服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 ロシア統計局がこういう指標を発表しているとは、正直今まで認識していなかったので、ちょっと取り上げてみる。ロシア商業統計集より。輸入代替政策が全面化した2015年の数字がまだ出てないのが惜しいが(食品なんかは別のところにもう出ているのだが)。それにしても、食品の国産化の進展に比べ、医薬品のそれが非常に遅い(医薬品にはこのように小売販売されるものとは別に病院部門もあるので、それもあわせて考える必要があるだろうが)。


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 こちらの記事が、ベラルーシの石油精製産業について、主に2つのことを伝えている(ベラルーシの経済ジャーナリストのタチヤナ・マニョーノクが、ウクライナの石油専門家セルヒー・クユン氏に話を聞くというスタイルの記事になっている)。

 第1に、ベラルーシの製油所(具体的には対ウクライナ国境からも近いベラルーシ南東部のモズィリ製油所が主だろう)からウクライナへの石油製品の輸出が拡大しており、おそらく2016年にはウクライナ市場に供給される製品の半分以上がベラルーシ産になりそうだ、ということである。それを図示したのが上図であり、これまでの最高レベルは2012年だったらしいが、2016年にはガソリン(黄色)で56%、軽油(黒)でやはり56%になる見通しということである。ウクライナでベラルーシ産が優位になる原因は、輸送の利便性と、ベラルーシ石油会社の6~7年にわたる市場開拓の努力が実を結んだ形だという。

 第2に、ただし気がかりな点があり、それはロシアがここに来てベラルーシのガス代金未払いを理由にベラルーシへの原油供給を滞らせていることである(それに関してはこちらの記事)。ルカシェンコ大統領も先日、ロシア産の代わりとなる供給源を見つけるよう、政府幹部に指示した。クユン氏によれば、その点で、ウクライナはベラルーシを支援しうる。というのも、ウクライナは現在、イラン産の原油をオデッサ~ブロディ・パイプラインを通じて欧州に輸出すべく交渉中であり、その一部をモズィリ製油所にも供給することが可能だからだ。2011年にアゼルバイジャン産原油を同ルートでベラルーシに運んだことがあったが、その再現である。しかも、アゼルバイジャン産と異なり、イラン産はロシア産と比べても価格面で遜色ない。ベラルーシはロシア産に加え常にイラン産を20~25%の割合でもっておくと有益であると、クユンは指摘した。


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 ロシア・サマラ州のトリヤッチという街は、同国随一の地場自動車メーカーAvtoVAZが所在し、ロシア最大の企業城下町となっている。こちらの情報によると、そのトリヤッチに新型特区(TOR)を創設することが、正式に決まった。実はトリヤッチの郊外のAvtoVAZに隣接した区域には、在来型の経済特区がすでに創設されており、そちらの方もまあまあ投資が進んでいるわけだが、それとは別に、トリヤッチ市街を対象に新型特区を作るというのが、今回の話である。新型特区は、基本的に極東地域を対象にした枠組みなのだが、ヨーロッパ・ロシア部でも企業城下町のような経済が苦しいところには新型を認めようという議論が以前からあり、今回実際にトリヤッチにそれが適用されたということだろう。なお、トリヤッチ新型特区は、乗用車生産に特化した既存の産業構造を多角化することが目的なので、乗用車生産は新型特区の適用対象とならないということが明記されている。


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 こちらのサイトに見るように、ロシア政府は2016年9月26日付の政府決定で、小麦(HSコード:1001990000)に課している輸出関税の税率を、2016年9月23日から2018年6月30日まで0%とすることを制定した。2015年9月29日付の政府決定で税率(1t当たりの契約価格のルーブル換算値×0.5-6,500ルーブル、ただし1t当たり10ルーブルを下回らない)が定められていたが、それを期間限定でゼロにするというものである。本年の小麦が豊作となっており、輸出税率を維持することは長期輸出契約の抑制に繋がってしまうので、今回の税率0%の設定となったとされている。


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 そんなわけで、SNS類やGメールも使えず、4日ほど隔絶された生活を送りましたが、昨晩無事に上海出張から日本に帰ってまいりました。

 しかし、一連のネットツールが使えない状況というのは、実はものすごく仕事に集中できるということが判明。当方は、読まなければいけない文献、書かなければいけない文章が山のようにあるので、申し訳ないけど今回の学会では自分の発表以外は、すべてホテルの自室にこもって仕事をしていました。いやあ、ネットで遊べないし、地元TVなんてどうせつまらないし、こういう気が散るものがない環境だと、仕事がはかどるのなんの。1ヵ月くらい上海に滞在したら、博士論文の1本や2本くらい簡単に書けるのではないかという気がしました。

 とはいえ、実はトラブルも発生。滞在2日目の夜、寝ようとした時に、突然腹痛に襲われ、まあ腹痛自体はそれほど激しくはなかったのだけれど、最初は胸のあたりが、次第に全身が痙攣し始めたのです。まあね、衛生状態の良くない店などもあるから、地元の食べ物で食あたりというのはよくある話だけれど、今回は少し違ったみたい。というのも、若干の心当たりがあって。私はサプリメントを常用しており、旅行にも持っていくのだけれど、今回旅行用の小瓶にサプリメントを詰めようとしたら、前回の旅行で使ったものが1粒余っていて、若干変色していてヤな感じだったけど、「まあいいか」と思い、今回それを服用してしまったのだった。実は以前も賞味期限切れのサプリで体調不良を起こしたことがあるので(さすがにその時は今回ほど症状は酷くなかったが)、原因はたぶんそれだと思う。

 さすがに、全身が痙攣し始めた時には、脂汗をかきながら、「これは、明日の発表は無理だな」、「中国でどうやって救急車呼ぶんだ? どうやって会話したらいいんだ?」、「上海の総領事館に日本人の医務官いるかな? でも休みの日に来てもらうのは申し訳ないな」、「日本に緊急搬送されるのかな」、「ていうか、オレ今晩ここで死ぬのかな。恥の多い生涯だったな」などと、いろんな考えが頭をよぎりました。幸い、痙攣は一晩で収まり、翌日はダルさは残ったもののほぼ回復、予定していた学会発表も無事に行うことができました。今は完全に正常です。まあ、むろん原因は推測にすぎないものの、ビタミン剤1錠ケチっただけで死ぬ思いしたらたまったもんじゃないし、特に海外では、今まで以上に色々気をつけなきゃなと思った次第でした。

 写真は、今回の上海出張で印象に残った一こま。20年前に上海を旅行した時にも感じたことだけど、上海の人たちは地下鉄の席取りが熾烈で、椅子取りゲームか、はたまた殺し合いかというくらいの激しさがある。20年振りに上海の地下鉄に乗ったけれど、今回も印象は変わらなかった。上海地下鉄のホームドアには、写真に見るように、「智者守序」というスローガンが掲げられている。その言葉、そのままおたくの国家にお返ししますと言いたくなりました。


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 今日まで上海出張なので、以前作ったこんな図をお目にかけて、お茶を濁すことにする。ロシアをはじめとしたCIS諸国の発電に占める火力・水力・原子力の内訳の比較である。こういうデータがまとまって得られるのは意外とレア。火力を赤で、水力を薄い水色で、そして原子力を真っ黒で表す自分のセンスに惚れ直した。


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 しばらく前の記事だが、簡単にメモしておくと、EUの駐ウクライナ大使であるヒュー・ミンガレッリは今般、着任挨拶の中で、EUはウクライナの構造改革を支援して年間2.5億ユーロを提供しており、二国間としては最大のドナーであると発言した。大使は、現在EUとウクライナ間には緊密で特別な関係がある。DCFTAを含む連合協定が締結されてから、それは一層強まった。連合関係は、両者を近付け、ウクライナのスタンダードを欧州のそれに接近させ、共通の価値を強固にするだろう、などと述べた。


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 以前もタイトルだけご紹介したが、このほど読了したので、改めて取り上げさせていただく。杉本侃編著『北東アジアのエネルギー安全保障 ―東を目指すロシアと日本の将来』(日本評論社、ERINA北東アジア研究叢書5、2016年)である。A5判・312頁、定価:本体5,400円+税となっている。

 ERINA北東アジア研究叢書の一環として刊行された本書は、2011年度に立ち上げられた「北東アジアのエネルギー安全保障に関する共同研究グループ」の研究成果をまとめたものということである。エネルギーの大供給国ロシアと、大消費国日本の関係を、様々な視点から分析することで、周辺諸国を含む北東アジア全体のエネルギー安全保障を論じている。また、研究会立ち上げ後の2014年に、ウクライナで政変が発生したことから、それによって生じたウクライナ危機が図らずも本書の重要な背景になっている。

 順を追って見ていくと、新井洋史による第1章「序論:北東アジアのエネルギー情勢をどう捉えるか?」は、北東アジア地域の持つ特性、日・韓・北朝鮮・中・モンゴル・露という各国の経済・エネルギー事情、国際インフラの特性と整備状況、地域国際協力の枠組みについて論じている。

 本村眞澄による第2章「パイプライン政策とエネルギー安全保障」では、エネルギー安全保障についての視点、パイプラインというものの特質、ロシアのパイプライン政策と対欧米関係、ウクライナのパイプライン問題などが扱われている。パイプライン問題をいたずらに地政学的対立と捉えることを戒める本村氏の年来の主張が改めて打ち出されている。

 兵頭慎治、エレナ・シャドリナ、蓮見雄、原田大輔による第3章「ロシアの対外エネルギー戦略」は、ロシアと北東アジア、ロシアとアジア、ロシアと欧州、ロシアと日本のそれぞれの関係について論じている。

 篠原建仁、安達祐子、蓮見雄、原田大輔、による第4章「ロシア・エネルギー企業の戦略」では、ロスネフチ、ガスプロム、ヤマルLNGプロジェクトについての分析が披露されている。

 真殿達による第5章は、「ウクライナ危機とは何だったのか」というもの。ウクライナ問題の本質に関する、鋭く、目配りの効いた考察だと感じた。

 杉浦敏廣による第6章「カスピ海の資源開発動向とアジア地域への波及」は、カスピ海における石油ガス開発の概況を論じ、アジアへのインプリケーションを探ろうとしている。

 シャグダル・エンクバヤルによる第7章「エネルギーと気候変動」は、本テーマに関する基本を解説した上で、その問題設定を北東アジアに当てはめ、地域のエネルギー消費のあるべき姿を模索した論考である。

 杉本侃による第8章「日ロエネルギー協力の展望」は、長年この分野に携わってきた著者らしく、ロシアのエネルギー戦略の歴史的変遷を踏まえ、日ロ間のエネルギー協力の課題が論じられている。

 巻末には、執筆者らによるウクライナ危機および日本のエネルギーの課題に関する座談会の模様も採録されている。

 書名に「北東アジア」と冠されてはいるが、本書で極東地域を扱ったのはむしろ一部であり、ロシアのエネルギー問題全体に関する概説書だと理解していいだろう。より正確に言えば、ロシアのエネルギー戦略の全体像、ウクライナ危機、東方シフトといった背景を理解した上で北東アジアのエネルギー安全保障を考えるべきだというのが、本書のメッセージなのだろう。



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 ウクライナの農業・食品産業の概況が図解で出ている「アグロビジネス・ウクライナ」という資料があり、このほどその最新版が出た。ウクライナ語ではあるが、こちらからダウンロードできるので、ご興味のある方はどうぞ。

 さて、この中に、上掲のように、ウクライナの州別の作付面積の比較という図が出ている。作付面積が3分類されており、右上のオレンジ色が穀物、左上の紫色が野菜・ジャガイモ、下の緑色が工芸作物(ウクライナの場合はひまわりに代表される採油用種子が圧倒的に多い)の作付面積となっている。それで、ウクライナについては俗に、「東の重工業地帯、西の穀倉地帯」といったことがステレオタイプ的に言われる。専門家はウクライナについて東西に二分割するような粗雑な議論は絶対にせず、せめて東部・中部・南部・西部といった具合に、もう少し細かく地域分類するのが普通である。その最低限の4分割に当てはめて言うならば、ウクライナで農業生産が圧倒的に盛んなのはむしろ中部であり、狭義の西部は作付面積から見てむしろマイナーな農業地域であることが上掲図からお分かりいただけるだろう。まあ、西部は工業があまり発展していないので、零細な農業に依存する部分が小さくないという意味では農村地帯とも言えるが、ウクライナ経済の屋台骨を支えるような大穀倉地帯が狭義の西部に広がっているわけではないのである。


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 前のエントリーに書いたとおり、当方上海出張中で、フェイスブック、ツイッター、Gメールが使えない状態にあります。月曜日まで、それらにご連絡いただいても、まったく反応できない状態となり、お詫び申し上げます。このライブドアブログも当地では閲覧は不能なのだけど、なぜか編集画面にはアクセスでき、アップする際にフェイスブック、ツイッターと同時投稿する設定をすることによって、間接的にそれらに情報を上げることはできそう(ただしこちらからは状態が確認できない)。

 Gメールがダメというか、グーグルのサービスが全滅だから、カレンダーも、地図も、自動翻訳も使えないのよね。ただ、一説にはドロップボックスも使えないという話もあったけれど、それはやってみたら使えた(PS:これ、やはりダメみたい。帰国後に確認したら、中国で更新・アップしたつもりのファイルが、反映されていなかった。要するにローカルの環境でだけ作業できるということか)。KindleもOKのようだ。まあ、中国には中国独自のSNSやアプリがあり、我々も現地化の努力をすれば困らないのかもしれないが、迷惑な話ですねえ。


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 上海着いたんだけど、ネット規制の酷さに閉口。フェイスブックとツイッターが使えないことは知ってたけど、なんとGメールもダメみたい。そして、本ブログが入居しているライブドアブログも、接続不能であることが判明した。編集画面にはアクセスできるが、記事を閲覧することが不能のようだ。要するに、自分が普段日本で使っているツールが全滅であり、月曜日まで音信不通となります(このブログの更新だけはできそうだが)。


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 先日もちらりと書いたが、東アジアのスラヴ研究学会に出席するため、今日から月曜日まで上海出張である。そこで、こんな本はどうだろうか。高橋基人著『こんなにちがう中国各省気質 ―31地域・性格診断』(草思社、2013)年。内容は、

 中国と一口に言ってもとてつもなく広い。東北地方から海南島まで、沿海部から青海省、チベットまで、住んでる民族もちがえば、文化もちがう。顔がちがう、食物がちがう。「反日デモ」で大騒ぎする報道の向こう側で、どんな人が住み、どんな暮らしがあるのか。住んでいる地域別に人びとの気質を体験的に説いた、面白い中国人論。北京、上海、東北三省から海南島、沿岸部から敦煌、チベットまで、広い中国、ところ変われば、人も変わる、文化がちがう、食べ物がちがう。「反日デモ」報道ではわからない中国人の本当の顔。

 といったものだ。ベテランの元企業駐在員が書いたものなので、非常に真に迫っている。ただ、全部一気に通して読破するような本ではないので、以前買ってチラチラ読んでいたのだが、今回上海に行くということで、上海の部分を読み返した次第。

 上海人の気質は、「精明(ジンミン)」という言葉に象徴される、ケチで小心者で目先の利益にこだわりがちなところ。中国人は皆、上海の街は好きだが、上海人は嫌いだ、と言うそうである。



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 こちらによると、米CIAのロシア問題担当主席分析官のピーター・クレメントがジョージ・ワシントン大学で講演し、プーチン大統領は2018年の大統領選にも再選出馬することが有力視され、その場合は経済の落ち込みによる不満を抑え付けるため現在よりもさらに強権的になる可能性があると指摘した。すでにその兆候は表れており、最近浮上した特務機関の改変に関する議論にもそれが見て取れると、クレメントは指摘した(注:CIAが、人のこと言えるのかという疑問はあるが)。


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 また食品の話題でスイマセン。こちらの記事によると、ロシアの国民食肉協会のセルゲイ・ユシン会長はこのほど開かれた座談会の席で、外国市場が徐々に開放されるという前提で、ロシアは2020年までに食肉の輸出を年間15億ドルまで拡大したいとの抱負を語った。ちなみに、2016年の見通しは2億ドル程度だが、これは前年の2倍増となる。ユシン会長によれば、ロシアは世界の中でも主要な食肉生産国に躍り出ており、鳥肉で4位、豚肉で5位となっているが、輸出額では世界の0.4%にすぎない。ようやく、2014年以降のルーブル下落と欧米産食品の禁輸で勢い付いて、輸出に乗り出そうとしているところ。現在のところロシアからの輸出は鳥肉が主流で、EU、近東に供給し、一部はエジプト、タンザニアへの試験輸出も始まっている。年末までには、中国もロシアから鳥肉を輸入開始する見通し。豚肉は主にアジア市場が想定されるが、中国市場が開放されればロシアからの輸出は急増するだろうと、ユシン会長は語った。


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 ロシアは2014年8月から、欧米諸国による対ロシア制裁に対抗して欧米産の食品の輸入を禁止する措置をとっているが、それに関連した情報を少々。

 情報としては古くなってしまったが、ロシア連邦関税局が、制裁対象品目のロシア領への違法な持ち込みの取締活動の2015年の成果という報告を発表していることを知ったので、ここにメモしておく。関税局による取締活動の結果、2014年8月7日から2015年12月31日までに550件の食品禁輸違反例が摘発されたということである。それで、違法な貨物がどこから運ばれてきたかという内訳が示されており、圧倒的に最多の256件がベラルーシ領からロシア領に輸送されてきた貨物に対する摘発であった(むろん、ベラルーシ産品ではなく、欧米諸国産の食品がベラルーシ領を経由してロシア領に流入してきたという意味)。こちらの記事が、そのデータを使って上掲のような図を掲載していたので、ここに転載させていただく。上からベラルーシ:256、リトアニアまたはポーランド(要するにカリーニングラード州への流入):112、ウクライナ:39、カザフスタン:28、ラトビア:26、フィンランド:22、エストニア:18となっている。食品は、陸路トラックで運ばれるケースが圧倒的に多いはずなので、ここに登場するのはすべてロシアと国境を接した国である。

 もう一つ、こちらからダウンロードできるが、ロシア政府付属分析センターというところが本年4月に、『食品禁輸:2015年の結果』と題する報告書を発表していることを知ったので(ロシア語)、これもメモしておくことにする。報告書によれば、ロシアの食品禁輸で欧米諸国が負った喪失は93億ドルに上るという。


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 今まで考えたこともなかったけど、ベラルーシ統計委には州別の支部があり、そこが州ごとの統計年鑑等を発行していることを知った。まあ、それだけならロシアやウクライナも事情が同じだが、ロシアやウクライナが統計資料の企画・様式・公表方式がバラバラなのに対し、さすがベラルーシは全国画一的な国で、全地域がすべて同じ形で統計を発表しているのが素晴らしい。地域横断的な比較をするのに、非常に有益だ。いやあ、ベラルーシのこういうとこ、好きだわ。

 万が一、ご興味のある方がいたら、ベラルーシ統計委のサイトの左上にあるРегиональные сайтыというところから各地域のサイトに勧めるので、お試しを。


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 何とも奇怪な話を今般知った。ベラルーシでは以前から、ルカシェンコ大統領傘下の大統領官房が、国内の利権を色々漁り、不動産屋まがいのことをやっていた。それで、最近ではその大統領官房が、ベラルーシの有力産業の1つである酪農にも進出しているらしいのである。何でも、ベラルーシ大統領官房は、旧ソ連で最大の牛乳生産者に躍り出た(!)らしい。確かに、大統領官房のこちらのページを見ると、傘下の農業企業として、マチュリシチ、ヴォスホード、アグロ・リャスコヴィチといった会社が挙がっている。上の画像は、マチュリシチのHPからとったものであり、農産物でベラルーシ国土をかたどるというなかなか感動的なものだったので、転載させていただく次第である。

 こちらこちらの記事によると、2013年1月にヴィクトル・シェイマン氏が官房長に就任してから、乳業への進出をはじめ、大統領官房の商業化が加速したらしい。


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 これは藤森さんのブログを見て知ったのだが、元々東ウクライナ・ドネツィクに所在した冷蔵庫メーカー「ノルド」が、ロシア資本に売却されたということである。こちらの記事によれば、ノルド・グループに属す株式会社ノルドの株式の79.93%が、オーナー一族のランディク家(写真はグループ社長のヴァレンチン・ランディク氏)から、ロシアのジオリト・テフニス社に売却されることになった。ジオリト・テフニスはジオリト・グループに属し、これまでノルド製品のロシアにおける公式ディストリビューターを務めていた。

 なお、こちらの記事にあるように、ノルドは本年7月末をもってドネツィク市内の工場の生産活動は打ち切り、工場の保全措置をとったということである。会社はドネツィク州のウクライナ政府実効支配地域にあるクラマトルシクに登記を移したということで、恐らく生産もクラマトルシクで賃借している工場にシフトしているのではないかと思われる。ノルドの2015年の冷蔵庫・冷凍庫の生産は16万2,781台で、前年比47.9%減だった。

 ジオリト・グループのオーナーであるロシア人実業家のイーゴリ・シドルキン氏は無名だが、一応こちらにプロフィールが出ていた。1962年ケメロヴォ生まれで、幼いころに家族とともにロストフ州のカメンスクシャフチンスキーに移住、当初は石油関係の仕事に就いたが、ソ連末期に地元でビジネスを始め、その後家電流通業を主力とするようになったらしい。今回、ノルドを買収した動機は不明だが、おそらく買収価格は安かったと思うので、「買っておけば何かに使えるかも」という程度の動機だったのかもしれない。


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 ウクライナはしばらく前まで、EUとの連合協定に調印するか、それともロシア主導のユーラシア統合に参加するかという選択を迫られていて、結局2014年に政変が起きて前者を選択したわけだが、この問題がこれほどこじれたのは、単にどの地域経済協力機構に加入するかということではなく、それが「文明の選択」という意味合いを持っていたからだろう。日本がTPPに参加すべきかどうかなどという問題とは、根本的に性質が異なっていたのである。

 そんなことを考えていたら、「たぶんポロシェンコ大統領あたりも、『文明の選択』という表現を使っているのではないか?」と思えてきて、それについて調べてみた。そしたら、実際にそうした発言が見付かった。まあ、以前からそういう発言をしていたのかもしれないが、私が今回見付けたのは、比較的最近のこちらのポロシェンコ発言である。2016年5月21日の「ヨーロッパの日」の式典に出席した際にポロシェンコ大統領がスピーチで述べたものであり、「我々ウクライナ人は今日、欧州文明防衛の前線にいる。・・・ユーロマイダン、尊厳革命、ウクライナ国民のロシアの侵略に対する、自らの文明の選択、独立、主権、領土的一体性を求める献身的な闘争は、まったく新しい形で、ウクライナとウクライナ人を全ヨーロッパに開くことになった」と発言している。

 まあ、欧州文明の防衛の前線なのか、混乱の源泉なのかは、微妙なところだが。


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 簡単にメモだけしておくと、こちらの記事などが伝えているとおり、IMFの理事会は9月14日、ウクライナ向け融資の新たなトランシュ7億1,611万SDR(約10億ドル)の供与を決定した。2015年から実施されている総額54億4,421万SDR(約76.2億ドル)の拡大信用供与の一環である。今回のトランシュは、当初は2015年に17億ドル規模で予定されていたものの、数回延期された上に10億ドルに減額された経緯がある。ウクライナが対ロシア債務を償還していないとして、ロシアが今回の融資に反対していたが、それを押し切っての融資実行となった。


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 当方、引き続き、誰も興味がないような農業・食品関連の図表を作り続けているのだが、こんな資料はどうでしょうか。これは、ベラルーシ統計局のデータから作成した、2015年のベラルーシの農業生産の経営形態別の内訳というデータである。当国の場合は、社会主義時代の構造をそのまま引きずっており、表にある農業企業というのは、かつてのコルホーズ・ソフホーズが再編・合併してできたものである。ベラルーシでは今日でも個人農の寄与はきわめて小さく、それよりもむしろ一般市民による家庭菜園等での生産の方が規模的に大きい。農業企業での生産が主流となっているのは、穀物、てんさい、亜麻などの農作物と、畜産品である。一般市民による生産分が多いのは、じゃがいも、野菜などである。


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 日本のタイヤメーカー、ブリヂストンは、早くからロシアでの現地生産を検討していたはずだけど、かなり慎重に検討していたようで、工場建設の決定まで少々時間がかかった。ようやくウリヤノフスクでの工場建設が決まった時に、私は、

 石橋を叩いて決めた露工場

 なんていう川柳を思い付き、我ながら良い出来だと悦に入った次第である。それで、月日は流れ、こちらの記事によると、そのウリヤノフスクのブリヂストン工場が、いよいよ9月13日に稼働したということである。細かい話は省略させていただくが、この記事によれば、製品はロシアおよびCIS市場だけでなく、今後工場が拡張していくにつれ、その他の諸外国に輸出することも視野に入れているということである。最近私が注目している、ロシアの外資系工場から外国への輸出というトレンドが、ここにも見て取れる。


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 ウクライナでは大規模な農業生産・輸出企業のことを「アグロホールディング」と呼ぶが、こちらのサイトに、ウクライナのアグロホールディング・ベスト45という資料が載っていたので、上位10社だけ抜粋して上掲のような表を作成してみた。英語で、かなり詳しい解説も出ているので、ご興味のある方はどうぞ。


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 シリーズ「図表農業よもやま話」の様相を呈してきたが、ちょっと上掲のような図をまとめてみた。ウクライナやロシアでは、世界の他の主要生産国に比べて、小麦1t当たりの生産コストが低い。ただ、考えてみれば、ウクライナの小麦なんかは高品位というよりも飼料用のものが多く、おそらく輸出価格も低いはずなので、それとの兼ね合いで考えれば、必ずしも生産コストの低さが圧倒的な優位とも言えないのではないかという気がして、ならば世界の主要小麦輸出国の輸出単価を比べてみようと思い立ったのである。データの出所は国際貿易センター(ITC)のデータベースで、ごく単純に、小麦全体(HSコード:1001)の輸出額と輸出量から、1t当たりの米ドルの輸出単価を弾き出した。

 まあ、予想どおり、ウクライナやロシアの小麦輸出単価は、先進諸国のそれよりも、だいたい数十ドル程度低かった。ただ、この程度の価格差なら、輸入関税で逆転してしまうだろう。ウクライナとEUの連合協定に伴うFTAで、ウクライナはEUに毎年一定量は関税免除で小麦を輸出できるものの、それを超えると1t当たり95ユーロの関税が発生する。簡略化して関税を100ドルくらいと考えれば、ウクライナの小麦はドイツ産より高くなってしまう。うーむ、この障壁は、ばかにならないぞ。


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EU

 こちらのサイトで紹介されているように、ユーラシア開発銀行と、オーストリアのシンクタンクの共同プロジェクトで、『EUとユーラシア経済連合:長期対話と理解の展望』と題する報告書が8月に発行された。上掲のサイトからダウンロードできる。


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 これが世界主要国の小麦の単位面積当たり収穫量を比較した図か(1ヘクタール当たりツェントネル)。まあ、こうやって見るとEU主要国の数字が突出していて、集約的な農業であることがうかがえる。ウクライナは、独・仏・英あたりに比べれば半分程度だけど、ロシアや米国などよりは高いという位置付けか、なるほど。出所はこちら


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 10年くらい前だったかな、調査事業でポーランドのグダンスクを訪れ、ある教会に立ち寄ったことがあった。どうもパイプオルガンで知られた教会らしく、そのCDも売っていたので、私は買って帰ってきたのだった。今、調べてみたところ、Gdańsk Oliwa Archcathedralというところだったらしく、ウィキペディアの記事もあるくらいだから、結構有名なのだろう。

 むろん私はパイプオルガン演奏の良し悪しなどはまったく分からないのだが、聴いていると眠くなってくるので、以前は睡眠導入音楽としてちょっと利用していた。そして、最近ではスマホに入れて、職場でBGMとしてイヤホンで聴いている。当方の職場は色んな意味での騒音が酷いので、BGMでそれを遮断したいのだ。これが、自分の本当に好きなジャンルの音楽だったりすると、注意がそっちの方に行って仕事に集中できなくなってしまうが、パイプオルガンは文字どおり、純粋なバックグラウンドの音として、丁度良い。


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rubagri

 本日も、枯れ木も山の賑わいブログ。上海での報告および博士論文執筆に向けた予備作業の一環として、ロシア・ウクライナ・ベラルーシの輸出総額に農産物・食品が占める比率をグラフにまとめてみた。何と言っても、この指標で突出しているのがウクライナであり、輸出に占める食品の割合は高まる一方だが、実は食品も輸出額自体は低下傾向を辿っており(穀物価格の下落、ロシア市場の喪失などに起因)、工業輸出の壊滅で食品の比率が高まっているというのが真相。ロシアの食品輸出はここ数年ほぼ横這い、ベラルーシはやや低下傾向だが、石油価格の下落でエネルギーの比率が低下した分(ベラルーシも石油製品の輸出に注力した国)、相対的に食品の比率は高まる方向にある。


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uaagri

 9月下旬に上海での国際学会で報告することになり、その準備過程でまとめたデータをお目にかけ、枯れ木ブログの賑わいとしたい。産業が壊滅的な状況に陥っているウクライナでは、農業および食品産業が希望の星のようになっている。しかし、上図に見るとおり、現実には農産物・食品の輸出総額は過去数年落ち込みを続けている。図に出てくる第●部というのは、国際的な商品分類であり、整理すれば以下のとおりとなる。

  • 第1部:動物及び動物性生産品・・・・・・要するに肉などの畜産品や、魚介類など。
  • 第2部:植物性生産品・・・・・・ウクライナの場合には大部分が小麦・大麦・とうもろこしなどの穀物。
  • 第3部:動物性・植物性の油脂・・・・・・ウクライナではひまわり油が多い。
  • 第4部:調製食料品、飲料、アルコール、食酢、たばこ・・・・・・要するに加工食品である。

 第2部の輸出額が落ち込んでいるのは、穀物の世界価格が下落基調にあるからで、ウクライナとしてはやむをえない。第3部も、まあ似たような状況だろう。それに対し、第1部、第4部の低迷は、人為的な要素が大きい。第2部、第3部よりも、第1部、第4部の方が付加価値が大きく、当然より多くの雇用を生み出していると考えられる。問題は、第2部、第3部の販路がEUなどの遠い外国であるのに対し、第1部、第4部の伝統的な市場はロシアおよびCIS諸国であり、ウクライナ危機後のロシアとの関係悪化が、これらの品目の輸出激減に繋がっていることである。第1部、第4部などのEU向けの輸出は伸びてはいるが、ロシア市場の喪失を補うには程遠い。


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n_19577

 こちらの記事によると、パナソニックはベラルーシでテレビの組立を行い、ロシアをはじめとするユーラシア経済連合市場(注:原典では関税同盟市場となっているが、言い換えさせていただく)で販売する予定ということである。ロシア市場の現実に適応し、品質の良い製品をリーズナブルな価格で提供することが目的だという。10月には商品が店頭に並ぶ予定。パナソニック・ロシアの家電部門トップのセルゲイ・コジェヴニコフ氏が明らかにした。供給されるのは24、32、43型のHDおよびフルHDのVIERAで、中価格帯に属する。日本のエンジニアや現地のスタッフが参加して現地モデルを開発した。品質を確保するため、最良の部材が使用される。生産をユーラシア経済連合域内に移すことで、同等の輸入品より10~15%程度安くできる。ベラルーシでの生産は、現地パートナーの施設を使って、委託加工方式で実施される。パナソニックではユーラシア経済連合諸国での現地生産に関しいくつかの選択肢を検討したが、これが最も高品質で、生産の柔軟性およびスピードが得られると判断した。ベラルーシのパートナーは、パナソニックのブランドに恥じない高品質を提供できる。

 パナソニックはキッチン家電でロシア市場に合わせた製品の投入を以前から手掛けており、電子レンジ、パン焼き器のプログラムをロシア向けに調整したものを出している。マルチクッカーなどは、まさにロシア法人で考案され、最初にロシアに投入された。CIS市場に最適化されたパナソニックの電子レンジは、最近ベラルーシで生産が始まった。コジェヴニコフ氏は、詳細は明らかにできないとしながら、パナソニックではユーラシア経済連合における現地生産の拡充を検討していると述べた。

 他の外資勢では、韓国系のサムスンが先日、カルーガ州の工場で生産した洗濯機を欧州市場(中東欧だけでなく西欧にも)に輸出すると表明。日本のソニーは、フラッシュメモリー、USBメモリーをロシアで生産すると表明した(ロシアでの加工はごくプリミティブなものだが、それでもロシア製と扱われる)。


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