服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

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 私のホームページ(このブログではなく公式ホームページ)は、最近は自分の仕事の一覧を載せるだけみたいになって、日々の情報発信はこのブログにシフトして久しいので、皆様にとっては関心外かもしれない。しかし、一応ご報告しておくと、このほどホームページを引っ越した。先日書いたように、今まで入居していたYAHOO系のジオシティーズというサービスが打ち切られることになったからである。結局、GMO社系列のVALUE-DOMAINエクスリアというサービスを利用することにした(会社名とブランド名が入り組んでいて理解しにくいが)。

 今まではジオシティーズの有料プランでhttp://www.hattorimichitaka.comという独自ドメインだったが、今度は無料コースにしたので、http://hattorimichitaka.g1.xrea.comに変わり、都落ちの印象は拭えない。ともあれ、一応ご連絡まで。


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 馬の紋章シリーズを続けているが、馬と言えば、重要なものを忘れていた。トルクメニスタンの国章である。ウィキペディアからの受け売りだが、青い円の中に描かれているのは、アハルテケ(アカール=テケ、Akhal-Teke)と呼ばれるトルクメン人の誇りである優れた馬の品種ということである。


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 ロシアでは10月31日付の大統領令により「2019~2025年のロシア連邦の移住国家政策のコンセプト」が承認された。それに伴い、こちらのサイトに、ロシアの国内移住状況に関する図解資料が掲載されたので、それを拝見しよう。上の図は、実はここ数年でロシアではある地域から別の地域に移住する住民が急増していることを示している。そして、どのエリアからどのエリアに移るパターンが多いかを示したのが、下図である。ロシア政府の政策に反し、極東やシベリアといった東部領土は、ほぼ出ていく一方である(ウラルあたりまでがそのパターンか)。移住先は、やはりメガロポリスのモスクワを含む中央連邦管区が多いが、温暖な気候を求めて南連邦管区(クラスノダル地方など)に移住する向きも少なくない。

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 「週刊ロシア経済」というYouTube動画の新企画を始めました。第1回を配信したので、よかったらご笑覧ください。


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 資源超大国のロシアも、すべての資源を自給できるわけではなく、外国からの供給に依存している品目もある。具体的には以下のような資源を外国からの輸入に頼っているということである。ロシア『エクスペルト』誌(2018年11月12~18日)より。

  • マンガン:カザフスタン、南アフリカ、ガボンより。
  • クロム:カザフスタン、南アフリカより。
  • 錫:インドネシア、中国、ボリビアより。
  • チタン鉱石:ウクライナ、ノルウェー、米国より。
  • アルミ原料:ウクライナ、カザフスタン、オーストラリア、ジャマイカ、アイルランドより。
  • ウラン:カザフスタン、ウクライナ、チェコより。
  • 希土類:中国、米国より。

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 ロシアで言うところの「産業クラスター」というものは、諸外国におけるのとはだいぶ意味合いが異なっており、単に行政が「我が州はこういう産業分野の企業を誘致・育成したい」という願望にすぎなかったりする。それはさておき、そういうロシア流のクラスターを一覧できる便利な資料がないかと思って探したところ、とりあえず高等経済院によるこちらの「ロシア・クラスター地図」というサイトが目に留まった。産業分野、発展段階、クラスター参加者数などでフィルターにかけ地図上に図示することができる。また、リスト形式に切り替えることもできる。

 しかし、現段階での情報の網羅性は、だいぶ限定的である。どうも、クラスター側が自ら登録してデータを入力するような仕組みになっているようだ。これでは、データが集まらず、プロジェクトが頓挫するのではないかと危惧する。サイト管理者側が能動的に情報を集めて集大成しない限り、満足なデータベースにはならないのではないか。

 たとえば、現在個人的に農業・食品産業のことを調べているので、その種のクラスターがどこにあるか地図に表示してみた。すると、農業はヴェリーキーノヴゴロド、ヴォログダ、アストラハン(ここは正確には漁業)に、食品産業はカザンにあるのみとなっている。農業、食品産業はあまねくすべての地域に立地している産業で、それがこのサイト上では4箇所しかないというのは、まったく不充分だ。ちなみに、ロシア語で食品産業の産業クラスターと検索すると、レニングラード州のことが多くヒットするのだが、このサイトでは当該の情報は入力されていないようだ。というわけで、このサイト、これから充実していくのか、はたまた立ち消えになるのか。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2018年12月号の中身をいち早くご紹介。12月号は、「ROTOBO会長ミッションとベラルーシ経済」と題する特集号。私自身は、「ベラルーシの通商・産業概論 ―東西架橋型加工貿易という戦略」というレポートに加え、「ベラルーシを学ぶ書籍」、「ブリヤート共和国とザバイカル地方が極東転籍」、「ウクライナの地名表記に関する雑記」といった小文を執筆。11月20日発行予定。


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 馬の紋章シリーズで、今週はケメロヴォ州の炭鉱都市、プロコピエフスク市。しかし、こうやって見ると、馬の紋章を制定しているところは、シベリアばかりだ。先週は北カザフスタン州だったが、同州だってシベリアの延長上みたいなものだし。

 なお、本日は編集を担当している月報の締切日なので、ブログは以上でお終い。また明日。


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Angara

 私はロシアの地理好きでありながら、東シベリアには行ったことがなく、土地勘や知識が乏しい。このほどロシアの文献を読んでいて、「Приангарье(プリアンガリエ、沿アンガラ地方)」という言葉が不意に出てきて、「おや?何のことだろう」と、すぐには分からなかった。確認してみたところ、これはイルクーツク州の雅称ということらしい。ちなみに、イルクーツク州にはもう一つ、「Прибайкалье(プリバイカリエ、沿バイカル地方)」という雅称もあるようだ。イルクーツク州はバイカル湖の西北岸に位置し、そのバイカル湖から流れ出る唯一の河川であるアンガラ川(エニセイ川の支流)がイルクーツク州を貫いて流れているから、イルクーツク州を別名、沿アンガラ地方または沿バイカル地方と呼ぶわけである。

 たとえば、少々古いがこちらの記事なんかは、「沿アンガラ地方の新経済」と題し、イルクーツク州の経済情勢について論じている。ロシアでは時々こういう地名の変名が出てくるので、覚える必要がある。


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 引き続き多忙につき、ロシアの図解資料の紹介でお茶を濁す。ただ、自力で一生懸命書いた記事よりも、意外とこういうものの方が反響があったりもするのだ。

 今回は、こちらに出ていた、モスクワにある変わり種自動販売機というネタ。一昔前には、「ロシアで自販機ビジネスなんてムリ。絶対に破壊されてお金が奪われちゃう」などと言われていたものだったが、最近は飲み物や乗り物チケットなど、ロシアでも普通に自販機が見られるようになり、我々の先入観は覆された。それで、この記事では、中でも変わり種の自販機と、モスクワにおけるその設置台数を紹介している。整理すると、以下のようになる。

  • 小銭をお札に両替してくれる自販機:82台
  • 展示会場VDNKhでは、観光客が噴水にコインを投げ込むという風習があるが、そのコインを出してくれる自販機:1台
  • SNSやケータイの写真を印刷してくれる自販機:33台
  • 花の自販機:16台
  • コンタクトレンズの自販機:37台
  • 男性用下着・靴下の自販機:2台
  • 宇宙食の自販機:14台
  • ロシア風クレープ「ブリヌイ」の自販機:4台
  • 衛生用品の自販機:69台
  • 牛乳の自販機:20台

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 当ブログでこの手の図解資料に頼るのは、たいてい多忙かつネタがなくて困っている時だが、今回も然り。こちらのページに、1897年に実施された国勢調査にもとづく帝国の30大都市ランキングという図が出ており、ちょっと面白いので、これを取り上げてみる。上図(クリックすると拡大)の赤い円が1897年の人口規模、青い円が今日の人口規模を表している。現代の都市名で箇条書きにすると、以下のとおりである(カッコ内は今日ロシア以外の国に所属している場合の国名)。色々発見があるけど、当時のオデッサの大きさが非常に目立ち、ウクライナというよりはロシアの重要都市だったことが伺われる。逆にドネツクなんかは圏外で、当時まだ小さかったんだねえ。あと、ロシアのシベリア・極東の都市、というかウラルの都市すらも、この時点ではまったく登場しない。

  1. サンクトペテルブルグ
  2. モスクワ
  3. ワルシャワ(ポーランド)
  4. オデッサ(ウクライナ)
  5. ウッジ(ポーランド)
  6. リガ(ラトビア)
  7. キエフ(ウクライナ)
  8. ハルキフ(ウクライナ)
  9. トビリシ(ジョージア)
  10. ヴィルニュス(リトアニア)
  11. タシケント(ウズベキスタン)
  12. サラトフ
  13. カザン
  14. ロストフナドヌー
  15. トゥーラ
  16. アストラハン
  17. バクー(アゼルバイジャン)
  18. ドニプロ(ウクライナ)
  19. キシナウ(モルドバ)
  20. ヘルシンキ(フィンランド)
  21. ミコライフ(ウクライナ)
  22. ミンスク(ベラルーシ)
  23. ニジニノヴゴロド
  24. サマラ
  25. コーカンド(ウズベキスタン)
  26. ヴォロネジ
  27. クルスク
  28. カウナス(リトアニア)
  29. オレンブルグ
  30. ヤロスラヴリ

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 プーチン政権下のロシアは、ウクライナ危機直後は「輸入代替」に血道を上げていたが、ここ2年くらいは「輸出促進」へと重点を移している。特に、現在強調されているのが、非原料・非エネルギー輸出、サービス輸出の拡大である。

 一方、興味深いことに、最近の中国は、輸入を重視する姿勢を示し始めたらしい。これは、日本もいつか来た道であり、新興工業国というのは輸出を急拡大しあちこちで貿易摩擦を引き起こすと、少なくとも表向きは、輸入の拡大にも取り組んでいるということをアピールし始めるということではないか。中国の輸入重視の姿勢の表れとして、こちらのHPに見るように、11月5日から10日にかけて中国の上海で初めての「中国国際輸入博覧会」が開催されている。

 ロシアが輸出にまっしぐらで、中国が輸入拡大姿勢を示しているなら、理論的には、両者の利害は合致する。こちらのニュースによると、ロシアの半分以上の地域が、中国向けの輸出増を目指し、この輸入博覧会に出展しているということである。ロシア側が展示している主な商品は、食品、機械、農業テクノロジーなどだという。


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 一般向けはともかく、日本のロシア関係者にとっては、それなりにインパクトの大きな話題である。こちらのページに見るとおり、今般プーチン・ロシア大統領が署名した大統領令により、従来シベリア連邦管区に所属していたブリヤート共和国、ザバイカル地方が、極東連邦管区に転籍になった。

 それを図示したものがどこかにないかと探したところ、こちらのページにあった。上掲のとおり紹介させていただく。薄いグレーがシベリア、濃いグレーが極東であり、オレンジ色の2つの地域が今回シベリアから極東に鞍替えしたわけである。なお、黒く描かれているのが有名なバイカル湖。

 くだんの2地域は、ロシアの中心から見てバイカル湖の向こうのエリアという意味で、ザバイカル圏などと称されていた。この2地域は、シベリアよりも極東との一体性の方が強いので、極東に移した方がいいのではないかという議論は、ソ連時代からあった。何しろ、私が1989年に今の所属団体に入社して、最初にやらされた仕事が、まさにそういう内容のロシア語論文を日本語に翻訳する作業だったくらいなので。当時ソ連の地名や地域名に疎かった私は、チタ州(Читинская область、その後のザバイカル地方)のことを「チチン州」などと訳してしまった恥ずかしい思い出がある。まあとにかく、それくらいずっと懸案だった問題に、ようやく決着が付いたというわけである。


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 個人的に、カメラを構えても、撮影するのは静止画ばかりで、動画はほとんど撮ったことがない。また、従来は情報発信にYouTubeを積極的に活用することもなかった。ただ、今後はそういうこともやってみようかなと、ちょっと考え始めているところ。

 その練習というわけでもないけど、こんな動画を。ウクライナから追放されたヤヌコーヴィチ前大統領。逃亡後に贅を尽した豪邸が暴露され、改めて国民の怒りを買ったが、動画はその豪邸にあった高級オルゴール。2018年9月に見学した際に撮影。


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 馬の紋章シリーズで、今週は北カザフスタン州(州都はペトロパヴロフスク市)。紋章コーナーにカザフスタンが登場するのは珍しい。まあ、この馬には羽が生えているので、厳密には馬ではなくペガサスと言った方がいいのかもしれないが。ともあれ、この馬またはペガサスは、農耕民と遊牧民の一体性を象徴し、未来志向や文化を表しているということだ。


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 先日のロシア現地調査で、夜間の航空便でモスクワからイジェフスクに飛んだ際に、窓から大きな街の夜景が見えた。位置関係からして、たぶんタタルスタン共和国のカザンだろうと考えた。今般、この写真と、地図で地形を照らし合わせたところ、おそらくカザンで間違いないだろうと思う。左の方に広がっている黒い部分がヴォルガ川。そして、手前の方がカザンの旧市街と思われ、クレムリンなどはこちら側にある。カザンカ川を挟んで、対岸が新市街であり、ワールドカップにも使用されたカザン・アレーナはそちら側にある(写真の右奥の方)。左上の方で光っているのは、たぶん製油所か化学工場などではないかと思う。


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 文部科学省および日本学術振興会が交付する科学研究費助成事業、通称「科研」では、最近、プロジェクトを申請する際に、参加メンバーが「researchmap」に登録されていることが、必須になっているらしい。researchmapというのは、日本の研究者のデータベースみたいなものであり、研究者自らが、共通フォームで自分の経歴や業績を入力することになっている。私は従来は本件についての認識がなかったが、このほどあるプロジェクトに協力者としての参加を求められ、科研費を申請する上で必要になるということで、自分のページを入力した。ただし、大学の先生方などと違って、私の場合は月に数本は雑文を書いているので、そういうものまで全部載せていると、キリがない。今回researchmapに入力したのは、ごく一部の業績ということになる。

 私の場合は、researchmapを待つまでもなく、以前から自分のHPでプロフィールや業績一覧を載せているので、「それを見てよ」と言いたい気持ちもあるわけだが、このような共通フォームのデータベースがあるならば、業界でそれがスタンダードになるのは当然だろう。実際、researchmapの私のページは、作成して間もないにもかかわらず、自分の名前を検索すると、割と上位に来る。逆に言えば、以前も書いたとおり、私のHPの入居するYAHOO系のジオシティーズがサービス打ち切りということで、HP自体をこれからどうしていこうかと考え中であり、researchmapのようなものがあるなら、一部それに置き換えていくことも一案かもしれない。


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 こちらのサイトに、ウクライナの国家債務の問題についてのまとまった情報が出ている。上の図は、2017年現在で各国の国家債務残高の対GDP比を示したものであり、ロシア・NIS諸国は右の方に固まっている。黄色のウクライナは71.8%であり、この数字だけを見れば旧ソ連で最も重い債務を抱え、真ん中あたりに固まっている中東欧諸国と比べても高い水準だ、ということになる。しかし、管見によれば、ウクライナの債務の絶対額は、驚くほど巨額というわけではない(2018年6月現在のウクライナの国家債務残高は763億ドル、うち60%に当たる472億ドルが対外債務)。実は、2014年の政変の前までは、対GDP比は40%程度にすぎなかった。問題は、ウクライナの債務が膨らみ始めたその時に政変が起き、分母のGDPが縮小してしまい、また為替の下落で外貨建てが主流だった国家債務のGDPに対する比率が急拡大してしまったことである。債務のうち対外債務の比率が大きかったことが問題であり、しかも債権者がクセ者揃い(ヘッジファンド、ロシア政府)だったことが事態を複雑にした。下の図に見るとおり、2018~2020年は外貨建て債務返済のピークに当たっており、だからこそ今般のIMFとの新合意が必要になったというわけである。

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 昨日に引き続き、報告会「ウクライナとジョージアの最新情勢」用に準備した資料の中から、一部をお目にかけることにする。これまで個人的にジョージアの貿易データを分析したことなどなかったが、今回初めてそのデータを整理してみて、色々と認識を新たにさせられるところがあった。特に、ジョージアと言えばワインが名産ということで、ワインの輸出先を示した上掲のようなグラフを作成してみた。

 かつては、ロシアをはじめとする旧ソ連が、ジョージア・ワインの輸出先のほとんどを占めていた。ところが、ジョージアがロシアから離れEUへの接近を見せたことを受け、2000年代にロシアはジョージアのワインが衛生・品質基準を満たしていないとして輸入禁止措置を採り、ついには2008年のジョージア・ロシアの戦争が勃発し、ロシアへのワイン輸出は完全に途絶えていた。

 しかし、上掲のグラフに見るとおり、2013年にロシアがジョージア・ワインの輸入を解禁して復活、それ以降は再びロシアがジョージア・ワインの輸出先として圧倒的に大きな存在となっている。特に、2014年にロシアと欧米が制裁合戦を開始し、その一環としてロシアはワインを含む欧米産食品の輸入を禁止した状態にあるので、その要因もジョージア・ワインがロシアに再浸透することに繋がっていることだろう。

 一方、2014年のジョージア・EUの連合協定/FTA成立に伴い、ジョージアはEUに無税でワインを輸出できるようになったが、幾多の生産国がひしめくEU市場への浸透はそう簡単ではない。このグラフだけを見ると、ジョージアはEUよりもロシア・CIS諸国との関係を深めた方が経済的には得ではないかなどと、ついおせっかいなことを言いたくなる。

 上掲のグラフで、白い部分は、CISでもEUでもないその他世界である。ここ数年、ジョージア・ワインの輸出先で、その他世界も伸びつつある。特に中国向けが大きく伸びており、2018年1月にジョージア・中国のFTAが発効したことから、さらに伸びが期待できそうだ。今のところ、日本向けの輸出はそれほど大規模というわけではないが、日本でもジョージア・ワインの販路は広がっている模様。


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 昨日は、所属先のロシアNIS貿易会で、「ウクライナとジョージアの最新情勢」という報告会をやった。私は昨年11月にベルギーのブリュッセルを訪問し、EU側の視点から見たウクライナとジョージアの実情につき調べる機会があった。また、本年9月にはウクライナとジョージアを相次いで訪問し、現地調査を行った。そこで、似ているようで違う、両国の最新の国情を比較しながら論じてみようという、そんな趣旨の報告だった。

 その報告に向け、色んな素材を用意したが、我ながら出来の良いグラフが1つあったので、それをブログでもお目にかけたい。ウクライナとジョージアの経常収支の構造を比較した図である。あまり見かけないタイプの図だが、こういう図にしてみたら分かりやすいのではないかと私自身が考え作ったものだ。

 ウクライナやジョージアのように、エネルギーを輸入に依存している旧ソ連の「持たざる国」は、どうしても商品(モノ)の貿易は赤字になりがちである。それをどうやって埋めるかが課題となる。ジョージアの場合は、サービス輸出の比率が大きい(商品輸出よりも大きくなっている)。そして、39億7,600万ドルのサービス輸出のうち、実に27億400万ドルをインバウンドの観光(旅行サービス輸出)で稼いでいる。一般論として言えば、観光だけで国民経済を賄うというのはそんなに簡単ではないが、ジョージアくらい観光資源が豊かで国の規模が小さければ、ある程度は「観光で食う」ということも可能になるのだろう。一方、ウクライナの場合には、現状で「雇用者報酬」で埋めている部分がかなり大きいが、これは要するに海外出稼ぎ収入である。

 2017年現在、経常赤字の相対的な規模はジョージアの方が大きく、経常赤字の対GDP比はジョージアが8.9%、ウクライナが1.9%である。


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 こちらの記事で、来たるウクライナ大統領選に向け、同国のオリガルヒたちがどのように動いているのかが論じられているので、要旨を整理しておく。2ヵ月ほど前の記事で、古くなっているところがあるかもしれないが、悪しからず。

 コロモイスキー:プリヴァトバンク等の保有資産は接収されてしまったものの、最も影響力のあるテレビ局「1+1」を保有し、資金力もあるため、いまだ影響力は強い。40名近くの最高会議議員や、多くの地方議員などが同氏の支配下にある。大統領選ではティモシェンコ支援に回ると見られ、ポロシェンコへの恨みが両者を結び付けている。ただし、両者とも野心家なので、いずれかの時点で同盟関係が崩れる可能性もある。お笑い芸人のゼレンスキーを隠し玉としてキープしている。

 ピンチューク:「1+1」と並ぶ人気テレビ局のICTVを保有。米国のヒラリー・クリントン、ジョージ・ソロスとのコネクションがある。ポロシェンコ政権の下で、ピンチュークは訴追されそうになったり、分離主義支援を非難されたりしたので、ポロシェンコとは疎遠。ロック・ミュージシャンのヴァカルチュークを大統領選に擁立する動きを見せる。一方、ピンチュークと懇意のソロスは、フリツェンコを支援しており、ピンチュークがそれに同調しているという噂も絶えない。他方、ピンチュークはドニプロ同郷のティモシェンコを支援しており、ヴァカルチュークやフリツェンコはティモシェンコとの取引を有利に運ぶための材料にすぎないとの見方もある。さらに、ピンチュークはリヴィウ市長のサドヴィとの繋がりもある。

 リョーヴォチキンとフィルタシ:基本的に、「野党ブロック」の一部と、ポロシェンコ・ブロックの数人(元UDAR派)が、両氏の影響下にある。南東部で人気の高いテレビ局「インテル」が傘下にある。野党ブロックの候補はボイコになると考えられ、ポロシェンコにとっても丁度良いスパーリングパートナーとされていたが、ボイコが勝ってしまうリスクもあるということで、リョーヴォチキンおよびフィルタシも後ろ向きになった。一説には、メドヴェチュークとともに、生活党のラビノヴィチを擁立するなどとも言われている。

 アフメトフ:同氏はクチマ、ユーシチェンコ時代からポロシェンコとは良好な関係にあり、ゆえにポロシェンコ政権の継続を望んでいる。「野党ブロック」の20名ほどがアフメトフの影響下にあるほか、急進党のリャシコも支援している。テレビ局「ウクライナ」も重要。リョーヴォチキンおよびフィルタシとは立場の隔たりが生じる可能性がある。ポロシェンコ側から見ても、資金源、メディア、南東部の票田での影響力の観点から、アフメトフの存在はきわめて重要。

 2014年にはポロシェンコは欧米にとってもオリガルヒたち皆にとっても無難な人物だったが、当のポロシェンコは国の利権を自派の間だけで分配してしまい、オリガルヒたちの多くはポロシェンコに取って代わる対抗馬を模索するようになった。


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 馬の紋章シリーズで、今週はシベリアの少数民族地域、トゥヴァ共和国の紋章。正直言って、トゥヴァの紋章がこういうデザインだというのは、個人的にまったく認識になかった。トゥヴァ人が伝統的に騎馬民族であり、今日でも家畜の放牧を主たる生業にしていることを表しているのだろう。


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 個人的なことだが、私は今の職場であるロシアNIS貿易会(当時はソ連東欧貿易会)に、平成元年、1989年に入社した。場所は当時から同じで東京都中央区新川であり、最寄り駅は地下鉄の茅場町である。入社してすぐ、給料振り込み用に、三井銀行の日本橋東支店に口座を開設するように言われた。それから、バブルの最後の輝き、その崩壊、銀行の合併など色々あったが、この銀行店舗自体はずっとそのままで、近年は三井住友銀行の日本橋東支店ということになっていた(茅場町駅の目の前でも以前から一貫して日本橋東支店と名乗っていた)。

 この支店が、10月15日付で、なくなることになった。度重なる銀行合併を経ても生き残ってきた、この結構大きな支店がなくなるというのは、ちょっと意外ではあった。銀行側の説明によれば、「日本橋東支店と東京中央支店は、共同店舗として、同じ店舗(東京中央支店)で営業をいたします」とされているが、利用者にとってみれば身近な店舗がなくなるということに他ならず、単に口座の所在が名目的に日本橋東支店のまま残るということにすぎない。

 まあ、私自身も、最近は振り込み等はネット経由であり、たまにATMで現金を下ろす程度で、銀行の店舗を訪れること自体めっきり少なくなった。この支店がなくなったからと言って、そんなに不便になるわけでもない。世の中全体がそうだろうから、こういう店舗を維持し、多数の行員および支店長様、その高級車のコストを賄い続けることは、割に合わなくなったのだろう。

 とはいえ、かれこれ30年近く世話になった店舗だ。金曜日に前を通りかかったら、撤去作業をしていたので、思い出に一枚写真を撮った(スマホカメラのレンズ被覆フィルムが劣化し画質が悪く恐縮)。この支店は紛れもなく、自分にとっての平成の風景の一部である。


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 こちらの記事によると、国際的格付け会社のムーディーズは、2019年にロシアのソブリン格付けを投資適格レベルまで引き上げる可能性があることを示した。同社の上級副社長が、社内の会議でその旨を発言したもの。同氏は、「ロシアの格付けが来年に投資適格圏に戻ることは、理論的に可能である。格上げが実施されるチャンスは充分にある」と述べ、その条件は欧米の過酷な制裁が科せられないこと、大きなショックなないことだと指摘した。なお、ムーディーズは現在ロシアをBa1に格付けしており、2018年初頭にはアウトルックを安定的からポジティブに変更していた経緯がある。


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 ロシアの自動車情報機関「Avtostat」のこちらのサイトに、2018年1~8月のロシアの乗用車輸出相手国を図示した上掲のような図が掲載されていたので、ちょっとこれを拝見してみよう。ただし、このデータには重大な欠落がある。ロシアの乗用車輸出は、そもそもそれほど大規模ではないが、その大部分が、ユーラシア経済連合のパートナーであるカザフスタンおよびベラルーシ向けである。ところが、Avtostatの当該データは、「ユーラシア経済連合諸国向けを除く」となっており、残りの小口の輸出相手国を見たものにすぎないのだ。ユーラシア向けも数字の把握自体は技術的に可能と思われるのに、何ゆえにこのような仕様になっているのか、理解に苦しむ。

 ともあれ、ユーラシア経済連合諸国を除くと、2018年1~8月の輸出台数は18,223台だった。輸出相手国ベスト10は、チェコ、ウクライナ、ラトビア、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、イラク、スロバキア、レバノン、ハンガリー、セルビアとなっていて、ほぼ旧ソ連・東欧諸国で占められる。モデルはだいぶ限られているようで、ベスト5は、LADA 4×4、Skoda Octavia、LADA Vesta、VW Polo、 KIA Rioとなっている。私の知る限り、ウクライナでは数年前からLADAは締め出されているので、ウクライナ向けに輸出されているのはおそらくSkoda車だろう。

 なお、私が別の情報源で調べたところ、ユーラシア経済連合域内を含むと、2018年1~8月のロシアの乗用車輸出台数は、57,200台だった。ということは、乗用車輸出の68%ほどが、ユーラシアのパートナー諸国向けということになる。


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 先日ロシアで現地調査をした際に、モスクワで農業・食品見本市「黄金の秋」を視察した。どちらかと言うと、企業というよりも、州などの地域単位の出展がメインの展示会だったが、そうした中にあって企業レベルではミラトルグ社の存在感が際立っていた。同社は、ロシア西部のブリャンスク州などを中心に、アンガス種の肉牛等の飼養を手掛け、高級牛肉をロシア市場に投入している会社として知られている。そのブースには、下の写真に見るように、「農地買います」という案内が表示されていた。同社は最近、和牛の生産も始めたといった話題もある。このあたりの情報を取りまとめ、ちょっとコラムでも書いてみようと思っているところ。

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