ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

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 ロシアのプーチン体制は、2018年5月にスタートした現在の4期目の政権では「ナショナルプロジェクト」という政策枠組みが目玉となっているが、2012年5月以降の3期目の政権では「国家プログラム」という政策体系が柱だった。実は、現在の4期目になっても、かつての国家プログラムが放棄されたわけでなく、延長・更新されながら存続している。

 中でも、私は自分の研究テーマである国家プログラム「対外経済活動」にずっと注目してきたのだけれど、その全体像をまとめたのがこちらのポータルサイトになる。それで、今般こちらをチェックして気付いたのだけれど、国家プログラム「対外経済活動」は先日3月28日に再度改定されていたということが分かった。以前は2019年までがプログラムの期間で、同年までの数値目標が掲げられていたのだけれど、それが2024年まで延長されていることを確認できた。一例として、「ロシアの商品輸出に占める機械・設備・輸送手段の比率」という数値目標と、2017年までの実績をグラフにまとめたのが、上図である。

 2024年までということは、プーチン大統領の任期が切れる年であり、一連のナショナルプロジェクトの終了年でもあるので、ナショナルプロジェクトと国家プログラムを整合させるという目的があったのだろう。各種の数値目標を眺めてみると、若干数合わせというニュアンスも感じるものの、政策同士を整合させようという努力は評価できる。


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 YouTubeの「2019年大統領選特報」が滞っているが、何とか今夜あたりに1本出せないかなと思っている。

 それに向けて資料に目を通している中で、ロシア『エクスペルト』誌2019年4月8-14日号(No.15)に出たA.スミルノフという人の解説記事を読んでいるところである。ロシアのメディアでウクライナ情勢をフォローするのは邪道かもしれないが、多少の偏りはあるような気もするものの、やはりそれなりに鋭い内容のものは多いと思う。

 それで、このスミルノフ氏の解説記事の中で、気になったのは、今回の大統領選に、ウクライナきっての大富豪R.アフメトフ氏の果たした役割である。スミルノフ氏によれば、V.ヤヌコーヴィチ時代の与党だった地域党の残党である「野党ブロック」が、今回の大統領選で分裂選挙になったのは、アフメトフがYu.ボイコを決選に進ませないように、O.ヴィルクルを担ぎ出したからだったという。というのも、各種世論調査によれば、現職のP.ポロシェンコが決選投票で勝てる相手は、ボイコしかいなかったからだ。アフメトフは、自らの事業地域が戦線で分断されていることが不満で、一向にドンバスに和平をもたらすことができないポロシェンコに苛立っており、政権交代を起こしたかったのだと、スミルノフ氏は論じている。

 私自身は、アフメトフはドンバス紛争で不利益は被ったものの、ポロシェンコ政権から有利な条件を引き出し、電力部門でそれを補って余りあるほどの利益をあげているので、ポロシェンコ体制の継続を望んでいると理解していた。なので、スミルノフ氏の見立ては、個人的に意外なものだった。


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 週刊ロシア経済(No.22、2019年4月15日)を配信しました。今回も週末には間に合わず、月曜日にずれ込み。


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 先週、先々週の話の続きである。ツェリノグラードのさらに前の時代には、アクモリンスクという名前だった。その紋章が、上掲のようなものである。というわけで、ヌルスルタンの名前の変遷を整理すると、以下のようになる。

  • ~1961年:アクモリンスク
  • 1961~1992年:ツェリノグラード
  • 1992~1998年:アクモラ
  • 1998~2019年:アスタナ
  • 2019年~:ヌルスルタン

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 本日も別件の締切に負われ、週末にお届けするはずの「週刊ロシア経済」や、滞っている「ウクライナ大統領選特報」を配信できそうもない。というわけで、簡単な記事でお茶濁しを。上に載せたのは、時々更新している、「ウクルアフトプロム」という機関によるウクライナの月別新車乗用車の販売台数である。経済は基本的には回復基調にあるウクライナだが、景気のバロメーターとなる新車販売は、2018年は前年割れだった。具体的に言えば、2018年の通年の販売台数は81,877台であり、前年比0.6%減だった。ただ、上のグラフを見ると、2018年が減ったというよりは、むしろ2017年の終盤に何らかの理由で駆け込み的に販売が増えたようにも見えるので、すっかり輸入中古車に席巻されてしまったウクライナの乗用車市場は、まあ2018年のこの程度の実績が実力なのかもしれない。なお、こちらに見るとおり、ロシア系の「アフトスタット」では、2018年のウクライナの販売台数は77,448台で、前年比3.2%減であったという、やや異なる数字を示している。


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 大丸東京店の「世界の酒とチーズフェスティバル」で、モルドバ、ジョージア、アルメニアのワインが展示されていたので、見に行ってきました。動画でレポートします。


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 編集作業のようやく終わった『ロシアNIS調査月報』2019年5月号の中身をご紹介。あまりにもこの表現が蔓延しており、少々気恥ずかしくもありますが、月報も今号が「平成最後の号」となりました。毎年5月号では、ロシア経済および日ロ経済関係に関する総論的な特集をお届けするというのが恒例になっており、今回は「新時代の多様な日ロ経済関係を目指して」と題する特集を組んでみました。

 私個人は、「ロシアNIS経済研究所創立30周年のご挨拶」、「EUの鉄鋼市場とロシア・ウクライナ・ベラルーシ」、「動き出したロシアのナショナルプロジェクト」、「日本とロシアがラグビーW杯開幕戦で対決」、「ケルチ・アゾフ危機渦中のウクライナ港湾実績」といった記事を執筆(書きすぎ?)。

 なお、小誌は毎月20日発行で、ほぼ定時発行を続けておりますが、毎年5月号だけはロシアで統計が発表されるタイミングの原因により、皆様のお手元に届くのが数日遅くなっておりますので、ご了承ください。


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 このほど世銀は、2018年の世界各国のレミッタンス、すなわち国外での出稼ぎ等による外国からの個人送金額の推計値を発表した。データはこちらのページからダウンロードできる。概況に関する解説はこちらのページに出ている。

 この統計を使って、上表のとおり、私の関心地域であるロシア・NIS諸国のデータをまとめてみた。ロシア・NIS圏において、国外出稼ぎ労働は、エネルギー等の資源を持たざる国の現象と言える。世銀の解説では、2018年にウクライナのレミッタンス受入が特に大きく伸びたことを強調している。労働移民を受け入れる側のロシアの経済が一定の回復を果たしたことが、周辺諸国のレミッタンス受入額を拡大させる結果となったが、ウクライナの場合には、統計の方法論を変更したことも額が拡大した一因だという。

 下の図には、2018年のレミッタンス受入額がGDPの10%を超えている国を整理した。NIS諸国の部分を濃い赤で塗っており、特にキルギスやタジキスタンは世界屈指の出稼ぎ依存国であることが分かる。

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 こちらのページなどに見るとおり、IMFが最新版の世界経済見通しを発表したので、レポートの中から、ロシア・NIS諸国の経済指標をまとめた表の部分を抽出して、上掲のとおり掲載しておく(クリックすると拡大)。

 世界経済全体では、2018年の成長率は3.6%とされ、今後の予測は2019年が3.3%、2020年が3.6%となっている。2019年についての予測は、前回2019年1月の予測から0.2%ポイント下方修正されている。その中で、上表に見るとおり、ロシア・NIS諸国の2018年の成長率は2.8%、2019年の予測は2.2%とされ、新興諸国の割には、世界の成長を牽引するような存在にはなっていない。それというのも、やはりこの地域では最大の経済規模を誇るロシアのパフォーマンスが冴えないからだろう。ロシアは、2018年こそ2.3%という望外の成長率をたたき出したが、IMFも2019年以降についてはロシアについての控え目な予測を崩していない。


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 週刊ロシア経済(No.21、2019年4月8日)を配信しました。本来、週末に配信すべきものですが、遅れてスミマセン。


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 先週の話の続き。カザフスタンの首都アスタナ~ヌルスルタンは、1998年に遷都されるまではアクモラという都市名だった。さらに遡り、ソ連時代を中心とする1961~1992年には、ツェリノグラードという名だった。そのツェリノグラード時代の市章が、上掲のようなものである。


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 YouTubeで、「使わなきゃ損! 国際貿易センター(ITC)の貿易統計データベースの活用法を解説 」という動画を配信しました。週末にもかかわらず週刊ロシア経済が作成できなかったので、その罪滅ぼしです。


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 日本の対ベラルーシ輸入商品構成を見てみると、一番多いのはベラルーシ名産として名高いカリ肥料なのだが、2番目に「第70類:ガラスおよびガラス製品」という項目が来ていることに気付いた。おや? これは何だろう? ひょっとして、ニョーマン社のグラス(食器)の類が、日本に輸入されているのか? そう思って、日本の通販などでベラルーシ製のグラス等が売っていないか調べてみたのだけれど、何も引っかからない。で、さらに調べてみると、日本に入ってきているベラルーシ製のガラス製品とは、グラスファイバー、グラスウールであることが判明した。様々な産業用途に用いられるが、消費者が直接触れることは少ないので、気付きにくいアイテムである。年間150万ドル程度輸入されているようだ(ただし、日本の輸入はアジアや米国からが主流であり、ベラルーシからの輸入は全体の1%にも満たない)。

 それで、それを供給しているのが、上掲動画に見るポロツク・ステクロヴォロクノという会社のようだ。動画は非常にしっかりした日本語のナレーションがあてられている。


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 以前、「ロシアと中国の国境地域協力 キーワードは『三橋一島』」というコラムを書いたことがあるが、その続報である。3つの橋の中で、ニジネレニンスコエ・同江間の鉄道橋につき、このほど進展が伝えられた。確認しておけば、このプロジェクトは、ロシア・ユダヤ自治州のニジネレニンスコエと、中国の同江とを、両国間では初となる鉄道橋(全長2,209m、総工費90億ルーブル)で結ぼうというものである。2018年4月頃に、労働者への賃金未払いが原因でロシア側の工事が遅延しているといった情報も伝えられたが、2018年9月の東方経済フォーラムにおいて、2019年の開通を目指す方針が確認された。そして、こちらの記事によれば、それぞれ両岸から建設されていた橋が、このほどついに接合したということである。ロシア側が4月2日に発表した。次の段階では、鉄道の路盤などの関連インフラの敷設作業が行われる。現段階の見通しでは、橋の建設が完了するのは7月で、年内の開通が予定されているということである。


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 こちらのサイトこちらの記事が伝えているように、メルセデスベンツがロシアのモスクワ郊外で進めていた自社工場の建設がこのほど完了し、4月3日プーチン大統領も出席して開所式が行われた。なお、プーチン大統領は、ベンツに乗って、ではなく、ロシア独自開発リムジンのアウルス車に乗って現場に駆け付けた。メルセデスベンツのロシア工場は、2017年2月に結ばれた特別投資契約にもとづき、同年6月から建設が始まった。工場は年産2.5万台の生産能力を持ち、雇用は最大で1,000人を超え、現時点ですでに500~700人が雇われている。まず本年にEクラスの生産を始め、その後GLE、GLC、GLSといったSUVの生産にも着手する予定。投資総額は160億ルーブル(2.5億ユーロ)に上る。


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 先日、「ロシアからEUへの鉄鋼輸出は好調」というエントリーをお届けした。EUは2018年7月から鉄鋼セーフガード(関税割当)を導入し、2019年2月からは正式発動して、EUへの最大の鉄鋼輸出国であるロシアも当然その対象になっている。しかし、現在のところロシアのEU向け鉄鋼輸出はむしろ好調だ、ということをお伝えした。

 このように、今のところEUのセーフガードはロシアの対EU鉄鋼輸出に響いてはいないものの、最新のこちらの記事によれば、ロシアとしては一応対抗措置をとる構えということである。ロシアが対抗措置をとる可能性がある旨をWTOに通知し、それが今般WTOのウェブサイトに掲載されたものである。


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 最近、ロシア・中央アジアのクラスター界隈では、ナザルバエフの話で持ちきりである。というか、いつの間にか、大統領辞任の話よりも、首都アスタナをヌルスルタンに改名したという話題の方が、盛り上がっているような。

 そこで、この週替わり紋章でも、アスタナ改め、ヌルスルタン市の市章を紹介することにする。それが、上掲の紋章である。ご覧のとおり、アスタナの景観の中心になっている「バイテレク」という塔と、「シャヌィラク」という格子状の幾何学模様が、デザインの中心になっている。ただ、市の名前が変わったので、そのうち市章も変更になるかもしれない。少なくとも「アスタナ」という文字の部分は差し替えられるだろう。

 ちなみに、上に見るアスタナの市章が制定されたのは2008年のことであり、それに先立つ1998~2008年には下のようなデザインが採用されていた。こっちの方が、デザイン的には映えるような。

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 ちょっと用事があって、こんな表を作ってみた。過去10年のEUの鉄鋼輸入相手国を整理したものである。EUは米国のトランプ鉄鋼関税に対抗し、2018年7月19日から鉄鋼輸入に暫定的に関税割当を適用してきた。そして、2019年2月2日からは、関税割当が正式に導入され、これが2021年6月30日まで適用されることになっている。関税割当とは、ある一定量までは通常の関税率で輸入されるが(EUの場合、鉄鋼の関税率は基本的に0%、鉄鋼製品は大部分が5.0%)、それを超えると以降は高率の関税率が適用されるという仕組みであり、本件の場合にはそれは25%の上乗せとなっている。この措置の影響を探るための下調べとして、上掲のような表を作成した次第だ。まあ、一口に鉄鋼といっても、プリミティブな半製品から高度な鋼板類まで色々あるし、できれば金額よりも数量ベースで見たいところなのだが、とりあえず全体像を知るための表である。

 EUは域内貿易比率が非常に大きな地域経済圏であり、鉄鋼に関しても輸入はEU域内からが多く、その比率は常に7割を超えている。しかし、鉄鋼の域内輸入比率は、2009年の78.3%から、2018年の72.6%へと傾向的に低下している。

 ロシアは、単独の国としては、EUの最大の鉄鋼輸入相手国である。実は、2018年7月以降のEUの暫定的な関税割当は、かえってロシアには有利に働いたようで、表に見るように、2018年にロシアのEU向け鉄鋼輸出は大きく伸びた。同様のことは、トルコについても言えるようである。こうしたことにかんがみ、EUは2019年2月以降は、基本的に国別に割当を設定し、ロシアのような国から突出して輸入が増えないように修正を図った。

 それに比べると、ウクライナのEU向け輸出は、このところ振るわない。むろんこれには、ドンバス・アゾフ海情勢というウクライナ側の事情が大きく影響している。ただ、ウクライナはEUと連合協定を締結しDCFTAが成立しているのに、それでもEU側の制限措置の対象に加えられてしまうのは、モヤモヤする(今回の関税割当が及ぼす影響は実際には小さいという指摘もあるが)。

 その他のCIS国では、モルドバがEU向け鉄鋼輸出を増やしていることが興味深い。これは、沿ドニエストル共和国に所在するモルドバ冶金工場の製品に他ならず、親ロシア分離主義地域の工場であるにもかかわらず、ちゃっかりモルドバとEUのDCFTAの恩恵に浴しているわけである。

 今や世界に冠たる鉄鋼超大国となった中国だが、中国はEU向けにはそれほど大量に輸出はしていない。日本も微々たるものである。EUはトランプ関税への対抗措置として関税割当を導入したわけだが、実は米国からの輸入はごくわずかである。


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 先日、UNIDOおよび外務省主催のGUAM投資ワークショップというのがあり、そのパネルディスカッションのモデレーターを務めさせていただいた。その中で私はウクライナの投資環境について問題提起したのだが、ウクライナからの参加者は直接的な回答の代わりに、同国に投資を行っている外国企業をずらずらと列挙し始めた。「これだけのサクセスストーリーがあるのだから、投資環境云々といった指摘は当たらない」と言いたかったのだろう。

 そのウクライナ参加者は、実例として自動車のシュコダによる投資も挙げており、同社は西ウクライナで自動車アセンブリーに従事しており、現在それをさらに拡大しようとしていると述べていた。しかし、最新のこちらの記事は、残念な現実を伝えている。シュコダはウクライナでの新工場の建設を断念したということである。

 記事によると、フォルクスワーゲン・グループの傘下にあるシュコダは、複数ブランドの自動車のアセンブリーを手掛ける工場の建設地を選定中であり、2017年には同社代表団がウクライナを訪問してフロイスマン首相とも面談した。しかし、その後ウクライナ側は、シュコダが望むような条件を提示できなかった。工業団地の関税・税制優遇は欠如し、電気自動車戦略は15年も機能しておらず、電気自動車生産を促進する法案は年初に上程されながら審議もされていない。こうした中、ウクライナでは中古車の輸入が野放しの状態にあり、まともな自動車ビジネスを駆逐してしまっている。シュコダがウクライナを選んでくれれば、14億ユーロの投資、5,000人の新規雇用、年産30万台の生産、年間45億ドルの輸出が得られたはずだったが、かくしてウクライナはそれをみすみす手放した。シュコダでは現時点で工場建設地を中東欧の4ヵ国にまで絞り込んだが、そこにはウクライナの名はない、とのことである。


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 ちょっと用事があって、こんなデータをまとめてみた。ITCのデータベースにもとづき、モルドバのワイン(HS2204)の輸出相手国をまとめたものである。

 モルドバのワインは、以前は圧倒的にロシア向けが多かったのだが、2006年にロシアが政治的な揺さぶりとしてモルドバ産ワインの輸入禁止措置をとって以降、ロシア向けは急減して浮き沈みも激しくなっている。それ以降は、ベラルーシが一貫してモルドバ産ワインの最大の輸入相手国となっている。かく言う私も、20年前のベラルーシ駐在時には、モルドバの安ワインを結構飲んでいた記憶がある。

 元々の最大市場であるCIS向けは低下傾向を辿っており、現時点ではEU向けや中国向けの輸出増が目覚ましい。日本向けも、増えてはいるが、中国などに比べると規模がだいぶ劣る。先日、駐日モルドバ大使館の人と話す機会があり、「最近はEU産のワインもコンビニで数百円で買えたりするのに、モルドバのワインはネット通販で2,000円以上するケースが多く、だいぶ割高感があるのではないか」と指摘してみたのだけれど、価格差は問題ない、モルドバ産ワインは高品質に訴求する、という回答だった。まあ、ブランドイメージが定着していたら、それもアリかもしれないけれどねえ。


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 ヨーロッパのサッカー界は2020ユーロの予選に突入しており、こちらの記事などが伝えるとおり、ロシア代表は第2戦で敵地「ヌルスルタン」に乗り込み、カザフスタン代表と対戦した。初戦でベルギーに敗れているだけに、勝利が義務付けられていたロシアだったが、4:0でカザフに圧勝した。一方、カザフは初戦ホームでスコットランドに快勝していたが、開閉式ドームスタジアムのアスタナ・アレーナが気温25度で、なおかつ人工芝という環境面にスコットランドが適応できなかったことが大きかったと言われている。今回のロシア戦も同じ条件で行われたが、ロシアはそれを苦にしなかったようだ。ちなみに、首都名が「アスタナ」から「ヌルスルタン」(退任した初代大統領ナザルバエフのファーストネーム)に変わり、「エアアスタナはそのままらしい」といった色んな話が飛び交っているが、個人的にはFCアスタナおよびアスタナ・アレーナの名前が変わるのか変わらないのかというのも気になるところである。

 ところで、上掲記事によれば、今回のカザフVSロシア戦では、ロシア側のサポーター席で、上掲写真のような、20年前のNATOによるユーゴスラビア爆撃を改めて非難するような横断幕が掲出されたということである。3月24日が、爆撃開始からちょうど20周年に当たるということだ。当時、NATOがベオグラード等を爆撃したことが、NATOとロシアの溝を広げる結果となり、ロシアが爆撃を非難していたことは、良く知られていた。しかし、サッカーのサポーターが20年後にそれを蒸し返すような動きを見せるほど(その背後には何らかの機関の暗躍があるのかもしれないが)、そこまでロシアにとっては大きな出来事だったのかと、改めて考えさせられた次第である。


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