服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

 こちらのニュースによると、ロシアの天然ガスの独占企業「ガスプロム」のA.メドヴェージェフ副社長(むろんD.メドヴェージェフ首相とは別人)はこのほど、同社が日本をアジア太平洋地域で最も魅力ある市場と見なしていると発言した。11月20日、「ロシアのガス」と題する経済フォーラムの席で述べたもの。メドヴェージェフによれば、欧州諸国と異なり、日本は長期的な購入保証と、有利な価格を提示する用意がある上に、日本は天然ガス消費が最も伸びている市場の一つでもある。ガスプロムは今後とも販売市場を多角化し、販売量においても販売額においても欧州とアジアのバランスをとるように努めたいと、メドヴェージェフ副社長は述べた。


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 私のブログ/HPでは、ロシアのサッカー観戦における観客の暴れっぷりについて、何度か批判を試みている。国内リーグが荒れるのはもはや当たり前という感じだし、本年のユーロでもロシアのフーリガンが騒動を起こしており、最近のUEFAチャンピオンズリーグの試合をテレビで観ていても、ロシア絡みの試合ではアウェー戦であっても必ずと言っていいほど爆竹や発煙筒が登場する。入場に際して厳しいボディーチェックをしているはずなのに、どうやって危険物を持ち込むのか、実に不思議である。そのうち、ロシア絡みの試合は、飛行機の搭乗並みのセキュリティーチェックが導入されるようになるかもしれない。これも何度か指摘しているように、本当にこんな国でワールドカップが開催できるのかという疑問すら禁じえない。

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 そうしたなか、こちらのニュースによると、ロシア・オリンピック委員会の会長で、ロシア連邦議会下院第一副議長のA.ジューコフが11月19日、ロシアのサポーターの振る舞いを文明的なものに矯正する必要があり、そのためにはサポーターに関する法律を採択する可能性もあると発言したということである。11月17日にモスクワで開かれたディナモ・モスクワとゼニト・サンクトペテルブルグの試合で、観客が投げ込んだ発煙筒(花火?)により、ディナモのゴールキーパーA.シュニンが目に火傷を負い、試合が途中で中止されるという事件があった(写真)。ジューコフ会長の発言は、それを受けたもの。ジューコフによれば、ヨーロッパの多くの国ではサポーターを取り締まる何らかの法規制があり、ロシアでもそうしたものを制定することが理に適っていると思われるという。その目的は、単に暴力行為に対する刑罰を導入することだけではなく、サポーターを文明的な方向に矯正し、クラブをそうした課題に取り組ませることにもあると、ジューコフは指摘した。

 記事のあらましは以上のとおり。で、今ふと思ったが、これまでロシアのサッカー会場は、陸上競技場が多く、サッカー専用スタジアムはほとんどなかった。今回事件が起きたモスクワのヒムキ・アリーナは、例外的なサッカー専用スタジアムであり、だからこそアホの投げた危険物がピッチに届いて、選手の怪我に直結してしまったのだろう。これから2018W杯に向けて、ロシアではサッカー専用スタジアムが続々と登場するはずであり、その分だけ選手と観客の距離が近くなる。観客席からの暴力の排除、選手の安全確保は、文字どおり急務である。


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 ある調べ物をしていて、ロシアの都市を鉱工業生産高の大きい順番に並べると、どんな感じになるだろうか?という疑問に突き当たった。ロシアの場合は、州などの地域レベルの統計はかなり充実していて、当然鉱工業生産高のランキングといったデータも簡単に手に入る。しかし、都市レベルの鉱工業生産高となると、ほとんど目にした記憶がない。果たして、そのような資料は存在するだろうか? そう思って、ダメモトで検索してみたら、これが見事にヒット。こちらのサイトに、「地域計画化研究所」という(たぶん)サンクトペテルブルグのシンクタンクが発表した2011年の鉱工業生産高にもとづくロシアの都市ベスト250という資料がばっちり出ている。こんなすごい資料が操作一つで、タダで手に入ってしまうのだから、まったく恐ろしい世の中としか言いようがない。

 参考までにベスト10だけ挙げておくと、以下のとおり(数字は2011年の鉱工業生産高、単位は10億ルーブル)。1位と2位の両首都を除くと、石油の採掘・加工と、鉄鋼業に特化した街ばかりである。

1.モスクワ市:2,076.8
2.サンクトペテルブルグ市:1,827.2
3.ハンティ・マンシ自治管区スルグト市:1,046.1
4.ハンティ・マンシ自治管区ニジネヴァルトフスク市:572.7
5.ペルミ地方ペルミ市:461.5
6.オムスク州オムスク市:459.0
7.バシコルトスタン共和国ウファ市:392.0
8.タタルスタン共和国アリメチエフスク市:348.8
9.ヴォログダ州チェレポヴェツ市:334.8
10.チェリャビンスク州チェリャビンスク市:332.6


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 モスクワのレニングラード大通りは、シェレメチェヴォ空港から都心部に移動する際に通る道なので、外国人の出張者・旅行者にとって身近な通りである。私個人にとっても、1990年代にこの大通りにあるホテル「ソヴィエツキー」に何度か泊まったので、馴染み深い界隈だ。そして、そのホテル・ソヴィエツキーからほど近い場所にあるのが、ディナモ・モスクワの本拠地であるディナモ・スタジアムである。こうした次第なので、私なども、ロシアのサッカー場というと、まずこのディナモ・スタジアムを思い出す。ただ、1990年代はロシア・サッカーの混迷期であり、同スタジアムは洋服や日用品を売り買いする巨大なバザール会場と化していた。私自身、このスタジアムで実際にサッカーを観戦したことはないし、むしろ生活感溢れる場所という印象の方が強い。

 それでも、時は移ろい、2000年代に入るとロシア・サッカーも盛り上がりを見せ、2018W杯のロシア開催も決まった。老朽化の激しいディナモ・スタジアムも、ほぼ全面的に建て直されることが決まった。2008年11月に旧スタジアムのお別れ試合が開催され、スタジアムの改修工事に突入、ディナモ・モスクワは現在は一時的にヒムキ・アリーナを本拠地としている。新スタジアムを2018W杯の会場の一つとして使用するという前提の下、ロシアの政府系大手銀行「VTBバンク」がスポンサーとなり、4.5万人収容の新スタジアム「VTBアリーナ」を2016年までに建設するというプロジェクトが動き出した。

 私は、この8月末から9月初頭にかけて、超久し振りに(15年振りくらいだろうか)、ホテル・ソヴィエツキーに宿泊した。地下鉄に乗るついでに、ディナモ・スタジアムが現在どうなっているか、様子を見てきた。スタジアムの外壁は工事向けに保護シートで覆われており、足場も組まれていて、作業は進捗している様子だった(正面入り口の部分はそのまま残すようだ)。そして、「モスクワ 2018 サッカーW杯」といった文字とともに、スタジアムの完成イメージ図が掲げられており、6年後の夢舞台に向けて着々と歩を進めつつある、そんな様子に見えたのだが……。

 ところが、である。すでに私のブログ/HPでもお伝えしたとおり、VTBアリーナこと新ディナモ・スタジアムは、9月28日のFIFA決定により、W杯の会場から外れてしまった。モスクワの会場としては、決勝戦の行われるルジニキは最初から当確として、スパルタクとディナモの両スタジアムが争う形となり、前者の新スタジアムの方が建設作業が進捗しているとして、スパルタク・スタジアムが当選、ディナモが涙を飲む結果となった。W杯会場から外れたことで、VTBアリーナの規模は3万人レベルに下方修正されるということである。

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ホテル・ソヴィエツキー
ジプシー(ロマ)の出し物で有名

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ディナモ・スタジアム近影

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W杯開催をうたっていたのだが…

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 本ブログ/HPでは、ロシアのサマラ州に設けられたトリヤッチ工業生産特区につき、何度か情報をお伝えしてきた。そして、最新のこちらのニュースによると、トリヤッチ特区でこのほど入居企業に認定された3社による合計の投資総額は、約80億ルーブル(現在1ルーブル=2.56円なので、約200億円)に上るということである。その中には日系の三桜工業による投資も含まれている。

 記事によると、ロシア連邦経済発展省付属の工業生産経済特区専門家評議会は11月16日、トリヤッチ特区への3社の入居を承認した。N.メルクシキン・サマラ州知事によると、その合計投資総額は約80億ルーブルに上り、1,500人分の新たな高度な雇用が創出される。また、先端技術の移転も期待される。

 3つのプロジェクトとは、具体的には以下のとおり。まず、GM-AvtoVAZ社によるシボレーNIVA車向けボディ生産工場(注:本プロジェクトに関してはすでに本ブログ/HPで紹介している)。投資額は62億ルーブル、雇用創出は1,000以上を見込んでいる。2013年春に建屋の建設に着手し、2015年末稼働を予定している。

 次に、日本の三桜工業のロシア子会社である有限会社「サンオウ・ヴォルガ」が、燃料系およびブレーキ系の部品工場を建設するプロジェクトがある(注:これについてもすでに本ブログ/HPで紹介済み)。投資額は7億8,500万ルーブル、新規雇用創出は500名分を見込む。建設開始は2013年、稼働は2014年を予定している。

 もう一つ、ドイツのMubea社のロシア子会社である有限会社「ムベア・コンポーネンツ・サスペンション・ルーシ」が、サスペンション用のスプリングを生産するというものである。投資額は7億2,000万ルーブル、新規雇用創出は100名分を見込む。


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 もしかしたら私がこの世で最も好きな料理かもしれない、御徒町「民華」さんの上中華丼。昔、この界隈に住んでいた頃によく食べたものだったが、この週末に久し振りに食べた。「民華」さんは夜7時に閉まってしまうので、なかなか機会がないのだ。

 この料理には、私の好きな料理のエッセンスが詰まっている。まず、丼なので、一つの器にすべてが乗っており、それをスプーンで一心不乱に口に運べるところが良い。逆に言うと私は、面倒な作業やコツを伴う食事、焼き肉とか鍋とかお好み焼きとかが苦手なのだ。あと、私はどうも具沢山なもの、全部乗せ的なものが好きである。大食漢ではないのだが、色んな具材を食べたいという欲求があり、この上中華丼はそれを見事に満たしてくれる。庶民のささやかな贅沢、890円。


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 引き続き、議会選挙後のベラルーシ情勢に関するV.カルバレヴィチ氏の論評をお届けする。10月19日付のこちらの記事を抄訳して紹介する。

 ここ2週間で、ルカシェンコ大統領は2度にわたり政治システムの改革に言及した。1度目は10月1日に国家機構の改革について述べたもの、2度目は10月11日に政治システムの近代化の可能性について述べたものであり、これは偶然とは思えない。

 ここから言えるのは、政治指導部は、表向きのプロパガンダにもかかわらず、選挙戦の過程で国民から示されたシグナルを正しく受け止め、これを正統性の危機と捉えたということである。そして、次のような厄介なジレンマに直面し、頭を抱えることになった。

 一方では、ルカシェンコは惰性的なプロセスが行き詰っていることを実感している。今しばらくそこに安住することは可能としても、そうすれば正統性の危機がさらに深まる危険がある。もうしばらくしたら、政権は完全に国民から離れてしまう恐れがあり、これを何とかしなければならない。

 しかし、他方では、改革をしようとすると、それがいかなるものでも、さらに危険である。お馴染みの秩序が乱され、均衡が崩れてしまうかもしれないからである。ソ連の崩壊は、1989年の人民代議員選挙で、ほんのわずかな自由を与えたことが発端で生じたということを、ルカシェンコは良く覚えている。2010年ベラルーシ大統領選の、お飾りの、表面的な自由化であっても、12月19日の大規模な抗議行動を招来してしまった。その時に受けた心理的トラウマは、依然として政権側に残っている。

 かくして、政権側は頭を悩ませている。政治における選択は常に難しいものだが、これがベラルーシのように(大統領自身が公言しているように)政治家が1人しかいないという属人化された権力にあっては、なおさらだ。側近たちは考えることを求められておらず、大統領の指令を執行するだけの人々なので、大統領には相談相手もいない。「分析機関」と称するものも、プロパガンダ機関に変質して久しい。まさに選択の状況が、ワンマン体制の問題を深刻化させているのである。

 ルカシェンコ大統領が、10月11日に議会で演説した際に、いつもの彼らしくなかったのは、まさにそのためである。我々は、ルカシェンコが物事を断定的に評価するのに慣れているが、議会演説における彼は歯切れが悪かった。大統領は、比例代表制への移行も検討に値するといったことを述べた。しかし、大統領によれば、ベラルーシには強力な政党が存在しないので、「ベーラヤ・ルーシ」をフランスの社会党のような中道政党に転換するのが一案だ、という。しかし、この物言いは、決断力のある政治家のそれではなく、思索的なインテリのそれである。ゆえに、これからどうなるのか、役人は何をしたらいいのか、政治システムの近代化と称するのが何を意味するのか、誰一人分からないということになる。

 政治学的な術語で言うならば、政治指導部は厳格な権威主義体制から「管理民主主義」モデルへの移行という問題に直面していることになる。権威主義体制の本質には変わりはないが、統治システム、操作のメカニズムがより繊細になるということである。ロシアで、クレムリンが与党の他に野党を作り、政党政治の幻想を演出しているのと同じ形である。

 この課題は、2010年ベラルーシ大統領選の際にも持ち上がっていた。ただ、その際の目的はもっぱら西側からお墨付きを得ることだったが、今回は内政上の事情により差し迫ったものとなっている。国民が選挙を無視しないようにするためには、何とかして国民を巻き込まなければならない。もはや投票所で安いソーセージやウォッカをふるまうことでは、投票所に足を向けさせるのに充分でない。そうかと言って、本物の選挙をやるわけにいかないことは、言うまでもない。必要とされているのは、演劇に例えれば、いわば同じ舞台でデコレーションを変えることである。

 ルカシェンコが本件に関し思い悩んでいるということは、10月8日に彼がベラルーシ共産党のI.カルペンコ第二書記と会談したことからもうかがえる。この席では、「ベラルーシの政党・団体の機能の問題」が話し合われたという。

 ベーラヤ・ルーシを政党に転換し、比例代表制に移行することに、ルカシェンコが不安感を抱いていることは明白である。これは政治システムを複雑化し、より繊細な立ち回りを要求するからだ。

 ルカシェンコは18年にわたり政治システムの単純化を推進し、「首領と人民」という2つの主体しかないシステムを作り上げてきた。政党という形の仲介者は、無用の長物だったのである。これは領邦国家のモデルであり、封建体制に政党の居場所などなかったわけだ。

 ところか現在、この体制との決別を迫られている。政治システムが複雑化することで、機能不全に陥る危険があるが、問題はそれだけではない。ルカシェンコも、その権力機構も、そうした精緻な手法への準備ができていないのである。ベラルーシの現状では、「管理民主主義」への移行は、初期封建主義から後期資本主義へと一気に飛躍することを意味する。それには、多大な制度構築が必要で、たとえば新しい仕組みではどうやって投票を「正しく」数えるのか、選挙管理委員会に再教育したりしなければならない。

 また、権力党を眼目とする新たな体制では、ルカシェンコと競合する存在が生じる。年金が引き上げられた時に、国民が感謝すべき相手は大統領なのか、ベーラヤ・ルーシ党なのか、という問題になる。そうした競合が生じないためには、大統領が入党するか、ロシアのプーチンのように、党首になるということが考えられる。だが、今さら「国父」が党首になど成り下がるということは想像しづらく、ルカシェンコにとっては屈辱ですらある。

 さらに言えば、小選挙区制から比例制または並立制への移行は、選挙キャンペーンのあり方を大きく変える。従来のような地区や地域における生活問題の改善についての公約に代わって、国の今後の発展に関する全国家的なプロジェクト同士が争い合うこととなり、これにより議会選挙が、また場合によっては地方選挙も、一気に政治化することになる。それは政権側が従来の選挙で懸念していたところだ。

 もう一つ、与党という形で新たな官僚組織を形成するためには、資源が必要である。ソ連時代にソ連共産党の維持にどれだけコストがかかっていたか、想起すべきだ。その点、現ベラルーシは資金が尽きかけており、大統領が国家機構の25~30%削減を打ち出したばかりである。この矛盾を、どう解消するのか。

 こうした次第であるがゆえ、ルカシェンコが揺れているのも無理はない。彼は、見せかけの、表面的な改革の用意すら、まだできておらず、いわんや本格的な改革をやである。


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 ホームシアター生活が復活し、「まぼろしの邪馬台国」に続いて観たのが、2011年のジブリ作品「コクリコ坂から」。しかし、ホームシアターで映画を観るのも久し振りだけど、TSUTAYAでDVDやブルーレイを借りるのはもっと久し振りだ。1年振りくらいかな。私はブルーレイはPS3で再生するのだけれど、この「コクリコ坂から」のブルーレイをプレーしようとしたところ、本ディスクを再生するにはPS3のアップデートが必要みたいな表示が出て、その作業に随分難儀してしまった。うちではPS3はプロジェクターでしか再生できないようになっていて、したがって映写する時は部屋は暗闇であり、でもアップデートするには取説読んで色々操作する必要があって、灯りをつけたり消したり、ああでもないこうでもないと、なんかバカみたいでした。

 さて、本作「コクリコ坂から」、例によって作品解説を他からコピーしてしまうと、横浜にあったある高校で、明治に建てられた由緒ある建物をめぐって小さな紛争が起きていた。古いけれど、歴史と思い出のつまった建物。それを取り壊すべきか、保存すべきか。ある高校生の男女が、そんな事件の中で出会い、心を通わせ、助け合って行く。 ふたりが見出した日本の“明るい未来”とは、何だったのか。16歳の海と17歳の俊の愛と友情を横糸に、建物をめぐる紛争を縦糸に、この物語は、まっすぐに生きる高校生たちの群像をさわやかに描いてゆく、というもの。

 で、鑑賞してみたところ、本作はなかなか面白かった。宮崎駿氏の息子の宮崎吾朗氏が監督であり、この人はデビュー作の「ゲド戦記」がアレだったので、どうかなという疑問もあったが、本作は上手く仕上げたのではないかと思う。正直、特別なところがあるわけではなく、既存のジブリの世界観の焼き直しという感じもなきにしもあらずだが、良質なエンタテイメント作に仕上がっており、私は充分に楽しんだ。

★★★★☆


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 ノヴォシビルスク州行政府は、ロシア連邦運輸省と共同で、トルマチョヴォ空港を基盤に、2013年に港湾特区を創設することを計画している。15日、V.ユルチェンコ・ノヴォシビルスク州知事が明らかにした。こちらのニュースが伝えている。

 ユルチェンコ知事によると、特区はトルマチョヴォ空港と、それに隣接する区画によって形成される。ノヴォシビルスク州だけでなく、より広域な経済効果が期待される。トルマチョヴォ空港を利用する旅客・貨物量と、本年に空港の改修が始まり、国内ターミナルと国際ターミナルが連結したことを考えれば、新たなサービスを開始し、新規路線やその他の関連ビジネスを誘致することが必須となる。特区の認定を受ければ、今後の発展にとって不可欠な新たな条件が整備されることになる。具体的には、特別な通関手続き、ノヴォシビルスクのトランジット・ポテンシャルの新たな活用条件である。現在、この点を詰めており、連邦政府と特区創設に関する政府決定を準備しているところ。2013年には文書の形にしたい。以上のように知事は述べた。

 ノヴォシビルスクのトルマチョヴォ国際空港は、シベリア・極東でヨーロッパとアジアを結ぶ諸航路の最大のトランジットポイント。国内線の旅客処理能力は1時間あたり1,800人、国際線のそれは750人。2本の滑走路を有する。2012年の旅客利用者数の見通しは316万人であり、前年比14%伸びる見通し。World Routes Awards 2012において、「2012年のCIS諸国における最良の空港」部門で受賞している。


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 引き続き、議会選挙後のベラルーシ情勢に関するV.カルバレヴィチ氏の論評をお届けする。10月12日付のこちらの記事を抄訳して紹介する。

 ルカシェンコ大統領は、「国家権力機構の改革」の計画を表明した。彼はこれまで再三、強力で効率的な国家こそベラルーシ社会モデルの特徴であると繰り返してきた。それが突然、改革が必要だと言い始めたのである。改革をするということは、上手く機能していないと認めることを意味するわけで、大統領の表明は危機感の表れと言える。原因は2つある。

 第1に、国は深刻な資金難に直面している。対外債務を支払う資金がない。一昨年の経済危機後、ベラルーシの平均賃金は、近隣諸国の2分の1か3分の1の水準に落ち込んでいる。多くの専門家が、より良い賃金を求め、国家機関を去っている。したがってルカシェンコ大統領が、改革の主要課題を公務員の削減とし、残った公務員の賃金を引き上げようとしているのも、偶然ではない。

 第2に、今回の表明は、議会選挙を受けた反応である。いや、正確には議会選挙が台無しになったことへの反応か。いくらL.エルモシナ中央選管議長や国営マスコミが民主主義と国民の政治的成熟について称賛しても、実は大都市の住民が選挙を無視したということは、政権自身が一番良く知っているのである。

 専門家筋では、ついに政権が国民なしで選挙ができる時が来た、公然たる抗議行動さえ起きなければ人々が投票に来てくれなくてもいいと考える向きもある。しかし、ルカシェンコは、長らく「国父」としての役割を果たしてきた大衆迎合政治家として、自分が国民の多数から愛されるのが当然だと思っている。彼は最近もお気に入りのくだり、すなわち彼が初めて大統領に当選した1994年の選挙の時には、病人や障害者すらも彼を支持するために起き上がって投票に駆け付けたという話を披露した。つまり、大衆的な支持があることが、国民の自らへの信任の表れだという定義を、自ら打ち出しているのである。

 ところが、今回の議会選挙は、国民の政権への愛情と信頼が終わったことを示した。大衆迎合政治家にとって、これは精神的なショックであり、個人的な悲劇だ。彼は、何かをしなければならないということは分かっているのだが、具体的に何をすればいいのかがイメージできない。2010年の大統領選で、ミンスクの市民がルカシェンコを支持しなかった時には、プロパガンダ担当のN.ペトケヴィチ、A.ジモフスキーといった高官が解任された。どうやらルカシェンコは、今回も問題は人員にあると考えているようだ。

 大統領には、国家機構をどうしたらいいのかにつき、整理された考えはない模様だ。あるのは直観的な反応だけである。I.シュネヴィチ内相と警察改革について討議した際に、大統領が新たなキャンペーンを表明したのも、偶然ではない。A.コビャコフ大統領府長官をヘッドとする委員会が設置され、何らかの提案をすることになるが、警官の25~30%削減という以外には、今のところ具体的な案は出ていない。

 ここで興味深いのは、ルカシェンコ治世下の国家機構の規模の変遷である。1994年にルカシェンコ候補は、公務員の半減、省庁の半減を公約した。ベラルーシには10~12の省庁で充分というのが、彼の主張だった。就任直後の議会演説では、ベラルーシの庶民はこのように大量の役人は扶養できないと述べていた。この時はルカシェンコは真剣にそう考え、自分のことを役人禍から庶民を守る救世主と思っていたのだろう。

 しかし、間もなくルカシェンコは、国民の幸福と、自らの権力の制限なき強化は、相容れないものだということを悟る。無限の権力のためには、社会生活のすべてを管理下に置く必要があり、そのためには巨大な国家機構が不可欠だ。ルカシェンコの大統領就任から1年後には、早くも国家機構維持費は倍増し、27の省庁が存在するに至った。

 数年後には、壮大な行政機構の体系が築かれ、社会全体を覆い尽くした。現在ベラルーシでは、15の統制機関、9の特務機関が活動している。68の国家機関が、市民を行政責任に問うことができる。経済活動に許可を与える機関は51におよび、喫茶店を開くだけで42の許認可手続きを経なければならない。国家機構同士が重複し、妨害し合っている。

 だが、表明された公務員の25~30%削減に関しては、実現性に疑問を覚える。いったん削減しても、その後また肥大化するだろう。ソ連においても、役人の削減は毎年行われていたが、その総数は常に増大していた。その原理は単純であり、社会に対する全面的なコントロールを旨とする家父長主義的な官僚国家は、その本質上拡張していくものなのである。国家の機能自体を縮小しない限り、表面的にならともかく、本格的に役人の数を減らすことはできない。ところが、ルカシェンコの言動から見る限り、国家の統制機能を放棄するつもりはまったくなく、現に内務省の改革についても、警察の権力を拡大することが想定されている。

 というわけで、実際的な国家機構の改革は、おそらく生じないであろう。第1に、国民向けの見せかけに終わる。ほら、大統領は国民の不満に耳を傾け、けしからん役人を厳罰に処しているだろ、というわけである。第2に、いつ解雇されるか分からないことは、役人に対する牽制になる。第3に、忠実でない役人を粛清できる。なぜなら、正統性が危機にさらされる中で、国家機構は首領の下に団結し、国家政策の正しさについての疑いの余地が一切生じないようにしなければならないからだ。


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 私は、2012年2月に本ブログを立ち上げてから、1日もかかさず更新している。むろん、このブログ自体が自己目的というよりも、本ブログをテコにロシア・NIS情勢をフォローする体制を築き、それを自分の研究活動や所属団体の情報発信に生かすことに目的がある。ただ、そうは言っても、ブログ自体は直接には一文の得にもならず、「我ながらなんでこんな無益なことをやっているのか」という疑問は常に感じている。カネを儲けるということで言うならば、アフィリエイトで小遣い稼ぎをするという方法もなくはないが、そういうあざといことまではしたくない。

 そんななか、先日、興味深い情報に出会った。私のブログが入居しているライブドア・ブログで、「ブログ奨学金」というコンテストがあり、今回のテーマが「海外事情・海外翻訳」だというのである(ライブドア以外のブログも応募できる)。私のブログは、まさにそのようなジャンルに該当するのではないか。アフィリエイトとかステマに手を出そうとは思わないが、もしも私のブログの価値を認めていただき、その価値に対して奨励金をいただけるというのであれば、私としても嬉しいことだ。海外事情を紹介するブログなど星の数ほどあるだろうから、当選する確率は低そうだが、まあ簡単に必要事項を記入するだけでよかったので、先日ダメモトで応募してみたのだった。その結果……。

 残念、落選でした。というか、落選という通知が来たわけではなく、いつの間にかこちらで選考結果が発表されていて、そこに自分の名はなかったという次第。

 まあ、私のブログはお堅い話題の、翻訳記事が多いから。たぶん、もっとヤワラカな、ネタ系のブログで、個性や面白みのあるものの方が、ウケが良いんだろうね。


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 本ブログ/HPでは、10月28日投票のウクライナ議会選については多くの情報を発信したものの、その約1ヵ月前の9月23日に投票が実施されたベラルーシ議会選については、おざなりな記事を1本書いただけで、その後ほったらかしになっていた。まあ、それだけ面白みのない政治儀式ということであり、ご勘弁願いたい。ただ、いかにドラマ性に欠けるイベントとはいえ、さすがに専門家の端くれとして、もう少し掘り下げておくべきだろう。そこで、私の信頼するベラルーシの政治評論家V.カルバレヴィチ氏が現地紙に寄せた論考を、2~3本抄訳して紹介してみたい。まず、こちらのサイトで、選挙直後の9月27日に発表された文章を。

 今回の議会選は最初から、ベラルーシ現代史上最も退屈でつまらない選挙と呼ばれてきた。選挙の結果があらかじめ決まっていることが、専門家だけでなく、一般庶民にとっても明らかだったからだ。

 もしも一昨年の経済危機がなかったら、そんなことは政権にとって何ら問題ではなかったかもしれない。しかし、一昨年の経済危機の結果、政権の正統性は危機にさらされ、社会の政権への信頼は急落している。

 こうして、今回の選挙戦の特徴は、初めてそれが正統性の危機という条件下で進んだことだった。これが主要政治主体の戦術に何らかの影響を与え、戦術が変化すると予想された。だが、政権側は、慣れ親しんだ選挙の実施方法を変える必要はないという結論に至った。当局は、住民を政治的・イデオロギー的に動員するキャンペーンを実施せず、有権者の惰性、集票マシン、万能の行政的テコに訴えることにした。つまり、選挙を極力静かに、目立たないようにし、お馴染みの退屈な儀式にしたのである。もしかしたら、彼らの利害から言えば、これが一番賢明な作戦だったかもしれない。社会を政治化すると、住民の政治への不信が高まった局面で、支配層が厄介な問題に直面する危険があるからである。

 というわけで、政治指導部は、住民から否定的に見られることに、実質的に慣れ始めている。真に人民的な権力という1990年代のベラルーシ国家の中核的なイデオロギーは、いつの間にか忘れ去られた。今回の選挙戦における政権当局のプログラムは、年末までに平均賃金を500ドルに引き上げるという一点に尽きた。政権の社会へのメッセージは単純極まりなく、「我々を愛してくれなくても、尊敬してくれなくてもいい。いつものように投票所に来て投票をするという儀式だけ黙ってやってくれれば、それで充分」というものだった。

 政権にとってのもう一つの課題は、選挙の非自由化をすること、2008年や2010年の選挙の時に西側との関係を改善するために余儀なくされた民主化のお遊びに終止符を打つこと、選挙戦を元の木阿弥に戻すことだった。だが、そこで別の問題が浮上する。非政治化、脱動員化を進めながら、誰にとっても必要でない議会の、誰にとっても必要でない選挙のために、どうやって人々を投票に向かわすことができるのか。しかも、野党の大多数も、ボイコットを呼びかけていたのである。

 選挙の結果は、政権がこの課題の遂行に失敗したことを示している。中央選管は投票率を74%と発表したが、真に受けることはできない。選挙監視員によれば、実際の投票率はその半分くらいだったというし、投票所にはほとんど人影が見られなかった。ミンスクやその他の大都市では50%を切っているはずで、選挙は成立していない。こうして、選挙を無意味な飾り物にしたことで、政権は人民からしっぺ返しを食らったわけだ。

 政権側はおそらく今回、通常以上の行政的圧迫を加えるのはまずいと考えたのだろう。ベラルーシ国内の暮らし向きは相変わらず厳しく、各地で賃金をめぐる紛争が多発しており、これにさらに投票に動員するあからさまな圧迫を加えたら、事態は予測不可能になる。

 考慮すべきもう一つの要因は、「市民の義務」を唯々諾々と果たすソビエト的な有権者の世代が、退場しつつあることだ。確かにベラルーシでは政治文化、政治意識が再生産されているのも事実だが、それには一定の限界がある。新しい世代のベラルーシ人は、より視野が広く、現実の受け止め方が異なる。ゆえに、人々を選挙に駆り立てるのに、より強いモティベーションが必要になっている。

 議会選挙の公式結果と、実際の投票との乖離は、独立ベラルーシ史上最大となった。それはテレビ局のプロパガンダで覆い隠せないほどである。これまでも独立系の世論調査で国民の政権への不満は知られていたが、それが選挙という形で初めて表面化した。これが政権にとってのもう一つの挑戦である。ただし、政権がそれを、解決すべき問題と捉えるかは、別問題である。現在のところ政権は伝統的な方法、すなわちミンスクで独立系の選挙監視員20名を逮捕するという方法で対処している。

 ベラルーシ史上初めて、統一市民党とベラルーシ人民戦線という有力2野党が、候補者の立候補を取り下げ、有権者に選挙ボイコットを呼びかけた。野党は選挙のボイコット、ひいてはベラルーシの選挙の意味というものを、議論の俎上に上せることに成功した。政権側はこれに神経を尖らせ、国営マスコミは野党のボイコットを執拗に非難した。野党の呼びかけが実際にどの程度投票率の引き下げに効果があったかは不明だが、そのアピールが有権者のムードと合致したことは確かである。

 ただし、全体として今回の選挙戦における野党の活動を評価するならば、大成功だったとは言いがたい。ボイコットに関して一枚岩ではなく、政権との対決よりも内部対立の方が目立ってしまった。ボイコット派も、参加派も、選挙後の戦略を描けなかった。選挙を局所的な、単発のものと捉え、今後に繋げる長期的なビジョンがなかった。その結果、野党は今回の選挙戦を来たる大統領選の基礎とすることができず、大統領選はゼロからの出直しを余儀なくされることになった。


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 こちらのサイトによると、ロシア連邦政府の極東発展省は11月14日、極東連邦管区の生産プロジェクトのうち、国の関与がなければ実現が不可能な優先的生産プロジェクトの一覧を制定した。具体的には、以下のプロジェクトが指定された(一部プロジェクトの区分が不明確だが、悪しからず)。

●「東方ガス・プログラム」。

●大豆クラスターの創設。年間最大20万tの処理能力を有する大豆加工工場を建設する。

●南ヤクーチヤ総合開発。石炭の増産、タエジノエおよびデソフスコエ鉄鉱石鉱床、セリグダルスコエ燐灰石鉱床、ウラン鉱床の開発、金の増産、運輸・電力インフラの整備を見込む。さらに、ヤクーツク・ガス採掘センター~ハバロフスク~ウラジオストク・ガスパイプラインの建設、チャヤンダ石油ガスコンデンセート鉱床の建設、チャヤンダのガスからヘリウムその他を分離する加工施設の建設などが計画されている。

●カムチャッカ地方では、廃棄物の出ない環境に優しいイノベーション的な魚・海産物加工の生産複合体の創設を計画。また、アメチストヴォエ、クムロチ、クングルツェフスコエ鉱床における金採掘場の建設。

●沿海地方では、石油化学複合体、液化天然ガス工場、2箇所の造船所(ハイテク民間船舶、大陸棚開発向けの機器を生産)の建設を見込んでいる。

●ハバロフスク地方における木材加工コンプレクスの発展と、ワニノ製油所の第2期工事。

●マガダン州のナタルキンスコエ鉱床における金抽出工場の建設。

●サハリン州における木材加工複合体の創設と、石油ガスの諸プロジェクトの実現。


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20121116yamataikoku

 一昨日の水曜日に有給休暇をとり、数か月ぶりに自宅でホームシアターとしゃれ込んだ。ホームシアターは電力を食うので、夏場は自粛していたのだ。

 で、観た作品が、2008年の邦画「まぼろしの邪馬台国」。前から観てみたいと思っていた作品だった。YAHOOのサイトから作品解説をコピーすると、昭和40年代の日本に邪馬台国ブームをもたらした目の不自由な文学者・宮崎康平と、彼を支え続けた妻・和子のきずなを描く感動ドラマ。監督は『明日の記憶』の堤幸彦。邪馬台国を探し出すことに執念を燃やす一方、とっぴな行動で注目を集めた康平を竹中直人が演じ、どこか憎めない康平に惹(ひ)かれ、二人三脚の人生を歩む和子を吉永小百合が演じる。九州の美しい大自然を舞台に描かれる、太古のロマンを追い求めた夫婦の愛の物語を堪能したい、という作品。

 でも、ちょっと完成度低かったな。ちょっとドタバタ劇に振れすぎており、個人的にはもうちょっと品の良い作品に仕上げてほしかった気がする。吉永小百合と竹中直人という配役も無理があるような気がしたし。夫婦が、邪馬台国を求めて九州各地にフィールドワークに出かけるのだけれど、幼い子供が2人いるのに、留守中は子供をどうしていたのかとか全然描かれていない。むしろ研究と子育てとのジレンマとか加えたら、物語がもっと深くなったのではないかという気がする。ディテールにこだわっていない、雑な作りのように思われた。映画が終わって、監督の名前を見たら、ああ、あの人かということで、納得してしまった。

★★☆☆☆


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 こちらのニュースによると、ロシア・ウラル管区のチュメニ州に、工業生産経済特区を設立する構想が進んでいるということである。特区構想は2011年にV.ヤクシェフ・チュメニ州知事が打ち出した。2012年7月にチュメニ州行政府は連邦政府の経済発展省に特区設立の申請を行った。特区は3つの区画から成り、うち2つはトボリスク市に、残りの1つは州都のチュメニ市に所在することになる。行政としては、州への投資誘致と、トボリスク・ポリマー社の一層の発展を目標に掲げている(注:トボリスク・ポリマー社とは、ガスプロム系のシブール社の子会社であり、トボリスクでポリプロピレンを生産するプロジェクトを推進している)。このほど、トボリスク市内の100haの土地が特区向けに割り当てられたほか、現在はインフラ関係の設計が進められているところである。また、チュメニ~トボリスク間の鉄道輸送能力の増強、両都市を結ぶ道路の橋梁改修が進められる。シブール社の生産する化学品を加工する各企業が、特区への入居を検討している。O.ザルバ副知事によれば、シブールのプロジェクトだけでトボリスクに1,700人の新規雇用が創出され、関連部門も含めれば6,000~9,000人分の雇用創出が期待されるという。


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 2014年ワールドカップ・アジア最終予選の第5戦、日本はオマーンを敵地で2:1と撃破し、ブラジルW杯出場をほぼ確実なものとした。

 まあ、勝ったのは良かったが、日本代表よりもJリーグの方に強く思い入れている私としては、色々と複雑な思いもある。日本代表チームが、海外組中心になって久しい。今回の日本代表チームには、現在J1で上位争いをしているチーム、すなわち上位5チームから、1人しか選出されていなかった。それも、広島のGK西川が第3キーパーとして選ばれているだけだから、実際にゲームに出る可能性はほぼゼロに近い。そんな具合だから、中東でW杯予選の激闘が戦われたわずか3日後の今週土曜日に、現在佳境のJリーグ第32節が開催されても、優勝争いにはあまり影響しないということになる。

 まあ、日本の主力選手が軒並み海外に流出し、日本代表とJリーグが乖離するということ自体は、別に不思議ではない。諸外国でも、そのようなケースはあると思う。しかし、もっとおかしな珍現象は、Jリーグでもっと下位のチームは、代表選手を意外と輩出しているという点。9位のFC東京から2人、10位のジュビロ磐田から2人、そして16位のガンバ大阪から2人……。特に、ガンバは現在J2降格圏に喘いでおり、一つも落とせない厳しい戦いが続く中で、昨日のオマーン戦に今野はフル出場、遠藤も90分以上プレーしている。普通に考えれば、はるばる中東から帰国して中2日の国内リーグ戦に出場するなどというのは、まず不可能だろう。降格圏のチームにこそ、代表戦の負担が重くのしかかるとは、何とも皮肉だ。ちなみに、ガンバ大阪の土曜日の対戦相手は、我が清水エスパルスである(現在5位だが、もちろん代表選手ゼロ)。


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20121114jiro

 一昨日の月曜日が、私が編集を担当している『ロシアNIS調査月報』の締切日だった。それに向けて、土曜日も日曜日も、自宅に居ながら、普段の労働日以上に働いてしまったので、その代わりに本日は休みをいただいて、自宅でぼーっとしている。

 我が家の最寄駅は、京成線の千住大橋駅という、超マイナーな駅。駅前には恐ろしく何もなく、食事をするような場所もきわめて乏しい。そんななか、唯一、遠方から食べにきたりする人もいるのが、駅前にあるラーメン二郎の千住大橋駅前店である。ラーメン二郎というのは前々から噂は聞いていて、千住大橋駅前店でも常に行列できているので、その横を通るたびに気になってはいたが、これまで入ったことはなかった。並んでいる人たちがいかにもラーメン・マニア然としており、大してラーメンが好きでもない当方としてはやや気後れするところがあった。ただ、本日は平日昼間で空いていたので、初めてここで食べてみた。

 ラーメン二郎というのが、こってり味が特徴で、かなりボリュームがあるという話は聞いてはいたが、噂に違わぬすごい食べ物だった。「小・豚」というのを頼んだのだけど、それでも麺は通常の倍くらいある感じで、3分の1くらい食べ残してしまった。チャーシューも、スライスと言うよりは、塊をいくつかに切り分けたものがそのまま乗っているという感じで。ラーメンを味わうというよりも、豚の丸焼きと格闘しているような、そんな気分だった。客は見事に全員が男性で、さもありなんといった代物だ。まあ、一度どんなものか試してみたかったから行ったけど、二度目はないだろうな。


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 企業や地域のランキングが三度の飯より好きというこの私だが、大好物のランキング資料がまたもや発表された。「ロシア・エンジニア同盟」という団体のこちらのサイトに、「2011年ロシア都市魅力総合ランキング」という資料が出ている。なお、この団体のドメインはロシア語になっており、ロシア語ドメインのウェブサイトというのは個人的に初めてお目にかかったが、開くためにはしかるべき言語設定が必要なようなので、悪しからず。

 このランキングは、ロシアの164の都市を対象とした、かなり網羅的なものである。人口10万人以上の都市をすべて取り上げているが、トムスク州セヴェルスク市だけは閉鎖都市ゆえ統計資料が得られず対象外となった(セヴェルスクは核処理施設のあるヤバイ系の街であり、以前私のHPでも取り上げたことがある)。164都市につき、1.人口数の増減、2.運輸インフラ、3.自然・環境ポテンシャル、4.手頃な住宅、5.住宅サービス(電力供給や暖房・給湯など)、6.人口動態、7.イノベーション活動、8.公共インフラ、9.人材、10.社会インフラ、11.社会の特質、12.住民の豊かさ、13.市の経済、という13項目の状況を指数化し、それを集計して総合指数を弾き出して、順位付けしているものである。

 ベスト10だけ記しておくと、以下のとおり。
1.モスクワ
2.サンクトペテルブルグ
3.ノヴォシビルスク
4.エカテリンブルグ
5.ロストフナドヌー
6.カザン
7.クラスノダル
8.ヴォロネジ
9.クラスノヤルスク
10.ウファ

 ロシアを代表する大都市が上位に名を連ねており、ちょっと「当たり前」という感じもするが。

 ノーヴォスチ通信のこちらの記事が、本ランキングに関するロシア・エンジニア同盟の専門家のコメントを紹介している。専門家は、単一の生産に依存する諸都市(いわゆるロシア語で言うモノゴーラド、企業城下町)、北カフカスの諸都市で不況の度合いが高いと指摘しているが、それもまあ当たり前だろう。


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 こちらのサイトで、O.ゴルブノフという評論家が、ウクライナにおける最高会議選挙を経た今後の地域党政権内部の派閥抗争についての展望を示しているので、それを要約しておく。

 11月8日にウクライナ中央選管はようやく開票を終えた。勝利したのは地域党であり、同党は共産党、小選挙区の無所属議員とともに、議会における多数派を形成することになる。

 西側はすでに選挙結果を事実上承認している。一部批判的なコメントも聞かれるが、それはティモシェンコ事件以降は、いつものことである。そのことを考慮すると、ウクライナ政府は今後、欧州統合路線の継続、すなわち自由貿易協定を含む連合協定の調印に注力することになる。関税政策、ウクライナ領を通過する貨物のトランジット、ビザの簡易化、欧州の投資家のウクライナ市場へのアクスなど、調整すべき点は多岐にわたる。ウクライナ市場がより透明なものとなるよう、EU側はL.クチマ大統領の時代からウクライナに行政改革や司法改革を求めており、その一層の推進を迫るだろう。

 ウクライナ側は、S.リオーヴォチキン大統領府長官をヘッドとして、憲法会議を開催しており、2015年までに憲法に大幅な修正を加えることを検討していて、それによりEUの求めに応えようとしている。

 というわけで、西側との政治交渉を担う役割は、引き続きリオーヴォチキン長官に委ねられることになりそうだ。リオーヴォチキン長官は、大富豪のD.フィルタシ氏をパトロンとし、新たな議会においてUDARの議員からなる「自らの」非公式な会派を設けようとしており、一部の地域党の比例・小選挙区議員もそれに加勢すると見られる。

 国家安全保障・国防評議会書記で、ウクルピドシプニク社を中核とする財閥の総帥でもあるA.クリュエフ氏の立場は、揺らぐことになった。同氏は、比例名簿とその得票に責任を負っていたわけだが、比例区の得票は伸び悩み、野党連合「祖国」に10%程度の差をつけることが要請されていたにもかかわらず、その差はわずか4.5%にとどまった。

 引き続き、閣内の要職は、V.ヤヌコーヴィチ大統領に近い3大派閥の間で分配されることになる。それは、R.アフメトフ氏の財閥SCMの派閥、DFグループのD.フィルタシ氏の派閥、そして大統領の長男O.ヤヌコーヴィチ氏を中心とする「ファミリー」である。前2者が以前から存在しているのに対し、最後の派閥は比較的新しい。ファミリーは、今回の選挙戦の結果に付け込み、現中銀総裁のS.アルブゾフを、自分たちの代表として新首相に据えることを狙っている。同氏はすでに、本年9月に米ワシントンに出かけ、「お披露目」を済ませている。

 ヤヌコーヴィチ・ジュニアの影響力拡大を、古い2派閥は全力で抑えにかかるだろう。一説によると、ファミリーとアフメトフ派の対立により、アフメトフ派がすべてのポストを失う可能性もあるという。とりわけ、B.コレスニコフ副首相・インフラ相と、R.ボハティリオーヴァ保健相の処遇が焦点となる。

 だが、フィルタシ派の境遇も、同じくらい不透明である。前出のリオーヴォチキン大統領府長官に加え、Yu.ボイコ・エネルギー相、ウクライナ経済の浮沈を握る西側からの借入に責任を負うV.ホロシコウシキー第一副首相らの処遇が注目される。というのも、フィルタシは、新たな議会で数十人の議員を影響下に置いたという手応えを掴んだら、攻勢に出るはずだからだ。それらの議員たちとの同盟関係は、憲法改正が可能な300議席を達成する上で、死活的に重要である。

 もしもヤヌコーヴィチ大統領が政府の要職にアフメトフ派とフィルタシ派を留任させれば、政策的な変化は一切生じないだろう。アフメトフとフィルタシが、お互いを牽制し合う格好となり、両者とも現状維持を望む。

 それに対し、より大きな変化を起こしたいのが、ファミリー派である。ファミリー派の官僚やビジネスマンたちは、まだアフメトフ派やフィルタシ派に比肩しうるような資産や影響力を手にしていないからである。しかしながら、ファミリーは自分たちを欧米で売り出そうとしているものの、欧米の側はファミリーとの協力には乗り気薄である。所詮ファミリーは、これまでのヤヌコーヴィチ大統領やM.アザロフ首相らのように、西と東を天秤にかけようとするという風に、欧米は見ているからである。

 結局のところ、ヤヌコーヴィチ大統領にとって最も合理的なやり方は、政府のポストを表面的にいじるということである。そして、大統領に忠誠を誓うアザロフ首相に、引き続き各派閥を統制させることだ。だが、ファミリーの影響力がこれから着実に強まっていけば、遅かれ早かれ政権内部の対立が激化し、そのことは2015年大統領選を前にして地域党を分裂させることになりかねない。


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20121111uaelectionresults

 10月28日投票のウクライナ最高会議(議会)選挙の結果を、改めて表にまとめてみた。比例区については、昨日のエントリーで報告したとおりである。小選挙区については、これまたおかしなことに、ウクライナ中央選管のウェブサイトを私がざっと眺めた限り、政党ごとの獲得議席数の具体的数字が掲載されていない。日本語版のウィキペディアに小選挙区の議席数が出ていたが、それは投票直後の暫定的な数字のようである。そこで、選管のサイトに出た最終的な開票結果にもとづき、私が自分で集計して、上掲の表のような数字を出した。

 すでに開票はすべて終わっているわけだが、中央選管は疑問の生じた5つの選挙区については「結果を確定することが不可能」と称し、再選挙を実施するという結論を11月5日に下している。それに関し、こちらのニュースなどによると、野党連合「祖国」側は選管の決定に異を唱えているということであり、この点でまだ流動的な要素が残っている。


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 10月28日に投票が行われたウクライナ最高会議(議会)選挙は、暫定的な開票結果こそ明らかになっていたものの、なかなか最終的な確定結果が発表されなかった。その後に行われた米大統領選の方が、あっという間に開票が終わり、ウクライナの選挙は追い越されてしまった感じだ。で、ウクライナ中央選挙管理委員会のウェブサイトを見たところ、ようやくこちらのページに比例区の最終結果が掲載されていた。ところが、このページには各党の得票数と得票率こそ掲載されているものの、肝心の獲得議席数が出ていない。各種の報道などを眺めても、目に付くのは得票率ばかりで、獲得議席数を伝えているものがすぐに見付からず、イライラさせられた。

 ようやく、インターファクス・ウクライナのこちらのページで、獲得議席の数字を見付けることができた。しかし、このニュースでも、獲得議席数につき、「専門家らによる暫定的な推計によれば」などという但し書きを加えている。議席割り当てのルールはあらかじめ決まっているはずなのだから、得票率が出れば自動的に議席数も出るはずではないだろうか。どうも妙である。ともあれ、これらにもとづき、1%を超えた主な党の得票数・得票率・獲得議席数を、以下のとおりまとめておく。議席数は比例区だけであり、小選挙区は含まない。

1.地域党:6,116,746票:30.00%:72議席
2.野党連合「祖国」:5,209,090票:25.54%:62議席
3.UDAR:2,847,979票:13.96%:34議席
4.共産党:2,687,250票:13.18%:32議席
5.「自由」:2,129,920票:10.44%:25議席
  以下、足切りラインを下回る
6.進めウクライナ:322,209票:1.58%:0議席
7.我らがウクライナ:226,493票:1.11%:0議席
8.ラディカル党:221,144票:1.08%:0議席


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20121110mobile

 これ、私の携帯電話。4年前の今頃買った、(当時の)ソニーエリクソンの製品。私は携帯電話が嫌いというか苦手で、自宅の黒電話が壊れたのを機に、2008年に初めて導入した。まあ、次に買うのはまずスマホだろうから、この機種が私が生涯に買う唯一のガラケーになるのかもしれない。

 で、最近の電機不況に関する話題の一環として、ソニーの美濃加茂工場(岐阜県美濃加茂市)が閉鎖されるというニュースが報じられた。たとえば、こちらの岐阜新聞のサイトなどで事のあらましが伝えられている。ソニーにとってこれが国内唯一の携帯電話生産基地だったようなので、おそらく我がガラケーもこの工場で造られたのだろう。行ったこともない土地とはいえ、そう考えると、工場閉鎖は少々寂しいような気がする。

 私の研究テーマの一つに、ロシアにおける企業城下町の経済・社会問題というのがある。でも、考えてみれば、地方の小都市が特定の企業に全面的に依存しがちなのは、日本でも同じ。上掲の岐阜新聞が伝える美濃加茂の実例からも、その深刻さが伝わってくる。残念ながら、現実的に考えれば、今後日本ではこの美濃加茂のようなケースが増えてくるのかもしれない。


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 11月6日、米国大統領選の投票が実施され、現職のオバマ大統領が再選を決めた。NHKなどを通じて、現地の報道を眺めていて、当たり前のことながら、ロシア・ウクライナ等の選挙およびその報道とは随分様子が違うなあと実感した。ロシア・ウクライナなどでは、まず注目されるのは、1.投票率と、2.不正の有無であり、マスコミの選挙速報などもまずその点を取り上げる。まあ、ロシア・ウクライナ圏では開票作業が遅いので、まず投票率という比較的すぐ出る数字を取り上げることは、理解できる。しかし、報道振りを見ていると、選挙そのものの結果よりも、不正の問題の方が焦点になっているような感じすら受ける。まあ、政権与党が、政権の座にあるアドバンテージをフルに活用して、なりふりかまわず勝とうとするというパターンなので、どうしても勝負よりも不正の方に注目が行ってしまうのだろう。それに対し、今回の米大統領選の報道を見ると、不正に関する話などまったく出てこないし、私がテレビを観た範囲内では、投票率に関する言及も一度もなかった。あと、米大統領選が、とことんまでエンターテイメント化されているのも、改めてすごいなと思った。単なる政権の選択だけじゃなく、紅白歌合戦的な国民的娯楽行事になっている。

 せっかくだから、米大統領選とロシアとのかかわりに関して、一つ話題を提供しておこう。こちらのニュースによると、ロシア大統領付属の企業家権利擁護全権代表であるB.チトフは、オバマの米国国民経済発展構想は、ロシアにとっても有益であるとコメントした。7日トムスクで開催されたフォーラムで発言したもの。チトフによると、オバマ大統領が米国向けに示している提案をロシアに適用すれば、ロシアも迅速に発展できる。オバマは経済分野で、国内市場および製造業の発展、高度な職の新規創出を唱えている。そうしたものをロシアに適用すれば、2年後には大きな効果が出て、GDPは年率10%以上成長するだろう。今日オバマは、まず何より工業、生産を発展させることを課題として掲げ、米国企業が生産拠点を国外に移すような脱工業化社会の論理を捨て、国内の製造業での雇用を増やそうとしている。オバマは企業減税と、投資の誘致を目指している。ロシアでは、中国・ブラジル・インドといった外国のライバルと比べて内需が力強く、ロシアはそうした国々と切磋琢磨しつつブレークスルーが可能である。チトフは概要以上のように述べた。


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 私は2002年にロシア・ノヴゴロド州でいくつかの企業を訪問して回る機会があった。日本政府が対ロシア支援の一環としてロシア企業へのコンサルタント派遣事業を実施しており、その対象となる企業を発掘・選定するのがその目的だった。その時の見聞は、「ロシア・ノヴゴロド州企業訪問記 ―大市場の狭間で芽生えるニッチ産業たち―」『ロシア東欧貿易調査月報』(2002年4月号)というレポートでまとめた。

 その際に調査した企業の一つに、「ガロ」というところがあった。上掲のレポートの中から、ガロ社についてまとめた部分を、以下抜粋して紹介する。

 「ガロ」社は1957年に設立された比較的歴史のある企業で、当初から自動車・ガレージ関連の保守機器を生産していた。1992~1993年に民営化が実施され、アレクセエフ現社長をはじめとする8人の投資家が企業を買収した。今日では、ドイツ「ホフマン」社の技術を利用したブレーキ・テスターが、同社の主力商品となっている。

 アレクセエフ社長によれば、ロシアでは毎年300万台の新車が売れるが(先方発言のママ)、自動車市場の急拡大に比してサービス部門が追い付いていない状況であり、したがってこれは無限の市場だという。現時点でロシアのブレーキ・テスターの市場規模は2,000万ドル程度であり、国内に7~10社のコンペティターがあるが、ガロ社は約20%のシェアを確保している。主な需要家は内務省(つまり警察)、自動車関連サービス業者の由。

 ガロ社が販売しているブレーキ・テスターには、ホフマン社から完成品を輸入しているものと、ホフマン社から技術供与を受けて(部品も30~50%が輸入)現地生産しているものとがあり、後者の方が数的には多い。いずれも、ホフマンではなくガロ・ブランドで販売している。

 ガロ社では、ブレーキ・テスター市場の国内競争が激しくなってきていることから、他の自動車保守関連機器の生産にも手を広げて多角化を図りたいと考えている。そのために、ホフマンと同じような形で提携に応じてくれる日本企業を見付けてほしいというのが、先方の所望であった。

 以上がレポートのまとめであった。実は、その後ガロ社は我々の支援事業の対象企業として選定されなかった。すでに自力でもかなり成功している企業だし、日本の提携相手を見付けてほしいという先方の所望は、経営コンサルを旨とする日本側の事業の趣旨とは合わなかったからである。ただ、ノヴゴロドでの企業訪問は私にとって印象深い仕事だったので、ガロ社を含め、あの時見て回った諸企業はその後どうなったのだろうかというのは、今でも気にかかっているのである。

 で、何で突然こんな話を始めたかというと、先日モスクワで「インターアフト」という自動車関連産業の見本市を見学した際に、不意にガロ社の展示に出会ったからである(写真)。なかなか立派な展示であり、我々が手助けすることこそできなかったものの、10年前に訪れた会社が立派に成長をしている様子を見て、嬉しく思ったという次第だ。今調べたら、ガロ社のウェブサイトは、新しいURLに移行していた。

 PS:なお、当該の見本市「インターオート」の総括資料を読んでいたら、ガロ社が見本市で「最優秀国産自動車保守設備生産者賞」を受賞したということが書かれていた。めでたいことである。

ガロ

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 ウクライナのウニアン通信のこちらの記事が、議会選挙を受けた内閣の人事刷新についての観測を伝えているので、要旨を以下のとおりまとめておく。

 法律上は、新しい議会を選出したからといって、政府を刷新する必要はないのだが、その話題はこのところ専門家たちによって盛んに取沙汰されていた。その際に、人事の最終的な決定権がV.ヤヌコーヴィチ大統領にあることは、周知の事実である。ただ、議会選挙後の政権内部の闘争の行方は、選挙そのものに劣らず重要である。なぜなら、内部対立が激しくなるほど、大統領選の時期が近まってしまうからである。ヤヌコーヴィチは頻繁に政権内部の火消を余儀なくされており、その一環として人事を使っている。来たるべき内閣改造も、その一環となる。

 その点で、最も興味深いのは、社会政策担当副首相のS.チヒプコの立場である。彼は、内閣のメンバーを半分入れ替えるというような失言をしている。専門家のV.ネボジェンコによれば、議会の議長になったりするよりも、現職に留まることを望んでいる。チヒプコは、結局のところ政治家というよりも銀行家であり、副首相の方が資金面で恵まれた立場にある。チヒプコが議会議長に意欲を見せたのは、冗談にすぎない。チヒプコはドニプロペトロウシクのオリガルヒであり、地域党は彼をドネツィク有権者の利益の表現者にするつもりは決してない。2010年の大統領選の時と同じように、首相になる野心を持っているチヒプコにとって、議長ではなく一議員の座に甘んじることは、受け入れられない。ゆえに、チヒプコは閣内に残留することに全力を尽くすだろう。危機の時代には、ビッグビジネスは財政の周りに群がると、ネボジェンコは言う。

 他方、M.アザロフ現首相は、事情が違う。官房での仕事の経験が豊富で、政治的野心を持たないことは、首相の美徳だが、それは政治家というよりも官僚としての美徳だ。現状ではアザロフは、地域党にとっても、大統領にとっても、支持率の足を引っ張る存在になっている。アザロフが地域党の広告塔の役割を外されたのも、無理はない。ただし、アザロフ首相の退陣をもたらす可能性があるのは、むしろ別の問題である。前出のネボジェンコの指摘によれば、ロシアとの対立が抜き差しならない状態になっている。ウクライナの首相の最も大事な仕事は、次の年のガス価格につきロシア・ガスプロム社と合意することであり、歴代の首相はすべてそれをしてきたが、一人アザロフだけがそれを成し遂げていない。ゆえに、ヤヌコーヴィチはアザロフを年金生活入りさせざるをえない。誰もアザロフを血祭りに上げようというわけではないが、アザロフが2年間で問題を、とりわけロシアとの関係を解決できなかったことは重いと、ネボジェンコは言う。

 問題は、いつアザロフ首相が退任するかだが、多くの専門家は年内はないだろうとしている。ただ、すでに候補者は多数挙がっており、上述のチヒプコ、V.ホロシコウシキー第一副首相などもいるが、最も有力視されているのがS.アルブゾフ中銀総裁だ。ヤヌコーヴィチ大統領との関係が良いことに加えて、アルブゾフは中銀総裁の職務を大過なく果たしており、何より選挙まで為替を安定させるという至上命題を果たした。一方、A.クリュエフ国家安全保障・国防が首相になるという説もあるし、またクリュエフがアルブゾフ首相の下で第一副首相を務めるという説もある。

 閣僚の中で、退任が確実視されているのは、V.バローハ非常事態相、P.ポロシェンコ経済発展・商業相、A.ブリズニューク地域発展・建設・住宅公営事業相である。このうちポロシェンコは、小選挙区から議会選に出馬しており、議員への転身が有力視される。前出のネボジェンコによれば、小選挙区の情勢次第であり、もしも同志たちが多く当選したら彼らとともにすぐに議会に移るし、芳しくないようであればもうしばらく閣内に留まる可能性もある。ポロシェンコの後任候補としては、I.アキモヴァ大統領府第一副長官の名が挙がっている。

 D.タバチニク教育相、O.ラヴリノヴィチ法相も退陣説があるが、彼らに関しては、自ら退任を申し出ない限り、残る公算が大きい。

 一方、留任が確実視される閣僚としては、M.プリシャジニューク農相、B.コレスニコフ副首相・インフラ相、V.ホロシコウシキー第一副首相、V.ザハレンコ内相、E.スタヴィツィキー環境・天然資源相、Yu.ボイコ・エネルギー相、D.サラマチン国防相、Yu.コロボフ蔵相らがいる。

 R.ボガティリョヴァ副首相・保健相に関しては、R.アフメトフの派閥であり、ヤヌコーヴィチが彼女を解任し政権内のバランスを崩そうとするとは思えない。ボガティリョヴァは保健改革に手腕を発揮しておらず、先日の経済改革会議で大統領から咎められる一幕もあったが、それは解任の予兆というよりは、警告だったと考えられる。

 K.フリシチェンコ外相の立場は、より微妙だ。ティモシェンコ事件に関し諸外国に政権の立場をPRすることに失敗し、EUとのサミットがお流れになった責任を問われている。地域党の比例名簿9位という高い順位で外交官のL.コジャルィが選挙に出ていたことが注目され、あるいは同氏がフリシチェンコに取って代わるかもしれない。


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 私のブログ/HPでは、ロシアのナノテクノロジー関連の国策会社「ロスナノ」のことを、何度か取り上げている。そのロスナノが、米大統領選の共和党候補であるミット・ロムニー氏がかかわる会社に、新たな戦略の策定を発注したことが明らかになった。ロスナノのA.チュバイス社長が明らかにした。こちらの記事が伝えている。

 記事によると、発注先は国際的なコンサルタント会社であるBain & Company(ベイン&カンパニー)であり、ロスナノが実施した入札においてベイン社のモスクワ事務所が落札を果たした。ロムニーは1977年(78年?)にベイン社に迎えられたが、現在どれだけの株式を保有しているかは不明ということである。ロスナノは戦略策定作業に対しベイン社に4,640万ルーブルを支払う(現在、1ルーブル=2.54円)。今回の入札に当たっては、Boston Consulting Groupが3,750万ルーブルというより低い価格を提示したが、ベイン社の示した納期および実績が買われ、ベイン社に白羽の矢が立ったという。


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 先日、季節の風物詩のようになったApple社の新商品発表があった。今回の目玉は、かねてから予想されていたように、7インチのiPad miniの登場。しかし、個人的にはこの春に第3世代のiPadを買ったばかりで、それを持っていれば少なくとも1年くらいは最新鋭モデルのオーナーという優越感に浸れるはずだし、「画面大きい方がいいもんねー。7インチなんか興味なし」という気持ちでいた。

 そんなわけで、10月23日の発表は、自分とは関係のない話だと思っていて、大して情報もチェックしていなかったのだけど。しかし、AV Watchというサイトで、西田宗千佳さんのこちらのコラムを眺めていたら、予想外のことが書かれていた。今回、iPad miniだけでなく、「第4世代iPad」も発表されたというのだ。一般のニュースはほとんどミニの方の話題に費やされていたので、そんな話は寝耳に水だった。コラムによると、新型は処理能力が高速化し、しかもLTEに対応するらしい。

 西田氏のコメント、「第3世代iPadの(製品として展開された)寿命の短さには、色々切ないものを感じる」というのを読んで、自分が負け組になったらしいことを悟った。まあ、私としては、そんなに高速処理を要するような使い方はしていないので、現状それほど不便を感じていないのは事実なのだが。しかし、あれだけもてはやされた第3世代を買って、わずか半年あまりで陳腐化するとは、思いもよらなかった。


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 10月28日に投票が行われたウクライナ最高会議(議会)選挙に関し、10月29日付のロシア『ヴラースチ』誌(No.43)が、読み応えのある論評を掲げている。投票結果が判明する直前に書かれた記事のはずだが、V.クリチコのUDARの位置付け、ロシアのプーチン政権の対応など、興味深い内容を含んでいるので、主なくだりを以下のとおり抄訳しておく。

 今回の最高会議選挙を、比例区・小選挙区の並立制で実施することは、約1年前の選挙法改正で決まり、改正には野党側も賛成していた。その結果、比例区での地域党の得票が30%程度であっても、小選挙区と合わせれば、状況が異なってくる。民主イニシアティブ基金のI.ベケシキナ代表は、「L.クチマ大統領の時代に、野党が政権党よりも多く得票しても、結局のところ親大統領の議会が成立したのと同じように、今回も親ヤヌコーヴィチの議会が成立するだろう。政権側が小選挙区候補の忠誠を調達するのはたやすいことであり、彼らの有権者に対する饗応に目をつむってやったり、潰そうと思えばできる彼らのビジネスを自由にしてやったりすれば充分だ。並立制への復帰により、比例制と小選挙区制の欠陥を併せ持つ選挙制度となってしまった」と指摘する。

 共産党も、来たる議会における地域党の有力パートナーである。ブルジョア批判の表向き過激なスローガンも、その妨げにはならない。今回の選挙では、国家安全保障・国防評議会のA.クリュエフ書記が暗躍し、共産党を陰で支援していたと言われている。

 議会選を前にして、ヤヌコーヴィチ大統領の状況は厳しいものとなっていた。問題はV.クリチコのUDARがオレンジ派の野党政治家たちの「祖国」に支持率で肉薄してきたということではない。予期せぬ事態だったのは、政治家の支持率において、クリチコがティモシェンコを抜いて、ヤヌコーヴィチに次ぐ2番手に躍り出たことである。ある世論調査結果によれば、現在の政治家ランキングは、1.V.ヤヌコーヴィチ:23%、2.V.クリチコ:19%、3.Yu.ティモシェンコ:16%、4.P.シモネンコ:9%、4.A.ヤツェニューク:9%、であるという。

 政権側は、クリチコの危険性をかなり前から察知していた。たとえば、クリチコはボクシングの防衛戦をキエフで戦うことを当局から阻まれ、9月にモスクワで開催することを余儀なくされた。しかし、祖国から離れた地で防衛したことにより、政治家としてのクリチコの人気は一層上がったが。

 ただ、クリチコの人気が急上昇しているのはボクシングの成功だけではなく、政権に入ったことも、現政権と陰で交渉したこともなく、まだ政治家として汚れていないことにもよる。クリチコはまた既成野党からも距離を置いており、選挙前に「祖国」「自由」の両派が新議会において連立を形成する協定に調印したのに対し、クリチコはそれを断っている。「民主連立は選挙直後に形成する方が合理的だ。野党パートナーの提案は尊重するが、まず肝心なのは野党が選挙に勝ち、その結果を擁護することである」と、クリチコは唱えていた。

 評論家たちは、この判断は賢明だったと考えている。V.カラショフの分析は、以下のとおり。今さらティモシェンコと組むことは野党政治家たちにとって得策でなく、現にヤツェニュークは「祖国」と組むことで損をしている。地域党は一昨日の政党だが、「祖国」は昨日の政党だ。今日ではまさにクリチコこそが、ギャング政党たる地域党にうんざりしている多くの人々の、希望の星となっている。クリチコの政治スタイルは、ボクシングのそれと同じで単調だが、外連味がない分、他の与野党政治家よりも効果的に点数を稼いでいる。人々は、汚職やギャングと戦う闘士は、ティモシェンコよりもクリチコであると見るようになっている。ティモシェンコにとってもクリチコは邪魔者になっており、クリチコが現れたがゆえに、今回の選挙は革命ではなく普通の選挙になってしまった。ティモシェンコのブランドは古びており、人々は古い政治家たち、街頭の示威運動への呼びかけに飽きている。クリチコは「ギャングを監獄に!」というスローガンを掲げており、それはオレンジ派の人々ができなかったことで、人々はその実現を待ちわびている。

 クリチコの人気が上昇し、本人は出馬を表明していないものの、2015年の大統領選におけるヤヌコーヴィチへの対抗馬の一番手と見なされるようになった。それに関し前出のカラショフは、クリチコに対してはウクライナのオリガルヒたちが支援・出資しているという。具体的には、D.フィルタシとI.コロモイシキーで、政権には近いが、ドネツィク閥には属していない2人だ。カラショフによると、ヤヌコーヴィチを脅かさないよう、クリチコは2015年の大統領選には出馬しないことが、暗黙の了解であるという。しかし、ここに来てクリチコにも野心が頭をもたげてきた。

 前出のベケシキナも、クリチコに野心が芽生えてきたことを指摘し、もしもヤヌコーヴィチの再選に少しでも不透明感が生じたら、そのとたんに小選挙区議員や大手資本は別のより強力な候補者になびいていくだろうと予想する。一方、リサーチ&ブランディング・グループのYe.コパチコは、まだ大統領選までかなり時間があることから、これからも色々政治家が出てくるかもしれず、早計に判断してはならないと指摘する。

 野党側は、来たる新議会では、まさに大統領選をめぐる駆け引きが最大の焦点になると考えている。ヤツェニュークは、以下のように述べている。ヤヌコーヴィチにとっては、国民の直接投票は、権力を失うことに直結する。そこで、彼は300議席を押さえて、憲法を変えようとしている。大統領制自体を廃止するか、議会で大統領を選出するか、象徴大統領制にするか、色々と策を練っている、と。

 いずれにしても、大統領就任後2年強を経て、ヤヌコーヴィチはきわめて困難な状況に置かれている。2011年にティモシェンコに実刑判決を下したことで、EUとの関係を駄目にした。他方では、ロシア主導の関税同盟入りと、ナフトガス社をガスプロムに供出することに抵抗し、モスクワとの関係も険悪化した。

 ロシアは、ヤヌコーヴィチを支援し、彼が2010年の大統領選に勝ったことを自らの勝利と見なしていたが、最近になってヤヌコーヴィチとの関係を冷却化させている。ウクライナのある政府関係者によると、8月25日にソチでの首脳会談が終わり、プーチン大統領がヤヌコーヴィチ大統領を車まで送っていった際に、プーチンは最後に「貴方はあの女と同じ場所に行くことになるかもしれませんよ(注:ティモシェンコと同じように収監されることになる危険があるという意味)」と警告したという。ヤヌコーヴィチ自身、最近身の危険を感じている。自らに近い富豪たちがクリチコに金を出していることに、大統領が気が付かないはずはない。ソチからの帰国後、ヤヌコーヴィチは身辺の警護を強化したという。別の現地情報筋によれば、最近ヤヌコーヴィチ大統領は、地域党の全議員のSMS通信記録を自らに提出することを、特務機関に命じているとのことだ。大統領がそれをすべて読む時間があるのかという疑問もあるが、その情報筋は「権力を保持したければ、時間は見付けるものだ」と答えた。

 ロシアの政権関係者も、我々はヤヌコーヴィチに対する不快感を募らせており、クレムリンとしてはウクライナの指導者交代もやむなしと考えていることを、認めている。しかも、プーチン大統領もメドヴェージェフ首相も、本件に関しては完全に一致しているという。最初プーチンはヤヌコーヴィチを出し抜いたりカネで動かせたりすると考えていたが、実際にはヤヌコーヴィチはテコでも動かない男だった。

 こうした状況ゆえ、ロシアにしても欧米にしても、ウクライナの政権交代を促さないまでも、少なくともそれを阻むことはしない。その際に、ボクサーとしては百戦錬磨だが、政治家としてはウブなクリチコは、悪い選択肢ではない。


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 2012年10月30日付の『RBCデイリー』紙で、ロシアの首都モスクワ市のA.シャロノフ経済問題担当副市長が、インタビューに応じている。私の研究分野に関する発言がいくつか見られるので、主な発言要旨を以下のとおりまとめておく。

 工業地区の開発は、思うようなテンポでは進んでいない。我々は工業地区を活性化し、職場・商業・教育を含む混合利用地区としたい。

 工業地区のうち、旧AZLK自動車工場の敷地に関して言えば、そこはもうすぐテクノポリス「モスクワ」になる。すでに15ほどの入居企業があり、科学関連資機材の通関のための税関も開設された。主な入居企業としては、9,000万ドルを投資し、マイクロエレクトロニクス・コンポーネント生産のためのクリーンルームを設置する予定のCrocus社などがある。

 ゼレノグラード経済特区の開発が進まないことに関しては、管理当局と、入居企業の双方に、お互いに対する不満があり、鶏と卵の議論になっている。入居企業はインフラの整備が遅れていると言う。他方、まったく不活発な入居企業があり、我々としては入居企業の義務不履行に対する責任を厳格化して、残りの入居企業に履行を促すよう、連邦当局に働きかけたいと思っている。優遇措置が受けられるのは、実際に活動を始めてからである。問題のある入居企業については、資格の剥奪も念頭に置いている。すでに、特区資格を転売しようとする輩が出てきている。もう入居の場所がないのをいいことに、特区資格とともに活動実態のない会社を他者に売ろうというのだ。これは明らかに、国が特区制度を開始した趣旨には合わない。

 (モスクワを国際金融センターにするという遠大な構想がありながら、本年に関しては、連邦予算から資金が出ていないようだが?)国際金融センターは、当時のD.メドヴェージェフ大統領と、A.ヴォロシンを長とする委員会が提唱したもの。国の投資環境、金融機関の質、生活水準など、いくつかのテーマに関する作業グループが設けられている。モスクワ市が責任を負っているのは、運輸・エンジニアリング関連インフラの発展、エコロジーの改善など。取引所、金融サービス、金融取引への課税といった金融面のインフラは、完全に連邦の管轄であるが、その整備はそれなりに進んでいる。

 現在、モスクワ市では、2025年までの発展戦略の策定を進めている。

 (モスクワ市の拡張により、イノベーションセンター「スコルコヴォ」もモスクワ市の管轄範囲に入ったが、連邦はそのインフラ整備を支援してくれるのか?)然り、そのような合意がある。本年、モスクワ市は主にエンジニアリング・インフラ向けに、一部は交通にも、資金を受けている。そのエリアはモスクワ市の領域になり、我々としても同プロジェクトに関心を抱いている。他方、プロジェクトは多額の資金を要し、連邦の拠出なしでは成立しない。拠出の一つのトランシュとして、財務省から45億ルーブルが割り当てられ、年末までに受け取ることになっている。2013年についても受け取れるはずである。


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 前のエントリーに引き続き、またまたロシアの経済特区の話題である。こちらのニュースで、ウリヤノフスク州に設けられた港湾特区の近況が伝えられているので、その要旨を整理しておく。「港湾」とは言っても、海港ではなく、空港に設けられた特区であり、そこに「インテルアヴィオニカ」社という5つ目の入居企業が現れたということを報じている。

 記事によると、ウリヤノフスクの機器設計局と、公開型株式会社「アヴィアプロボール・ホールディング」の子会社である「インテルアヴィオニカ」は11月1日、ウリヤノフスク・ヴォストーチヌィ空港をベースに創設されている港湾経済特区の入居企業の認定証を受領した。このほどウリヤノフスクで始まった国際会議で、A.ピンコフ・ウリヤノフスク州第一副首相から授与された。ウリヤノフスクの機器設計局と公開型株式会社「アヴィアプロボール・ホールディング」は、ともに国家コーポレーション「ロステフノロギー」の傘下にある。インテルアヴィオニカは特区において生産・サービスセンターを開設し、航空機器用の基礎要素の生産、外国および国産の航空機向けのハイテク無線通信機器の生産に従事する。プロジェクトは7月20日に連邦経済発展省で開かれた専門家評議会で承認されていた。もう一つ、米国の航空関連会社「AAR」と、ロシア人の個人投資家M.アウシェフ氏によるロジスティクス・センター創設の共同プロジェクト「AAR-Rus」も承認されていた。かくして、現時点でウリヤノフスク特区には5件の企業が入居企業として認定されている。初期の入居企業は近いうちに土地区画を受け取り、活動を開始する。これまで認定された入居企業は、航空機の技術サービスセンターを開設するヴォルガ・ドニエプル・テフニクス・ウリヤノフスク、同じくFLテフニクス・ウリヤノフスク、そして小型航空機の組立を行う工場「ヴィチャジ」であった。


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