服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 ロシア・ウラル地方のスヴェルドロフスク州には「チタンバレー」という経済特区があるが、こちらの記事によると、スヴェルドロフスク州当局は州都エカテリンブルグの近郊のスィセルチ地区に同特区の新区画を設けることを希望しており、このほどロシア連邦政府がそれを支持したということである。新区画には、マイクロエレクトロニクス、機械、工作機械、航空機および同部品、医療機器関連の企業を誘致する方針。2027年までに100憶ルーブルの投資を誘致し、少なくとも1,268人分の雇用が創出され、生産高は1,400億ルーブル、納税額は70億ルーブルを超えることが想定されている。

 なお、スヴェルドロフスク州知事は、特区の新区画においてL-410航空機の生産を組織すると発言している。この飛行機のことを知らなかったので、調べたところ、チェコスロバキア製の旧型機ということらしい。こんな年代物の飛行機をわざわざこれから生産しようというのだろうか? 何らかのアップデートでもされたのか?

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 私は、ロシアの輸出促進政策のことを研究しており、今般「ロシアの非原料・非エネルギー輸出促進策」というレポートを発表したりしている。

 それで、こちらの記事で、ロシア輸出センターの総裁の発言を引用する形で、ロシアの輸出政策の最新の動向が伝えられているので、その要旨をまとめておく。記事によると、現在ロシアは一連の「ナショナルプロジェクト」の最終案を策定中で、それを8月15日までに取りまとめることになっている。その一つが、「国際協業と輸出」と題するナショナルプロジェクトである。同プロジェクトは連邦レベルの5本のプロジェクトから成り、具体的には、①鉱工業輸出、②農業・食品輸出、③サービス輸出、④貿易のロジスティクス、⑤国際協業と輸出の体系的な支援策、である。目標を達成するために、ロシア輸出センターは、産業・商業省、経済発展省、農業省、運輸省をはじめとする省庁と協力しながら、一連の措置を実施する。たとえば、貿易における行政手続き・障壁を軽減する、一例として輸出ライセンスや外貨管理に関連する過剰な必要事項を廃止することなどがある。また、2021年までに貿易参加者と国家機関の協業を組織し、ワンストップ窓口を作り、管理当局の介入を最小にする。また、ロジ・インフラを改善し、ロシア通商代表部を近代化し、ロシア製品を外国にプロモートする一体的な制度を構築し、輸出の金融・非金融の効果的な制度を作り上げる。

 以上が記事の中で総裁が述べている要旨だが、国際協調に努め、不毛な制裁合戦をやめることこそ、本当の輸出促進策ではないだろうか。


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 こちらの記事によると、ロシア天然資源・環境省はこのほど、小売りチェーンにおけるレジ袋の使用を廃止することに前向きな立場を示した。同省では、包装のかなりの部分をチェーン店のレジ袋が占めており、それらは使用後にすぐに捨てられてしまうので、同省としてはプラスチックごみの削減に向けた提案は歓迎する、レジ袋の削減は疑いなく前向きな一歩であり、しかも紙袋やトートバッグなど代わりのものはある、などと指摘した。これに先立っては、小売企業協会に加入する一連の大手企業が、レジ袋の廃止につき討議していた経緯があった(ただし現時点では消極的な企業も多い)。また、2017年10月には、自然保護・環境担当の大統領特使であるS.イヴァノフが、レジ袋に環境税を課し、紙袋の生産を支援すべきだとの考えを示していた。


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 ウクライナの民間シンクタンクであるラズムコフ・センターは、『国家安全保障と国防』という雑誌を定期的に刊行しているが、その2017年第3-4号を見ていたら、興味深いくだりがあった。同センターでは2017年10~11月にウクライナ最高会議議員45名を対象にアンケート調査を実施したということであり、その一環として、「以下の諸問題の中で、貴方が最も喫緊と思うものはどれか?」ということを問うていて、その回答状況をまとめたのが上表である。表の見方は、一番左の列が「最も喫緊の問題」、中央の列が「2番目に喫緊の問題」、右列が「3番目に喫緊の問題」となっている。そして、回答は上から、ドンバスの内戦、汚職対策、非集権化、非効率的な国の保健制度、欧州統合、過度な税負担、公職者・公務員の政治的な理由による追放、外国人への土地所有権の許可、クリミアのウクライナへの奪還、民営化、国の経済への介入の制限、等々と続いている。

 非常に顕著なのは、最も喫緊の問題としてドンバスを挙げた議員が46.7%と多かった一方、クリミアを挙げた議員は1人もいなかったことである。ただし、クリミアは2番目に喫緊という回答が11.1%、3番目に喫緊という回答が11.1%と、かなり多い。つまり、今も差し迫った問題であるドンバスに対し、クリミアはロシアが完全に掌中に収め、粛々と実効支配を進めているので、重大ではあるが、今すぐにどうこうできるような問題ではないことを、議員たちが認めているということであろう。もう一つ、欧州統合がそれほど喫緊と受け止められていないというのも、興味深い数字だ。アンケート参加者が45人と少ないのが残念だが、まあウクライナ政界の空気を反映した数字であることは間違いなさそうだ。


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 こちらの記事が、クリミア発展プログラムの動向について伝えている。これによると、ロシア連邦政府は2014年8月、「2020年までのクリミア・セヴァストポリ社会経済発展連邦特定プログラム」を採択した。その総額は8,370億ルーブルであり、うち連邦財政が7,910億ルーブル、クリミアおよびセヴァストポリ財政が159億ルーブル、予算外の財源が301億ルーブルという内訳だった。プログラムでは663件の措置を盛り込み、うち220が社会分野、95がエンジニアリング、64が交通インフラ、14がエネルギー関連であった。2018年には750億ルーブルの予算が計上されている。1~7月の時点で、すでに284億ルーブルが消化されており、これは前年同期の消化額を2.7倍も上回る。

 なお、こちらの記事がプログラムの概要について伝えており、上の図はその記事からとったものである。


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 特に意味はないが、クジラを描いた紋章をシリーズでお届けしたい。第1回は、カムチャッカ地方にあるウスチカムチャツク市の市章。下に描かれているのが、鱗があって魚っぽいが、クジラということである。街の周辺でクジラが多数出没することにちなむ。上の獣は、イルクーツクの歴史的紋章を取り入れたもので、(シベリアの)虎ということである。


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 こちらのサイトに見るように、ロシアではプーチン大統領が8月3日に税制改正法に署名し、付加価値税の税率が現行の18%から2019年1月1日に20%へと引き上げられることが、正式に決定した。

 ただし、ロシアの付加価値税には、一部品目に軽減税率が設けられている。こちらの記事によると、教育・学術・文化にかかわる出版物(その生産・販売)の税率は、従来から10%の優遇税率であり、今回もそれが保持されることになったということである。これを受け、連邦出版・マスコミ庁のM.セスラヴィンスキー長官は、我が国の出版点数は米・中・英に次いで世界で4位である、こうした出版業の発展を可能にしているのは国の優遇策に他ならないと述べ、今回の軽減税率継続を歓迎した。


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 私は、自分のやっている雑誌に載せるために、上掲のようなグラフを毎月更新している。それで、今週になって、ルーブルは急落した。中銀の公定レートで跡付けるならば、8月9日が1ドル=63.6ルーブルだったものが、10日には66.3ルーブルに急落し、11日も66.9ルーブルとなっている。

 ロシア中銀は世界一保守的で素晴らしい中央銀行であり(常々、中央銀行だけは日本とロシアで交換したいと個人的に思っている)、現在は為替への人為的な介入は基本的に行っていない。しかし、こちらの記事によると、今回の急落に対しては、ロシアの通貨・金融当局も対応策をとる構えということである。9日にはシルアノフ第一副首相・蔵相が、中銀と財務省は市場を注視しており、金融市場の安定性に脅威が生じた際には対応策ととるつもりであると発言。10日には中銀が声明を発表し、今回のルーブル・レートの動揺は制裁についてのニュースに起因するものであり、通常こうした出来事は一過性のものにすぎず、市場には輸出企業の輸出収益のドルが供給されルーブルを支えている、などと指摘した。中銀は、国内市場における外貨の購入量を、予定よりも引き下げる措置をすでにとっており、単に方針の表明ではなく行動に着手している、ということである。


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 こちらおよびこちらの記事が伝えるところによると、ウクライナ鉄道はこのほど、もしも政府がその旨の決定を下せば、ロシアとの間の鉄道便を廃止する用意があるということをマスコミに表明した。もっとも、両国間の鉄道旅客輸送は年々低下しており、2017年の旅客数は90万人で(注:記事の書き振りからは両方向なのか、ウクライナ→ロシア方向だけなのかが判別できない)、これは2013年と比べると5分の1の水準である。2018年1~7月の実績も45.4万人であり、前年同期比16.4%減であった。現時点でロシア~ウクライナ間では13便の列車が運行されており、政変前と比べて数分の1の数である。うち8便をウクライナ鉄道が、3便をモルドバ鉄道が、1便をロシア鉄道が、1便をアゼルバイジャン鉄道が運行している。ウクライナ鉄道にとって2017年に最も収益が挙がったのはキエフ~モスクワ便で、600万ドルの収益をもたらした。


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 米トランプ政権が新たな対ロシア制裁を打ち出したことが話題になっているが、当ブログでは差し当たり、こちらの記事を紹介する形で、制裁が長期化した場合のアルミ大手ルサールへの影響について見ておくことにしたい。

 記事によると、このほど格付け機関のFitchが、世界アルミ市場の展望を示した。米国のルサールに対する制裁が維持された場合、2019年にはアルミの価格が1t当たり3,000ドルにまで上昇し、市場における長期的なアルミ不足が発生すると予想される。逆に、米国が制裁を撤廃した場合には、2019年にかけて市場は正常化し、ロンドン市場における2018~2019年の相場は2,100~2,300ドルの範囲内に留まるであろうと、Fitchは見通しを示した。

 一方、ルサールに近い筋は、もしも米制裁が保持された場合には、ルサールは9月には工場の一部を休止させざるをえなくなるだろうと指摘した。今現在の市場は、専門家たちが予測していたよりも、きわめて厳しいものとなっている。もしも制裁が近日中に撤廃されないと、供給契約が切れ、元々輸出向けだった生産分は、10月1日以降は買い手がなくなり在庫を積み上げることにならざるをえない。それでなくても、倉庫には4月に販売できなかった在庫が残っている中でだ。元々(カレリア共和国北部の)ナドヴォイツィ工場はもっぱら米国向けの生産を行っていたので売り先を失っているが、同工場だけでなく輸出向けの生産を行っている他の工場も停止せざるをえなくなる。制裁導入前のルサールの輸出比率が80%に上っていたことを考えれば、全世界にある関連会社だけでなく、グローバルなアルミ市場全体にとって破局的なことになりかねない。関係筋はこのように指摘した。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2018年9-10月合併号の中身を、どこよりも早くご紹介。今号は「ロシアの貿易と輸出促進の課題」と題する特集号で、その柱となる「2017年のロシアの貿易統計」、「ロシアの非原料・非エネルギー輸出促進策」というレポートを私が執筆しました。私は特集の枠外でも、「間合いを探り合った米ロ首脳会談」、「2018年1~6月のウクライナ経済」、「ワールドカップに水を差した政治的事件」といった記事を執筆。8月20日発行予定。この執筆・編集作業でグロッキーなので、今日のブログはこれだけでご容赦を。


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 ちょっと変なことに気付いてしまった。ロシア連邦国家統計局の『ロシア統計年鑑』には、しばらく前から、「ハイテク製品」の輸出入という指標が掲載されるようになった。2016年版の年鑑までは、OECDの定義によるハイテク製品輸出入額が記載されていた。ところが、2017年版の年鑑から、ロシア産業・商業省の定義によるハイテク製品輸出入額が掲載されるようになり、同年版に載っているのは過去3年間の数字だけなので、過去のデータとの断絶が生じてしまったのである。上のグラフは輸出側について見たものだが、両者のデータには2倍ほどの乖離がある。

 なお、2016年のロシアのハイテク輸出が33,198とされているが、原典に示されている構成比および前年比伸び率から見て誤りではないかと思われ、正しくは42,000程度ではないかと見られる。


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 多忙で、ブログのネタに窮しているので、時々更新するウクライナの乗用車販売のグラフでお茶を濁すことにする。まあ、景気のバロメーターとしては打って付けだろう。ウクライナの乗用車販売は、政変翌年の2015年がどん底であり、2016~2017はどうにかそこから脱して上向き加減ではあった。2018年に入って、年初の出足こそ好調だったものの、その後ほとんど横這いの状態が続いている。2018年1~7月の販売台数は46,177台で、前年同期比6.4%増だった。


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 ワールドカップでのフランスの優勝に敬意を表したニワトリ・シリーズ。先週申し上げたとおり、ロシアではニワトリの紋章が1個しか見付からなかった。しかし、1回だけで終わってしまうのは忍びないので、お隣のベラルーシからも1つ紹介したい。これはベラルーシ共和国ブレスト州ボストィニ村というところの紋章である。人口が千人ちょっとしかいない村であり、正直私も知らなかった。真っ赤な雄鶏は、勇気と熱意を象徴しているということである。


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 現在準備中のウクライナについての書籍に向けて、こんな地図を作成したのだけど、不採用となったので、ここに掲載する。仕事が多忙なので、今日のブログはこれだけ。


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 仕事が立て込んでいるので、簡単な記事だけ。こちらのサイトに、最新の2018年第1四半期のロシア・スマートフォン市場のブランド別シェアというものが出ている(金額でなく台数ベースのはず)。サムスンが1位なのは不動。ロシアでは、普段はアップルのシェアが15%くらいなのだが、今回の調査で12.1%に留まっているのは、新型の発表待ちといところだろうか?


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 こちらの記事が、独ザクセン州の代表団がベラルーシを訪問し、M.ミャスニコヴィチ上院議長と会談した際の様子を伝えている。この中でミャスニコヴィチ議長は、デジタル経済分野での共同プロジェクトを実施すべきである、ベラルーシには複数の経済特区があり投資環境は良好だ、その中には工業団地「グレート・ストーン」もある、ドイツ企業がそこで活発に活動してくれることを期待する、などと述べた。ザクセン州代表者は、その提案を支持するとともに、ベラルーシはITで有名である、ベラルーシで開発されたプログラムとIT技術を組み込んだドイツのコンピュータ機器を共同で生産するのも良い考えだろうなどと述べた。なお、2017年10月には初のベラルーシ・ドイツ・ビジネスフォーラムが開催されており、2018年11月にはドイツでそれが開かれる。ミャスニコヴィチ議長が第3回をミンスクで開催することを提案すると、ドイツ側もそれを支持、ドイツ側はベラルーシ議員の代表団にザクセン州を訪問するよう招待した。

 以上が記事のあらましで、それほど一般的な重要度は高くないが、中国が整備した「グレート・ストーン」に中国以外の外国企業が入れるというのは知らなかったので、取り上げた次第。


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 ロシア代表が自国開催W杯で大善戦したことにより、プレーヤーたちの市場価値も上昇したようである。こちらのサイトでは、下に見るように、主なプレーヤーの市場価値が大会前(水色)と大会後(黄色)でどのように変化したかを図示している。目立つのは、Aゴロヴィンの1,800万ユーロ→2,500万ユーロ、D.チェルィシェフの300万ユーロ→800万ユーロ、M.フェルナンデスの1,600万ユーロ→2,000万ユーロなどである。ロシア代表全体の市場価値は、1憶6,060万ユーロから、大会後には1憶8,370万ユーロに上昇したということである。

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 こちらの記事などが伝えるところによると、鉄道車両の貿易をめぐりロシアとウクライナがWTOで争っていた問題で、WTOのパネルは、ロシアの主張を認めたということである。ロシア経済発展省のM.メドヴェトコフ通商交渉局長が7月30日に明らかにした。この係争は、ロシアが2013年からウクライナ製の鉄道車両、機関車等の輸入を不当に制限しているとして、2015年10月にウクライナがWTOに提訴したものだった。対象となっていたのは、ウクライナのクリュキフ、ドニプロ、マリウポリ、ハルキフの各工場の製品。ロシア側は、当該製品の輸入が2013年の17億ドルから2015年の1.1億ドルに低下したのは、意図的な制限によるものではなく、別の原因によるものであると主張していたが、今回WTOはその主張を全面的に認めたものだと、ロシア経済発展省はコメントした。


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 ロシアでは、ガソリンの小売価格が値上がりしつつあり、それが国民の不満の種になっているということが、しばらく前から指摘されていた。その問題が気になっていたところ、ロシア統計局のこちらのサイトに、ガソリンの値上がり状況に関する統計数値が示されていた。

 これによると、ロシアの小売市場における2018年6月のガソリン価格は、年初から9.4%上昇した。前年同月比では、12.3%の上昇となる。このくらいであれば、許容範囲という気もしないでもないが、ロシアでは全般的にインフレが鎮静化しているので、ガソリンの値上がりが突出している感覚を受けるのだろう。値上がりの背景には、国際石油価格の上昇があり、その割にはここしばらくはルーブル安が続いているので、ある程度国際価格に連動する国内価格も上昇しているということなのだろう。

 ちなみに、上掲のグラフは、2016年末を起点にとり、その後、消費者物価(茶の太線)、ガソリン小売価格(オレンジの細線)、ガソリンの生産者価格(緑の細連)、原油の生産者価格(紺の細線)の水準がどのように推移してきたかを示したものである。この間、オレンジのガソリン小売価格は、20%近い上昇を示している。ただし、緑の卸売り価格はそれ以上に高騰しており、これはガソリンスタンドの販売マージンが低下していることを意味し、今後小売価格がさらに上昇する可能性を秘めている。

 なお、最近値上がりしていると言っても、ロシアは国際的に見れば依然としてガソリンが相当安い国である。こちらの記事によると、ロシアのガソリン小売価格は1リットル当たり0.72ドルであり、これは世界で10番目に安いという。ヨーロッパでは一番安い。


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 先週申し上げたとおり、フランスのワールドカップ優勝に敬意を表し、同国およびそのサッカー協会のシンボルであるニワトリの紋章シリーズをお届けしようかと思ったのだけど、調べてみたら、ロシアにはニワトリのデザインの市章の類はほぼ皆無であることが判明した。唯一、見付かったのがこれ。イルクーツク州ソスノフカ村というところの紋章であり、地名の語源である松(ソスナ)とともに、ニワトリが描かれている。なんでも、この村に養鶏場があるということらしく、そこで2014年にこのデザインの紋章を制定したらしい。


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 先日、Globe+に、「ワールドカップ成功の影でプーチン氏の支持率が落ちている」と題する文章を寄稿した。その中で、全ロシア世論調査センターによる、信頼する政治家としてプーチンおよびメドヴェージェフを挙げた国民の比率というグラフをお目にかけた。これは、同センターが毎日1000人のロシア国民に電話アンケートを実施し、その中で「貴方の信頼する政治家を挙げてください」ということを問い(複数回答可能)、それを週ごとに集計して発表しているものである。

 前回の寄稿の際には、7月8日の集計結果が最新だった。その後、7月15日、7月22日と、2回の集計結果が発表されたので、これをフォローアップすることにしたい。これを見ると、どうやらプーチンへの信頼度合いというのは、ひとまず下げ止まったような印象である。国民の年金改革への反発を受け、6月24日に最近では初めて40%を割り込んだわけだが(38.3%)、7月1日37.9%、7月8日37.6%、7月15日37.9%、7月22日37.7%と、その後はほぼ横這いとなっている。回復の兆しは見られないが、これ以上大きく落ち込む様子も、今のところ見て取れない。2018年に入ってからのトレンドを整理したのが、上のグラフである。


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 リア・ノーヴォスチのこちらのサイトに、ロシアの産業発展動向を示す重要な図解資料が出ていた。化学工業部門における輸入代替生産プロジェクトの動きである。これによると、「2030年までの化学・石油化学工業発展戦略」と、「化学工業における輸入代替措置計画」の枠内で、2018年には6件のプロジェクトが実施されており、48億ルーブルが投資されている、ということである。近年中に、さらに21のプロジェクトが始動する予定とされている。

 本年実施されている6件のプロジェクトとは、クルスク州のポリエチレン・フィルム、サマラ州のポリアミド6、クラスノダル地方の肥料、ヴォルゴグラード州の殺虫剤、レニングラード州の排水管、スヴェルドロフスク州の粉末冶金および塗料となっている。


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 7月16日にヘルシンキで開催された米ロ首脳会談を受け、7月23日~8月19日付の『エスクペルト』誌が特殊記事を掲載している。この中で、D.エフスタフィエフという学者が執筆している論評の中に、今後、ロシアと米国が中長期的に関係を構築していく上で柱となりうる5項目というものが掲げられている。それを整理・要約すると、以下のとおりである。

  1. 戦略的な安定性。米ロ両国にとって、核兵器をはじめとする軍事力の新たなルールは必要。軍事力を個々の協定でコントロールすることは生産的でなくなっており、米ロが主導する形でグローバルな戦略的安定性の包括的な概念を策定することが求められ、その後それに中国も加わるようなことが考えられる。
  2. 米ドルをグローバルな金融システムの基盤として保持すること。米国にとっては、中国やロシアが自らの影響下にある経済空間を非ドル化しようとしていることは不都合。中ロ等がそうした試みを手控える代わりに、トランプが何らかの見返りを提案できるかというのが焦点。
  3. 炭化水素資源市場における新たなグローバル秩序。炭化水素資源市場の価格破壊は、サウジアラビアやロシアにとってと同等に、米国のシェール業者にとっても痛手。ロシアにとっても、現状のOPECとのカルテルから、一連の機械分野での米国との協力にシフトすることは有益。トランプが内政面で新たな力関係を築けるかが鍵。
  4. アジアにおける軍事的・政治的安定性。東方シフトを進めるロシアにとってアジアの安定は必須。その際に、2016~2018年の動きから見ると、東アジアの安定は巷間言われていたように中国ではなく、今のところ米国にかかっている。したがってロシアは、米中対話、場合によっては上海協力機構などの地域の既存枠組みの協議に米国が参加することも歓迎する。
  5. サイバー安全保障。サイバー空間で仁義なき戦いを始めたのは米国側だったが、それが制御不能になり、米国自身が困惑している状況にある。

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 こちらの記事によると、ロシアの首都モスクワ市の郊外部分に当たるモスクワ州は、経済特区2箇所を創設したい考えだという。このほど、ヴォロビヨフ・モスクワ州知事がメドヴェージェフ首相と面談し、その旨の希望を伝えた。ドモジェドヴォとカシーラがその候補地である。ヴォロビヨフ知事は面談の中で、本日特に提起したいのは新たな経済特区2箇所の創設だ、VTB銀行と共同で創設する可能性がある、連邦政府に要望したいのはインフラ創設のための資金ではなく(インフラはすでにある)関税と税制の優遇があれば十分だ、そうすれば投資家を誘致して新たな企業を創設することができる、などと述べた。メドヴェージェフ首相側は、そのプロジェクトは以前から検討されていたので、すでに承知している、と応じた。

 以上が記事のあらまし。2箇所のうち、ドモジェドヴォは空港のあるところで、モスクワ市のすぐ南に位置する。一方、カシーラという街については知らなかったので調べたところ、上掲地図のような位置で、モスクワ州の中でも南端にあった。最近は、経済が発達した地域は工業団地を創設し、後進的な地域は新型特区(先行開発地域)を創設するという流れであり、あえて時代遅れとなった感もある旧型特区を創設するという方針が興味深い。


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