服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 ロシア圏からは離れてしまったが、まだ続く、クジラの紋章シリーズ。今回はオランダのザーンスタットという街。ご覧のとおり、紋章の盾を、左右2匹のクジラが支える形となっている。この街は、かつて捕鯨ビジネスで一時代を築いたということであり、それゆえにこのデザインとなっているわけである。かつての捕鯨の街の割には、今日では内陸に位置しているが、たぶん埋立てで国土が拡張された関係だろう。


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 これは先週明らかになった、かなり大きな経済ニュース。こちらなどが伝えるところによると、中国系のアリババ・ルグープはロシア資本と合弁企業AliExpress Russiaを創設し、ロシアにおけるネット通販AliExpressの事業を同合弁に委ねることになった。AliExpressだけでなく、B2CのTmallなどもその傘下に入る。AliExpress Russiaの株式比率は、アリババ・ルグープ48%、ロシア通信大手のMegaFonが24%、ロシア・ネットサービス大手のMail.Ru Groupが15%、ロシア直接投資基金が13%となる。

 なお、これに至るまでの背景については、しばらく前に書いた拙稿「ロシアにとって踏んだり蹴ったりな中国アリババのネット通販」を参照していただきたい。要するに、ロシア側が、「我が国で商売をするなら、応分の投資と利益配分をしろ」と迫り、アリババがそれに歩み寄ったということなのだと思う。


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 こちらの記事によると、ロシアのトルトネフ副首相・極東連邦管区大統領全権代表は、極東経済フォーラムの方式をリニューアルすることを提唱した。トルトネフがプーチン大統領にその旨を要請したところ、プーチン大統領も了承し、来年2019年から刷新されるということである。具体的には、行事の数を減らすこと、極東開発の重要問題にテーマを絞ること、セッションの結果についてモデレーターがプーチン大統領に報告すること、などが変更内容だという。


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 我々ロシア界隈の人間にとっては、見逃せない映画がこのほど日本でも公開された。ロシアを中心にドイツ、リトアニア、ポーランドも加わって国際制作された作品『ヒトラーと戦った22日間』である。公式HPはこちら。作品の概要を引用させていただくと、

 第2次世界大戦下にナチスが建設したアウシュビッツと並ぶ絶滅収容所ソビボルで起こった脱出劇を、実話をベースに描いたドラマ。国籍、貧富などは関係なく、ユダヤ人たちがガス室で大量殺りくされていったソビボル絶滅収容所。からくも存命しているユダヤ人たちの間では、密かに脱走を計画するグループがあったが、彼らにはその計画を牽引するためのリーダーが存在しなかった。そんな中、1943年9月、ソ連の軍人アレクサンドル・ペチェルスキーが収容者としてソビボルに送り込まれる。ペチェルスキーの統率能力とカリスマ性によって、収容者全員脱出を目指す壮大な反乱計画が本格的に動き出す。ロシアの国民的俳優コンスタンチン・ハベンスキーが自らの脚本で初メガホンをとり、映画監督デビュー。同時にペチェルスキー役で主演も務めた。「ハイランダー」シリーズのクリストファー・ランバート、「ゆれる人魚」のミハリナ・オルシャンスカ、「バタリオン ロシア婦人決死隊VSドイツ軍」のマリア・コジェーブニコワらが顔をそろえる。

 というものである。私自身は、旧ソ連の中でもユダヤ人口の多かった西寄りの欧州ロシア、ウクライナ、ベラルーシのことを主に研究しており、また同地域出身で米国にわたり音楽業界で成功したユダヤ人のことを調べるのが趣味なので、個人的に非常に身近なテーマである。しかし、ロシアの映画でナチス・ドイツのユダヤ人収容所を描いた作品はほとんど前例がないそうで、私自身もこの作品から受けたインパクトは非常に大きかった。

 ところで、私は映画を観る時にはなるべくネタバレしないように、余計な予備知識を持たないまま作品と向き合うようにしている。しかし、この『ヒトラーと戦った22日間』に限っては、ある程度の予習をした方がいいのではないかと感じた。現に、映画を観た段階では、理解し切れないところがあり、後からパンフレットを読んで、「なるほど、そういうことだったのか」と合点が行った点が少なくなかったからだ。

 ちなみに、映画の原題は、ロシア語でも英語でも『ソビボル』である。個人的には、ヒトラー自身は一切登場しないわけだし、『ヒトラーと戦った22日間』という邦題よりも、素直に『ソビボル』または『ソビボル絶滅収容所』のままでよかったのではないかという気がする。


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 日ロ関係が終わったっぽいが、その話題に触れるのは面倒なので無視して別の話をすると、こちらおよびこちらの記事によれば、東方経済フォーラムの席でロシアのオレーシキン経済発展相は、ロシア・ルーブルの適正レートについて発言した。直近では1ドル=69ルーブル程度となっているが、財務省による外貨買入がなく、油価がバレル78ドルという条件では、1ドル=50ルーブル程度が均衡レートであろうと、オレーシキン大臣は述べた。オレーシキン大臣によると、足下のルーブル安はロシアからの資本の短期的な逃避によるものであり、それが収束すれば、為替も反転する。中期・長期的なレートの見通しは1ドル=63~64ドルとなっているが、それを修正する理由は一つも見当たらない。ロシアの経常収支は力強く、財政収支はGDPの1%のプラスで、対外債務も軽微だと、大臣は指摘した。


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 こちらの記事によると、このほどロシアでようやくポケモンGOが解禁された。主要国では2016年夏にローンチされていたが、ロシアでは2年遅れでようやくこのゲームにアクセスできるようになった。これまでもロシアのユーザーは非公式サイトでダウンロードして同ゲームを楽しんでいたが、9月11日朝からロシア版のAppStoreおよびGoogle Playで正式にポケモンGOのアプリをダウンロードできるようになった。ただし、本件につき開発元のNiantic Labsは公式な発表を行っておらず、RIAノーヴォスチの問い合わせにも応じていない。


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 クジラの紋章シリーズをお届けしているが、ロシア圏のクジラ紋章は、先週までの4ネタで尽きてしまった。そこで、ロシア以外のものも少し。これは、ノルウェーのモルデという街の市章である。ありがたいことに、ウィキペディアに日本語の説明があったので、以下引用させていただく。

 (この紋章は)1742年から使用されている。ニシンの入ったたるを追うクジラを表し、市の最初の産業である水産品と木材の輸出を象徴化している。モルデは捕鯨の町ではない。古来からクジラは精霊で、魚の群れを一年の何度かに追ってやってくる姿から吉兆のしるしだと信じられていた。


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 今回のウクライナ出張の夕食の一コマ。ウクライナ国旗色の、黄色と青の愛国ヴァレーニキ。ちょっと青が国旗の青っぽくない気もするが。けばけばしい色合いに反し、中身はジャガイモとカッテージチーズの、割とオーソドックスなヴァレーニキだった。


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 今回のウクライナ出張で多く見かけた看板・ポスター。「軍! 言語! 信教! 我々は我が道を行く! 我らウクライナ ペトロ・ポロシェンコ」とある。北朝鮮並みに先軍政治をうたっているのには思わずビビるが、「言語」というのは言うまでもなくもっぱらウクライナ語を指し、また「信教」も宗教一般ではなく暗にキエフ派の正教会を拡大していく決意を示したものであろう。要するに現在の国家路線をさらに不退転に推し進めていくという立ち位置を示したものだ。


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 ウクライナにつき、重要でありながら、これまで個人的に見逃しており、今回の現地調査で認識するに至った問題があったので、書き留めておく。

 ウクライナは、フランスに似たような感じの政治制度になっており、意外に中央集権的な国である。それを分権化していくというのが以前から懸案になっており、例のドンバス自治付与と直接関係するわけではないが、2014年のユーロマイダン革命後に、EUの技術支援も受けながら、地方分権化が実際に動き出した。その際に、隣接する地方自治体同士の自発的な合同と引き換えに自治を与えるという方式になっており、この間、一部自治体の合同と分権化が同時並行的に進んできた。

 複数の隣接自治体同士が自発的に合同し、新たな「合同地域体」を形成することは、こちらに見るとおり、2015年2月5日付のウクライナ法によって定められている。合同地域体は、ウクライナ語ではОб'єднана територіальна громадаと、ロシア語ではОбъединённая территориальная общинаと呼ぶ。ウィキペディアの解説によると、合同地域体は、行政中心が市に置かれている場合には市型の合同地域体と、町に置かれている場合には町型の合同地域体と、村に置かれている場合は村型の合同地域体と見なされる。2018年4月10日までに728の合同地域体が成立し、そこには630万人が居住している。合同地域体の数はさらに増えていく方向と思われる。

 ただし、私の理解する限りでは、日本の「平成の大合併」などとは異なり、ウクライナの合同地域体は、既存の市町村を廃止するわけではなく、それらを束ねる新たな枠組みを形成する、ということのようである。現に、統計集を紐解くと、ここ3年で合同地域体の数は急増しているのに、市町村の数は完全に横這いである。

 自発的な合同と引き換えに、合同地域体は、財政などの権限が拡大される。そして、従来ウクライナでは、州知事はもちろん、市町村レベルの首長に至るまですべて中央による任命だったのだが、合同地域体では住民が首長を直接選出できるようになる。すでに、2017年10月、12月、2018年4月に、合同地域体の議会および首長選挙が統一的に実施されている。


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 日本人なら思わず旨煮と表記したくなる、ウクライナのウマニという街がある。普段は目立たない小都市だが、実はウクライナのユダヤ人の歴史・文化においては聖地とも言うべき地である。詳しくは、近く刊行される『ウクライナを知るための65章』で赤尾光春さんという専門家が語っているので、ぜひそちらを参照していただきたいが、赤尾さんによると、ユダヤ教敬虔派ハシディズムの義人ブラツラフのラビ・ナフマンの墓がこの街にあり、そこへの巡礼がユダヤ人の伝統となっているという。ナフマン廟への巡礼はソ連崩壊後に解禁され、ユダヤ暦新年(ロシュ・ハシャナ)になるとウマニの一角はイスラエルや世界中から来た多数のユダヤ教徒で埋め尽くされるというのだ。

 それで、今回9月4日にキエフのボリスポリ空港に降り立ったところ、妙に正式な装束を身にまとった正統派のユダヤ人が多いのが目に付いた。しかも、彼らの多くは、カオスのようなパスポートコントロールの行列から解放され、荷物受取場に出ると、まず端の壁に向かい、熱心に祈りを唱え始めるのだ(上の写真がその様子)。エルサレムの嘆きの壁は有名だが、ボリスポリ空港の壁でも代用可能とは知らなかった。私は何人かに声をかけてウクライナ渡航目的を聞いてみたが、皆口々に「ウマニ」と答えていた。調べてみたところ、やはり本年は9月上旬のこの時期がまさに、ユダヤ暦新年(ロシュ・ハシャナ)に当たるということであり、ウマニで新年を迎えるためわざわざウクライナにやって来たということになる。


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 ジョージアでのきわめて有意義な調査は終わり、4日夕方の便でウクライナ・キエフに移動。しかし、トビリシの空港でウクライナ国際航空にチェックインしようとしたところ、「事前にネットで登録していない客はチェックイン料が15ユーロ」とかいう訳の分からない料金を徴収され、同行の皆さんは憤懣やるかたない様子。キエフのボリスポリ空港に着いたら着いたで、入国審査に長蛇の列ができており、カオスの様相。市内に移動しても、両替の窓口、スーパーの店員等、あまりにもぶっきらぼう。同行の皆さんは、陽光と笑顔のトビリシを名残惜しんでいる様子だが、私はむしろ、久し振りにホームに帰ってきたという心境だ。2年半ほど足が遠のいていたウクライナに、ようやく帰ってきた。


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 9月3日のジョージア・トビリシでの調査は、主にジョージア外務省にて、アジア局長、対外経済関係副局長、欧州統合局長にそれぞれ1時間ほどお話しを伺うことに費やした。非常に実り多い聞き取り調査となり、実り多すぎて、ちょっとすぐには消化しきれないくらいだった。日本大使館にお邪魔し大使にもお話を伺ったが、4日から日本の河野外相が日本の外務大臣として初めてジョージアを訪問するということで、大変お忙しい中、大使にご対応いただけたのは恐縮でした。


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 というわけで、ロシアでの調査を終え、昨日の飛行機でロシアのモスクワからジョージアのトビリシに移動。本日から本格的な調査に入ります。写真は昨日の夕食。にしてもロシアと違いライブドアブログに接続できるのが有難い。モスクワのホテルにコンセントのアダプターを忘れてきたっぽい。


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 クジラの紋章シリーズ。今回はロシア北極圏、バレンツ海に面したムルマンスク州コラ市の市章。コラ半島、コラ原発などで知られる地名だ。その市章が上掲のようなものであり、どう見ても人面魚にしか見えないが、これがクジラということである。


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 これは話題としては新しくないのだが、個人的に認識しておらず、見落としていた動きだったので、整理しておく。

 こちらの解説などに詳しいが、「汎欧州・地中海原産地規則憲章」なるものが存在する由である。この地域では、EUを軸に多角的なFTAのネットワークが形成されている。ウクライナも、連合協定に伴うDCFTAをEUと結んでいる。ウクライナがEUに無税で商品を輸出するためには、単にメイドインウクライナだけでは駄目で、その商品が主としてウクライナ産の材料を用いたものでなければならない。あるいは、輸出先のEU産の材料でもOKである。そこで問題となるのは、たとえばEUとトルコの間ではFTAが成立しており、ウクライナがトルコ産の生地を使って服を生産しそれをEUに輸出する場合にはどうなるのか?ということだ。そこで、欧州および地中海沿岸諸国で、原産地に関する共通のルールを設け、FTA関係にある第三国の原料の使用も認めようというのが、この汎欧州・地中海原産地規則憲章である。ただし、単にこの憲章に加わるだけでそれが認められるわけではなく、ウクライナがトルコとFTAを結んではじめて、ウクライナはトルコ産生地を使って生産した服をEUに無税で輸出できるようになる、ということだ。ウクライナはすでにEU、EFTA、モンテネグロ、マケドニア、(CIS自由貿易協定を通じて)モルドバとFTA関係にあり、さらにトルコ、イスラエルとも交渉を進めている。

 それで、こちらの記事によれば、ウクライナは2018年1月31日付で汎欧州・地中海原産地規則憲章の加盟国になった、ということである。


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 以前も何度か苦言を呈したように、私のこのブログが入居するライブドアブログは、ロシアでアクセス禁止の対象となっている。別に当ブログがロシア当局から敵視されているということでもあるまいが、とにかくロシアではライブドアブログ全般がアクセス不能な状態になっている。

 それで、従来は単にブログの閲覧ができない状態だったのだけれど、ブログの編集画面は普通に開くことができ、ブログの更新は可能だった。ところが、今回ロシアに来てみたら、編集画面にもアクセスできなくなっていた。

 ただ、今回の出張前に、思うところあり、「Chromeリモートデスクトップ」の設定をしておいた。これは、当該の設定さえすれば、Chromeを通じて、たとえば自宅のPCを遠隔から操作でき、なおかつそのデスクトップの模様も遠隔から閲覧できる、というものである。なので、ロシアに居ながらにして、自宅PCを通じて、ロシアで利用できないネットサービスを利用できる、ということになる。この設定は無料であり、また自分のPCを遠隔から操作・閲覧しているだけなので、法律的な問題もない。なお、設定方法に関しては、私が探した範囲内では、たとえばこちらのサイトの説明が非常に分かりやすかった。

 というわけで、現在このブログは、ロシアのホテルの一室から、自宅PCを遠隔操作して更新しているわけである。別目的のためにChromeリモートデスクトップを設定していたのだが、思わぬところで役に立った。ただし、ホテルのWiFiは低速なので、遠隔操作の動きはもっさりとしており、ストレスを感じる。出先の環境が相当な高速通信でないと、音楽や動画は無理だろう。


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 こちらの記事などによると、現在、ロシア政府は「空間的発展戦略」という国土開発のコンセプトを策定中であるが、経済発展省の起草した案によれば、国土を14のマクロリージョンに区分するという方針が打ち出されている。これは、今日すでに存在する連邦管区のような行政区分とは異なり、実際に生じている経済・社会的繋がりを重視するもので、その枠内でのより緊密な関係構築を目指そうという方向性である。草案は9月に内閣に提出され、11月には採択の運びとなる予定。しかし、シベリア連邦管区大統領全権代表などは、シベリアを複数に分割するという草案に反対し、シベリアは一体の存在として残すべきだと主張するなど、原案どおり承認されるかはまだ不透明である。提案されている14のマクロリージョンは、以下のとおり。

  1. 中央
  2. 中央・黒土
  3. 北西
  4. 北カフカス
  5. ヴォルガ・カマ
  6. ヴォルガ・ウラル
  7. ウラル
  8. 西シベリア
  9. 南シベリア
  10. エニセイ
  11. バイカル
  12. 極東

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 当ブログではフォローが遅れてしまったが、先日ロシアのベロウソフ大統領補佐官が、冶金、化学部門の大企業は輸出で膨大な超過利潤を得ているので、それらに対する大掛かりな課税を行うべきだと提案する動きがあった。それに関し、『プロフィール』誌のこちらのページに解説・論評記事が掲載されているので、一部を抄訳しておく。

 先日、大統領補佐官のベロウソフが、プーチン大統領に提出した書簡の内容が明らかになった。この文書は、冶金、化学、肥料メーカーへの課税を引き上げる内容で、具体的にはノヴォリペツク冶金コンビナート、セヴェルスターリ、マグニトゴルスク冶金コンビナート、メチェル、メタロインヴェスト、エヴラズ、ノリリスクニッケル、SUEK、アルロサ、ポリュス、フォスアグロ、ウラルカリ、アクロン、シブールが対象とされている。

 ベロウソフは、これらの企業の税負担は石油ガス部門に比べ低く、追加的に5,000億ルーブル(75億ドル)支払っても痛みはない、と主張している。

 ロシア産業・企業家同盟では、製造業部門と鉱業部門の売上・納税を対比するのは不適切だと反論。たとえば、化学・石化部門であれば、5つかそれ以上の技術的工程があるのが普通で、それにより原料よりも数倍高い製品が生まれる。しかも、ベロウソフの使用している企業財務データは、会社自身の財務報告と合わないと、同同盟では指摘する。

 セヴェルスターリのモルダショフ社長は、マントゥロフ産業・商業相に対し次のように訴えた。くだんの追加課税がなされれば、同社は投資プログラムを一時停止するだけでなく、縮小せざるをえなくなる。同社では過去10年で3,000億ルーブルを投資に向けてきたが、巨額の投資減を迫られることになるだろう。鉄鋼業と石油採掘を同列に比較するのは無理であり、石油採掘が国民財産である石油資源に依拠しており、しかも石油採掘では付加価値の要因が小さく、だからこそ同部門では課税額が大きくなっている。一方、鉄鋼業の売上では付加価値の割合が大きく、それは労働生産性の向上とコスト削減のための技術近代化によって達成されるものだ。今回のベロウソフの提案は、生産近代化、労働生産性向上への意欲を殺ぐことになり、冶金産業だけでなくロシア経済全体が不利益を被る。モルダショフはこのように主張する。

 これに対し、アリパリ社のアナリストであるトカチュークによれば、冶金および化学部門の超過利潤に対する増税の問題は以前から議論されている。これら部門の税負担率が7~9%であるのに対し、石油ガス部門では20~30%に及ぶ。ロシアではこれまでの経緯で主に石油ガス部門が税負担を引き受けてきたが、現在のロシアは困難な情勢で、課税負担をより多くの企業・市民が担うべき時である。石油ガスに次ぐ規模を誇るのが冶金なので、次に負担を負うのが冶金部門になるのは理に適っている。これまで様々な案が検討され実現しなかったが、ベロウソフ案は選択肢の一つだ。しかも、提案の対象は大企業だけで、中小企業は影響を受けず、課税は財政歳入と5月大統領令の実施に充てられるわけで、理に適っている。ベロウソフの提案している課税規模は吸収可能であり、現にリストにある企業の2015年のEBITDAは1.5兆ルーブルと膨大な額に上っている。ただし、ベロウソフは売上、課税率、EBITDAという3つの指標のみで課税すべき規模を算出しており、それだと効率の良い会社ほど多く納税すべきだということになってしまい、矛盾をはらんでいることは事実である。冶金企業にとってみれば、欧米の制裁と増税のダブルパンチである。あるいは政権側はこの案をリークして、経済界や社会の反応を見ているのかもしれない。今後議論となるだろうが、課税するにしても最終的にはその規模が縮小する可能性はある。トカチュークはこのような見方を示した。


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 誰も興味がないような話で恐縮である。ウクライナで、サッカー・プレミアリーグの試合を観に行くと、試合前にウクライナ国歌の伴奏が流され、皆でそれを歌うことになっている(ナショナルチームではなく、あくまでもクラブ・レベルの試合である)。もっと言えば、試合中にも、自然発生的に観客席が国歌を歌い始め、そのたびに当方も起立しなければならないので、面倒である。

 そんなこんなで、ウクライナ・プレミアリーグにおける国歌の演奏は義務付けられたものであり、少なくとも2014年の政変後は義務になっているのだろうと想像していた。しかし、今般調べてみたところ、こちらこちらの記事に見るとおり、試合前の国歌が義務付けられたのは、つい最近のことらしい。具体的に言えば、2017年11月6日のウクライナ・サッカー協会の理事会で国歌義務付けが決定され、2017/18シーズンの途中から施行されたということだ。なお、この決定に先立っては、シャフタールVSマリウポリの一戦の前に国歌が演奏されず物議を醸したことがあったそうで、従来は自然発生的だったものをこの事件を受けて名文化したということのようだ。


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 国際的なブレント石油価格と、ロシア通貨ルーブルの対米ドル・レートを対比して示すこの図は、『調査月報』に掲載するため毎月更新しているものだが、前回が合併号だったので今月末のまとめ作業がなく、代わりにここに掲載する次第である。

 一目瞭然のように、2018年第1四半期くらいまでは、ルーブル・レートはほぼ油価に連動していた。それが、4月頃から乖離が激しくなり、石油が高くなってもルーブルが下がるという異変が生じた。まあ、これは、米国が出口戦略で利上げに転じ、新興国から米国への資金の還流が生じたことの一環と思われる。その後、米国を軸とした貿易戦争や、トランプ米政権による対ロシア追加制裁などが重なり、ロシア・リスクオフの動きからルーブルはさらに弱含んだ。さらに、8月に入ると、米国によるさらなるロシア制裁の動き、クレディスイスがロシア資産を凍結したとの報道、トルコ・リラ危機のあおりなどを受け、ルーブルは大きく下落した。

 ちなみに、私は本日からロシア・ジョージア・ウクライナに調査出張に出かける。いずれも直近で通貨が下落している国であり、旅行者はプチ王侯貴族気分を味わえるだろうか?


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 ロシアW杯では3万人を超えるボランティアが大会の運営を大いに盛り立てたが、こちらの記事によれば、大会終了後、一部でそのユニがネットなどで売りに出されるという現象が見られるということである。ボランティア自体は報酬なしの奉仕活動なので、この記事では、「せめて少しでもマネタイズしようとしたのか」といった調子で伝えている。

 今大会では、一般客と区別するために、市内、ファンゾーン、プレスセンターのボランティアには青系のコスチュームが、スタジアムおよびその周囲のボランティアには赤系のコスチュームが配布された。ボランティアになると、各人のサイズに合うズボン、Tシャツ、パーカー、雨合羽、キャップ、リュック、シューズ入れ、カバンのセットを無料でもらえ、それらは一生の思い出になるとうたわれていた。ところが、大会終了後に、それらのセットが、安いところでは4,000ルーブル、高いところでは4万ルーブルほどで売りに出されている。なお、ボランティアに関する規定には、グッズを販売してはいけないという項目は存在しない。


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 クジラの紋章シリーズ。今回は、ロシア極東のチュクチ自治管区に位置し、ベーリング海に面したプロヴィデニヤ町の紋章(正確に言うと同町を中心としたプロヴィデニヤ地区の紋章)。先住民の伝統的な漁にちなむということであり、姿からしてホッキョククジラか。


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 こちらの記事で知ったのだが、自動小銃で有名なロシアの兵器メーカー「カラシニコフ」がこのほど、モスクワで開催されている武器展示会で、同社が開発した電気自動車を発表したということである。

 カラシニコフ社自身の発表は、こちらのサイトになるのかな。それで、このモデルで興味深いのは、電気自動車で想像する近未来的な姿ではなく、あえてレトロなデザインに訴求していることである。1973年から1997年にかけてイジェフスク自動車工場で生産されたIZh-2125というモデルがあり、翻ってそれはモスクヴィッチ-412をベースとしていたのだが、今回のカラシニコフの電気自動車は外観はIZh-2125を踏襲しているということのようだ。


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 こちらの記事によると、英国で起きたロシアの元スパイ親子への襲撃事件を理由とした米国による新たな対ロシア制裁措置は、当初は8月22日に公布され発効すると見られていたが、米国務省によれば、27日になる見通しになったということである。この措置は8月8日に米国が発表したもので、その第一弾として、汎用製品の対ロシア供給を禁止する。第二弾の措置はより厳しいもので、ロシア企業への信用供与、輸出入にかかわるものであり、また外交レベルを引き下げることも含み、こちらは11月に導入される見通しである。


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