統領という立場からも演説することになると指摘した。

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 こちらのニュースによると、ベラルーシ北部のオストロヴェツで予定されている同国初の原子力発電所の建設工事は、この4月に始まるということである。合弁会社「アトムストロイエクスポルト」の社長代行で、ロシア・ニジェゴロドのエンジニアリング会社「アトムエネルゴプロエクト」部長のV.リマレンコが21日記者会見で明らかにした。同氏によれば、建設にかかわる主要文書はすでに作成され、それを実施に移す時が来た。3月の末までにはすべての書類が整うだろう。その上で、4月には建設工事に着手することをけいかくしている。障害となるものは何もないと、同氏は述べた。ベラルーシのMミハジュークエネルギー次官も、3月20日に関係各社との第1回の作業会合が開かれたが、プロジェクト実施に障害は一つもないと述べた。建設現場のM.フィリモノフ監督によると、現在のところ現地では、コンクリート工場の設営、鉄道・道路の敷設、住宅の建設など、原発建設に必要な基礎インフラ建設作業が急ピッチで行われているという。

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 3月19日にモスクワのルジニキ・スタジアムで開催されたロシア・プレミアリーグの一戦、スパルタク・モスクワ対CSKAモスクワの「モスクワ・ダービー」を、スカパー!の録画でテレビ観戦した。結果は2対1でCSKAが勝利し、首位ゼニトとの勝ち点差を6として、どうにか優勝争いに踏み止まった。なお、怪我の癒えない本田は、引き続きメンバー外。

 現在行われているプレミアのリーグ戦は、春秋制から秋春制への移行のための変則日程になっていて、残り3分の1に該当する現在のステージは、上位8チームと下位8チームに分かれ、それぞれで順位決定の戦いが繰り広げられている。よく考えてみると、上位8チームのうち、4チームがモスクワのチームなわけだから、ほぼ毎週のように、何らかの組み合わせの「モスクワ・ダービー」が戦われていることになる。私が計算したところ、任意の節でモスクワ・ダービーがまったく組まれない確率は約22.9%しかなく、つまりは8割近い確率でモスクワのチーム同士がぶつかり合っているという計算になる(計算が間違っていたら相当恥ずかしいが…)。これだけ頻繁だと、ダービーマッチの有難味というものも、少々薄れるかもしれない。まあ、さすがにスパルタク対CSKAの対戦は、巨人VS阪神的な「伝統の一戦」と位置付けられるようで、19日も巨大なルジニキ・スタジアムがかなりの観客で埋め尽くされてはいたが。

 スパルタクのユニフォームには、韓国の自動車メーカー「起亜(KIA)」の広告が見られ、対するCSKAのユニも「現代(HYUNDAI)」の広告を掲げていた。個人的には、ロシアのサッカーの現場で、日系企業の広告も見れたら嬉しいのだが。

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 こちらのニュースによると、EUはウクライナとの連合協定の仮調印を3月30日に行う方針を決めた。3月30日にブリュッセルにおいてウクライナのP.クリムキン外務次官とEUのM.ライチャーク対ロシア・東方近隣諸国・西バルカン担当官が署名を行うという。連合協定は1,500ページから成る大部の文書となっている。30日に仮調印との情報については、ウクライナ外務省もこれを認めた。なお、本調印は本年末までの調印が有力視されている。

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 既報のとおり、3月19日にモスクワで、「ユーラシア経済共同体」の首脳会談が開催され、冒頭挨拶を行ったロシアのメドヴェージェフ大統領は、「共同体の改組が課題であり、すぐにでも現在の共同体を解体するといった提案もなされたが、その後の協議で、やはり作業はより文明的に行った方が良く、一定の法的枠組みにもとづいて進めるべきだという結論になった」旨述べた。メドヴェージェフ大統領は名指しはしなかったが、ユーラシア経済共同体を速やかに改組しようと先走った主張しているのは、どうやらベラルーシのようだ。一頃、主権国家ベラルーシを堅持する路線にシフトしていたルカシェンコ・ベラルーシ大統領だが、ここに来て、旧ソ連域内の国家統合に関して再び同政権の突出振りが目立ち始めた感がある。

 こちらのニュースによると、ベラルーシ指導部は、ロシアが進めているユーラシア統合構想で、「機関車よりも先に」進もうとしている。ユーラシア経済共同体のサミットでは、結局進展はなく、共同体の改組に関する文書は5月までに煮詰めることとなった。しかも、「ユーラシア経済連合」に関する最終的な条約は、メドヴェージェフ・ロシア大統領によると、2015年1月1日までに調印することになっている。そうしたなか、ベラルーシのS.ルマス副首相は、「ベラルーシは今日にでも新条約に調印する用意があったが、他のユーラシア経済共同体加盟国の支持が得られなかった」と発言した。

 ベラルーシとEUの関係が冷却化していることを考慮すると、ベラルーシが再び東に舵を取り、統合の急先鋒の役割を果たし始めたことは、象徴的である。国際政治学者のA.フョードロフは、「現政権は、ベラルーシの未来が東側にあるということを、最終的に決定したのではないかという危惧が強まる」と指摘している。その一方、別の専門家のYu.ドラコフルストは、ルカシェンコは他の加盟国が現段階で賛成することはないと踏んだうえで、大胆な統合案を提案した、これはロシアに忠誠心を示すのと同時に西側にもシグナルを送る安上がりな方法だったのかもしれないと、若干異なる分析を示している。

 まだ途中経過の話なので、軽く紹介するにとどめるが、こちらの記事によると、ウクライナ議会は3月20日、石油ガス産業の改革に関する法案を第1読会で可決した。この法案は、ウクライナの石油ガス産業の独占体である「ナフトガス」社の再編を可能とする一方、ガス輸送システムの賃貸や民営化は禁止する内容になっている。法案の起草者によれば、その狙いは、ロシアがウクライナのガス輸送システムを支配するのを防ぐ点にあるという。ただしこれに関しては、今回の法案は逆にロシア・ウクライナのガスコンソーシアム形成に向けた第一歩となると指摘する専門家もいる。

 記事によると、ウクライナは欧州エネルギー共同体の参加国となり、エネルギーの輸送・採掘・販売を分離することを義務付ける第3エネルギー・パッケージの規定を導入することを義務付けられている。だが、ナフトガスを再編しようと着手するたびに、その再編がロシアによるガスパイプライン支配につながるとする野党の反対に会ってきた。そこで政府は譲歩を行い、野党議員のYu.カルマジンの提案した代替法案を支持する姿勢を示した。この代替法案には、ナフトガスおよびその資産の民営化・賃貸・リース・コンセッションを禁止する旨が明記されている。それでも、専門家のV.ゼムリャンシキーは、確かに法案は国のガスパイプラインに対する支配権をうたっているものの、審議の過程でコンソーシアムの形成に道を開くような修正が加えられる可能性がきわめて高いと指摘している。

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 モルドバは議院内閣制の国であり、大統領に実権はないが、ヴォローニン前大統領の退陣後、大統領の空位(917日に及んだ)が続いてきたことは、当国の政治的混乱を象徴していた。しかし、こちらのニュースなどが伝えるところによると、3月16日にモルドバ議会は、8度目の試みで、ようやく新大統領を選出した。与党連合の「欧州統合連盟(AEI)」の擁立した候補ニコラエ・ティモフティ氏(写真)が、第4代モルドバ大統領に選出されたもの。ティモフティ氏は1948年12月モルドバのチュトゥレシティ村生まれで、これまでは司法関係の要職を歴任してきた人物。必要票数61のところ、AEIの58名に加え、共産党から離脱したI.ドドン氏のグループ3名と、会派に属さないM.ゴジャ議員の、計62名が賛成した。野党の共産党(39議席)は投票は不当なものだとしてこれに参加しなかった。

 ドドン・グループがティモフティ支持を表明したことで、ティモフティ氏の大統領選出は確実な情勢となっていた。しかし、与党連合は念には念を入れ、第1に、投票手続きを直前に微修正、何も記しを付けていない投票用紙は唯一の候補たるティモフティへの賛成であるとすることにした(反対票を投じたい者がバツ印を付ける)。第2に、各会派は投票用紙にそれぞれマークを入れて、造反議員が出ないようにした。

 なお、ドドン・グループは、自分たちがティモフティに賛成票を投じたのは政治危機克服のためであり、自分たちが政権参加をすることを意味するわけではなく、これからも野党として与党連合の政策を批判していく、との立場を明らかにしている。

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 私が現在追っているテーマの一つであるユーラシア統合に関連するニュースを整理しておく。こちらのサイトによると、3月19日にモスクワで、「ユーラシア経済共同体」の首脳会談が開催された。共同体の加盟国であるロシア・ベラルーシ・カザフスタン・キルギス・タジキスタンの首脳に加え、オブザーバー加盟国のウクライナ・モルドバ・アルメニアの首脳が出席した。2012年1月1日をもってロシア・ベラルーシ・カザフ3国による「共通経済空間」という最も進んだ統合形態が発足して以降、こうした形での首脳会談は今回が初めてとなる。

 会議の冒頭で演説を行ったロシアのメドヴェージェフ大統領は、概略以下のように述べた。2011年12月19日付のユーラシア経済共同体国家間評議会の席で、共同体の改組についての合意がなされたので、現在の主たる議題はその問題になる。12月の会議の際には、すぐにでも共同体を解体するといった提案もなされたが、その後の協議で、やはり作業はより文明的に行った方が良く、一定の法的枠組みにもとづいて進めるべきだという結論になった。以上のように大統領は述べた。

 ユーラシア経済共同体の創設条約は2000年10月10日アスタナで調印、すべての国による批准を経て2001年5月30日に発行した。創設当初からの加盟国はロシア・ベラルーシ・カザフスタン・キルギス・タジキスタンの5ヵ国。2002年5月からはウクライナとモルドバが、2003年1月からはアルメニアがオブザーバーとして参加している。また、「国際航空委員会」「ユーラシア開発銀行」もオブザーバー資格を有する。ロシア・ベラルーシ・カザフ3国は、共同体のメンバーであるキルギスとタジクが共通経済空間に参加する可能性について、可能ではあるが、両国が既存の条約・放棄版を履行する用意があることを条件としている。

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 これは完全に後追いの情報だが、こちらの記事によると、ロシア・ベラルーシ・カザフスタンによる共通経済空間にキルギスが加盟することに向け、このほど「ユーラシア経済委員会」に作業グループが設置された。2月29日に委員会のA.スレプニョフ貿易大臣が記者会見で明らかにした。

 大臣によれば、キルギスの加盟にかかわる具体的な問題の解決に取り組むために、作業部会が設置された。問題は山積し、まだその最初の段階なので、成果について語るのは早計だ。だが、それを推進しなければならないという理解はある。関税同盟は「ユーラシア経済共同体」の枠内で形成され、キルギスは共同体のメンバーだ。ユーラシア経済共同体の目的の一つは最初から、関税同盟の創設だった。その意味でキルギスの加盟申請は、この目的に沿った順当なものである。大臣は以上のように述べた。

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