服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 少々古く、2015年12月に出た情報だが、こちらのサイトに、2014年の欧州各国の国民の消費支出に占める食費の比率のランキングというのが出ているので、抜粋して紹介する。これはいわゆるエンゲル係数のことなので、数字が高いほど貧しいということになる。欧州40ヵ国が対象になっているが、全体の平均は22.9%。私の関係国は、全部Bクラスなので、図の下の方だけトリムして、上掲のようにお目にかける。最下位は、急激に生活水準が低下しているウクライナで56.5%、以下モルドバ、カザフスタン(同国も便宜的に欧州国として扱われている)と続く。


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 やや古くなってしまったが、ベラルーシ国営ベルタ通信のこちらのサイトに見るように、同国ではルカシェンコ大統領が2016年4月11日付で大統領令に署名し、老齢年齢受給開始年齢が引き上げられることになった。現状では、男性60歳、女性55歳である。それが、2017年1月1日を皮切りに、年間0.5歳ずつ引き上げられていき、2022年1月1日には男性63歳、女性58歳になるというスケジュールである。つまり、6年間をかけて、男女それぞれ3歳ずつ引き上げられるわけである。

 ちなみに、同じくベルタ通信では、下に見るような、周辺国や主要国の年金受給開始年齢を比較した図を示している。現状でベラルーシの年齢が最も低い、だから引き上げて当然だと言わんばかりの資料である。ただ、この図の一番下に掲載されているのが日本であり、男女ともに70歳にならないと年金がもらえないことになっている。それが本当なら、とんだブラック国家であり、これは日本政府が抗議をすべきレベルの誤報なのではないだろうか。

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 ブラジルはミナスジェライス州に所在するコンタジェン市。歴史的に重工業都市として発展してきたということなので、紋章に描かれているのは工場の煙突かな?


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 こんな新刊が出ました。ウェンディ・ロワー著『ヒトラーの娘たち ―ホロコーストに加担したドイツ女性』(明石書店、2016年)です。私もベラルーシの地名表記についてのアドバイスをする形で、ちょっとだけ手伝いました。Amazonからコピーすると、内容は以下のようなもの。

 ナチズムが生んだ一般のドイツ女性たちは`血塗られた地'(ブラッドランド)で何を目撃し、何を行ったのか。レイシズム、国家主義のさいはてに待つ、知られざる歴史の闇に迫る。ナチス・ドイツ占領下の東欧に入植した一般女性たちは、ホロコーストに直面したとき何を目撃し、何を為したのか。冷戦後に明らかになった膨大な資料や丹念な聞き取り調査から、個々の一般ドイツ女性をヒトラーが台頭していったドイツ社会史のなかで捉え直し、歴史の闇に新たな光を当てる。



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 こちらの記事によれば、ロシア企業がラトビアの港を利用する機会が減っている中で、ベラルーシ貨物の増大が救いになっているという。ラトビアの鉄道大臣が明らかにしたところによると、ラトビアはベラルーシ貨物の誘致に努めており、その一環としてラトビア・ベラルーシ・中国3者間でのトランジット協力も推進している。7月初頭にはラトビア鉄道とベラルーシ鉄道の社長間で鉄道輸送に関する協力協定に調印、ベラルーシ領を経由してコンテナ列車をラトビア港湾までトランジット輸送するプロジェクト「ズブル」の貨物拡大についても話し合った。ベラルーシの鉄道輸送のうち、24%がベラルーシ・ラトビア間の輸送である。2015年にはラトビア向けおよびラトビアの港向けの貨物が59.9%も増大した。ラトビアにとってベラルーシはロシアに次ぐトランジット・パートナーであり、ロシア貨物が76%であるのに対し、ベラルーシ貨物は10~12%、カザフスタン貨物が3~4%となっている。2015年5月に東方パートナーシップのビジネスフォーラムがリガで開かれた際に、ベラルーシ国営の「ベラルーシ石油会社」がリガ自由港からノヴォポロツク産石油製品を積みだすためのターミナルを買収する契約が調印された。これにより、ラトビア側は荷主を保証され、ベラルーシ側はより効率的な輸出が可能になる。2012年にはルカシェンコ大統領が、ベラルーシ貨物を(ベラルーシに政治的・経済的制裁を課している)バルト三国の港からロシアのレニングラード州・カリーニングラード州港湾にシフトする可能性について言及したことがあったが、現実にはベラルーシとラトビア港湾の関係は深まっている。


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 ミナスジェライス州にあるウベルランジア市。ブラジルの都市紋章を、都市の人口が多い順に取り上げているが、これで30番目の都市まで来た(ということは、もう1ヵ月やってるのか)。諸事情により、市章の画像が鮮明なものがなく、恐縮。


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 これも旧聞ゴメンといったところだが、当方がバタバタしているうちに、先日サッカーのロシア代表監督が決定していたようだ。白羽の矢が立ったのは、ロシア人指揮官のスタニスラフ・チェルチェソフ氏で、8月11日にロシア・サッカー協会と同氏が契約に調印した。1963年生まれで現在52歳のチェルチェソフは、現役時代はGKで、スパルタク・モスクワやロシア代表で活躍した。契約は自国開催ワールドカップが終了する2018年8月1日まで。今回の監督人選は、ロシア人をというのが既定路線で、7月に4人の候補の名が明らかになっていたが、そのうち最も順当なチェルチェソフ氏が選ばれた形だ。こちらの記事によれば、本人は就任後の記者会見で、ラディカルな方策をとるつもりはない、どんな分野でも革命というものは良い結果をもたらさないものだと述べた。ギンタラス・スタウチェ(リトアニア人)、ミロスラフ・ロマシチェンコ、ウラジーミル・パニコといった専門家が代表チームにスタッフ入りし、監督を支える。このスタッフたちを引き連れて2015/16シーズンにポーランドのレギア・ワルシャワで指揮をとったチェルチェソフは、クラブをリーグ戦およびカップ戦の二冠に導いたということである。


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 若干古く、7月末の記事だが、こちらに、2年後のFIFAワールドカップ・ロシア大会に向けたスタジアム建設の概要が整理されて出ているので、箇条書きにしておく。データは、収容人数:建設費:完成時期となっている。

  • サンクトペテルブルグ:6.8万人:392億ルーブル:2016年12月。
  • カリーニングラード:3.5万人(大会後は2.5万人):185億ルーブル:2017年12月。
  • サマラ:4.5万人:182億ルーブル:2017年12月
  • エカテリンブルグ:3.5万人(大会後は2.2万人):150億ルーブル:2017年。
  • ヴォルゴグラード:4.5万人:163億ルーブル:2017年11月。
  • ニジニノヴゴロド:4.5万人:170億ルーブル:2017年12月。
  • ロストフナドヌー:4.5万人(大会後は4.0万人):170億ルーブル:2017年12月。
  • サランスク:4.5万人(大会後は3.0万人):158億ルーブル:2017年12月。
  • ソチ:4.5万人(大会後は4.0万人):改装費38億ルーブル:2016年11月。
  • モスクワ・ルジニキ:8.1万人:197億ルーブル:2017年5月。
  • カザン:4.5万人:140億ルーブル:2013年6月。
  • モスクワ・アトクルィチエ:4.5万人:145億ルーブル:2014年9月。

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 ブラジル・サンパウロ州の都市、リベイラン・プレト。地名はどうも「黒い小川」という意味らしく、紋章にもそれが反映されているのかな(黒くは描かれていないが)。農業とハイテク産業が発達しているため、ブラジルのカリフォルニアとも呼ばれているらしい。


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 天候の加減か、東京の我が家から、久し振りに富士山がはっきり見えた。

 カメラ(ミラーレス一眼)を買い替えたけど、時間がなくて、操作や機能をきちんと把握する余裕がない。


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 だいぶ忙しいので、リサイクル記事だけで勘弁していただくが、これは以前ある用事のために用意した資料ながら、結局その時はほとんど使わなかったので、ここで再利用させていただく。以前本ブログで、「ロシア国民が友好的・非友好的と見なす国は?」というエントリーをお届けしたことがあるが、その続きの話である。ロシアのレヴァダ・センターでは、こちらに見るとおり、米国、EU、そしてウクライナといった相手国に対するロシア国民の感情を、長期的に調査している。そして、ロシア国民の対ウクライナ感情の推移を示したのが、上図である。図に見るように、2014年でウクライナで政変が起きて以来、ロシア国民の対ウクライナ感情は悪化していたわけだが、2016年5月になってやや変化が生じ、好意的と非好意的が再び拮抗するようになった。これが一時的・偶然的な数字なのか、それとも対ウクライナ感情が実際に趨勢的に改善されているのか、今後も注視していきたい。


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 ブラジルの国土は逆三角形のような形をしているが、その右側の角辺りにあるのがこのジャボアタン・ドス・グアララペスという街である。ビーチリゾートであり、有力な工業都市でもあるらしい。


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 論文執筆の参考とするために、既存の文献をいくつか読み返しているところなのだけど、そのうちの一つ、今井雅和『新興大国ロシアの国際ビジネス ―ビジネス立地と企業活動の進化』(中央経済社、2011年)。本書の中で、現在の私の関心に直接関係するのが、第1章第3節の「参入企業とロシア市場」という部分。ここでの分析では、外国企業のロシア市場への参入動機を、「ソーシング」(外国への輸出のための供給基地)、「マーケティング」(ロシア市場での販売)、「(ロシアでの)国内生産・マーケティング」、「リサーチ」と分類しており、この分類法は非常に有用である。そして、著者はロシアに進出した主要外国企業につき、どのカテゴリーに当てはまるかを示して一覧表にしており、非常に参考になった。

 本書執筆時点では、ロシアはエネルギー・資源のソーシング国とは位置付けられても、製造業のソーシング国となるのは非常に考えにくい、という図式だった。当時は、外資企業のロシア工場はもっぱらロシア国内市場向けだった。ロシア工場で現地生産して外国に輸出するようなことは、フィンランド系タイヤメーカーのノキアンなど、ごく一部に限られた。ただ、その後の情勢変化で、最近では日系を含む外国自動車メーカーのロシア工場から諸外国向けに自動車が輸出するようなケースも増えており、現時点でこの分析を行えばかなり違った図式が浮かび上がりそうである。今井さんには、ぜひ本研究のアップデートをお願いしたいところであり、特に今井さんのお詳しいタイヤ市場についての再論を期待したい(タイヤはロシアに所在する外国メーカー工場からの輸出が盛んになっている分野の一つなので)。



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 これもブラジル・サンパウロ州の都市、サン・ジョゼ・ドス・カンポス。世界的に知られる航空機メーカーのエンブラエル社など多く企業が所在し、ブラジル国立宇宙研究所等の研究機関が立地しているそうだ。日本の大阪府門真市と姉妹都市。


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 これはちょっと違和感のある人事だ。こちらによると、ロシア政府で、ドミトリー・リヴァノフ教育相(上の写真)が解任された。メドヴェージェフ首相の意向をプーチン大統領が受け入れたということらしく、メドヴェージェフ首相は、「新しいアイディアを実行に移すには、新たなアプローチ、新たな人材が必要だ」とその理由を説明した。それで、教育相のポストを離れたリヴァノフ氏が、今度はウクライナとの通商・経済関係を担当する特別代表に起用されたのである。ただ、リヴァノフ氏は物理学者から文教行政に転じた人物であり、経済もウクライナも特に知見があるようには思えず、起用理由は謎である。プーチン大統領は、リヴァノフ氏の個人的な実務的資質が、我が国にとっての重要な隣国との経済関係復活にとって役立つはずだ、などとコメントしているが、果たしてそれが真意だろうか?


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 こちらの記事によると、ウクライナ経済省のN.ミコリスカヤという幹部がこのほど出版社とのインタビューで、ロシアとの対立によるウクライナ側の経済的損害について語ったということである。それによれば、2016年1~5月のウクライナの対ロシア輸出は、前年同期比36.2%低下した。カザフスタン向けの輸出は46.2%低下した。2016年通年では、ロシア側の導入した措置の打撃を受け、ウクライナ経済にとっての損害は10億ドルに上ると推察されると、ミコリスカヤは述べた。ロシアの安全保障および国益を保証するための大統領令により、7月1日からウクライナの商品をロシア領を自動車および鉄道で経由してカザフスタンおよびキルギスに輸送することが一次的に禁止されている。


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 これもブラジル・サンパウロ州の街で、イタリア・トリノ県の出身者が築いた歴史があるのでオザスコという名前になったらしい。日本の津市の姉妹都市。


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 こちらの記事によれば、2016年のウクライナの穀物収穫量は6,300万t程度に及び、前年を300万t程度上回る見通しだという。農業政策省高官のレオニード・スホムリン氏が会見で明らかにした。好天に恵まれて豊作となったという。スホムリン氏は、穀物のうち小麦は2,550万t程度の見通しだが、法制度の改変や高税率で農民が正確な収穫量を申告したがらないことを考えると、実際の小麦収穫はもっと多く、2,700万t程度に上るかもしれないと述べた。

 ついでに、穀物収穫高の長期的な推移を示したような図などはどこかにないかと思って探したのだが、上手いものは見付からなかった。そこで、ウクライナ統計局編『数字で見る2015年のウクライナ』から、穀物収穫量の推移を示したページを画像にして、以下のとおりお目にかける。単位は1,000tで、一番上がすべての穀物の合計、以下が種類別の内訳で、上から小麦、ライ麦、大麦、エンバク、トウモロコシ、キビ、ソバ、米、豆類と並んでいる。

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 ブラジルのサンパウロ州の都市で、サンパウロ市から至近の工業都市、サントアンドレ。日本の高崎市と姉妹都市らしい。


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 ロシアを中心としたユーラシア経済連合では、新たな関税法典の採択が進められようとしている。こちらの記事が伝えているとおり、先日ソチで加盟国の首相会合が開催され、首相らは新たな法典の案について合意した。これについてロシア商工会議所のセルゲイ・カティリン会頭も、新法典の採択は企業の活動負担を大幅に軽減してくれるだろうと、歓迎を示した。新たな法典により、ユーラシア経済連合の対外国境での通関手続きが共通化され、貨物の通貨が大幅に容易になるという。


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 ジョアンペソアは、ブラジル・パライバ州の州都で、南米大陸最東端にあるブランコ岬に位置する街。ブラジルで最も歴史のある街の一つということなので、具体的には分からないが、そういう歴史的背景を反映した市章なのだろう。


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 こちらによると、ウクライナの2016年第2四半期のGDPは、年率換算で1.3%成長した。ウクライナ統計局が速報値を発表した。ウクライナのGDPは2015年まで2年連続で下落していたが、2016年に入ってからプラスの成長に転じており、今回の1.3%という数字は中央銀行やアナリストの事前の予測に見合ったレベルの成長率である。


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 リオ五輪に便乗したブラジル手抜きシリーズはまだ続く。今日のノヴァ・イグアスは、リオデジャネイロの北西の郊外に位置する街らしい。


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 以前もタイトルだけご紹介したが、このほど読了したので、改めて取り上げてみたい。安達祐子著『現代ロシア経済 ―資源・国家・企業統治』(名古屋大学出版会、2016年)である。

 Amazonの内容紹介をコピーさせていただくと、「ソ連解体からエリツィンを経てプーチン体制へ、未曾有の経済危機から新興国へと成長したロシア経済を、資源のみならず、独自のガバナンスの重要性に着目して包括的に叙述、移行経済におけるインフォーマルな国家・企業間関係の決定的意味を捉え、ロシア型資本主義の特質に迫る。」という内容である。なお、著者はこのテーマに関する博士論文をベースとした著作をすでに英語で上梓しており、本書はそれをアップデートしつつ日本語化したものということである。

 私の理解によれば、本書は現代ロシア経済を、コーポレート・ガバナンスを軸に解き明かしたものである。コーポレート・ガバナンスの一般論、旧ソ連の特殊条件についての考察、ロシアにおけるコーポレート・ガバナンスの整備と実態についての議論、そしてユーコス、シバール(ルサール)、ノリリスク・ニッケル、ガスプロム、ロスネフチ、ロステクを題材としたケーススタディが披露されている。

 本書は400ページを超える大著であり、このテーマについての著作としては本邦はもとより、おそらく世界的に見ても最も完成度の高いものの一つだろう。欧米、ロシア、日本の先行研究を網羅的に把握し、ロシアのコーポレート・ガバナンス問題について非常にバランスのとれた、深い考察がなされている。法整備、産業ごとの特性、企業行動、政治的力学、国際関係などに的確な目配りがなされており、理論や規範だけにとらわれないロシアのリアルが描かれていると感じた。

 本書の完成度を認めた上で、一つだけないものねだりをさせていただくとすれば、本書では先行研究のサーベイが完璧かつ網羅的すぎて、逆に「著者・本書独自の発見や主張が何なのか?」という部分が伝わりにくくなっている印象を受けた。ただし、私の理解する限り、本研究の独自性は確かに存在する。それは、ロシアにおけるコーポレート・ガバナンス違反は、必要悪という面があった、ということではないかと思う。つまり、旧ソ連の企業は単なる「生産単位」にとどまり、市場経済における主体としては不適格なものだったので、私有化の過程でそれを強引な手法を使ってでも最適化する必要が生じ、その再編過程でコーポレート・ガバナンス違反が横行したということが、本書では克明に描かれている。しかしながら、私の印象では、著者はコーポレート・ガバナンス違反が必要悪であったということを示唆するにとどまり、明確に主張として打ち出すことは自粛しているように見受けられた。その点を敢えて明確に主張した方が、本書の独自性が際立ち、学界での論争に繋がったのではないかと、個人的には少々惜しいような気がした。

 いずれにしても、ロシア経済と企業、コーポレート・ガバナンスの諸問題に関心を持つ者にとっては必読となる、きわめて高い水準の研究書である。

現代ロシア経済―資源・国家・企業統治―
安達 祐子
名古屋大学出版会
2016-02-08


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 ブラジル南部、サンパウロ都市圏の一部であるサンベルナルド・ド・カンポ。日本の山口県周南市と姉妹都市。市章はかなり凝った、ぐっと来るデザインだ。


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 それにしても、駿河湾の真ん中あたりでも、携帯電波通じてたなあ。そんなわけで、西伊豆の土肥から一時間あまりで、清水港に到着。この後の行動は推して知るべし。


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 今回のプチ旅行の主目的。一度、駿河湾フェリーに乗って、西伊豆の土肥から清水に渡ってみたかった。でも、本日は昨日以上に雲が多く、海からの富士山は拝めそうもない。


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 休暇中なので、簡単な記事だけ。サッカーのロシア・プレミアリーグは2016/17シーズンがすでに開幕したが、それに関連してこちらの記事が、ロシア・サッカーの外国人枠のあり方についての経緯・論争について伝えている。ロシア・プレミアリーグでは従来は、1チームで同時にピッチに立てる外国人選手は7人までで、少なくとも4人のロシア人プレーヤーがピッチ上にいなければならないというルールだった。それが、2015年7月14日のロシア・サッカー協会の理事会決定で(注:国家上層部の関与があったとされる)、同時にピッチに立てる外国人選手は6人までとなり、外国人枠が1つ減らされた格好になった。そして、その方式が2016/17新シーズンにも引き継がれている。

 ただし、ロシア代表が2016年のユーロでグループステージ最下位で敗退した一因が、外国人枠を設けている点にあるとする批判が出ている。上図は、外国人枠の厳格化を支持する議論(左側の青)と、それに反対する議論(右側の赤)を整理したものである。まず、厳格化の賛成論としては、

  • ロシア人の若手プレーヤーに出場機会を与えられる。
  • ロシア代表により多くの経験豊かな選手が集まる。
  • 育成年代の発展に繋がる。

 といった点が挙げられている。逆に反対論としては、以下のような点がある。

  • ロシア・サッカーの質を低下させる。
  • 選手たちの不相応な報酬高騰に繋がる。
  • ロシアのサッカーを長期的な危機に陥れる。

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 ブラジル北東部、ピアウイ州の州都、テレジーナ。大河川に面した内陸の街ということなので、河川港が市章の主なモチーフになっているのだろう。


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